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南プロシアン王国編
将来の戦士
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フロリアーナとマルコ伯爵が再開を果たした翌日、パトリシアはオルジュのはずれにある教会に向かっていた。
理由はもちろんシスターアンジェラに会うためである。
今回の南プロシアンとの戦いは海上戦になるため、通常の兵士たちに加えて船の漕ぎ手となる人たちも別途必要になる。
船の漕ぎ手はギガンティア大陸のどの国においても一般市民か奴隷であった。
奴隷制度を敷いていないタスタニアは、一般市民から漕ぎ手を集うしかなく、アンジェラに協力を求めるためにパトリシアが動いたのである。
「お話しはわかりました。市民だけでなく、我が教会の信者の中からも収集をかけましょう」
「ご協力感謝します」
「南プロシアンを味方に付ける事がいかに重要かは私もわかっているつもりです。出来る限りのお力添えは致します」
この話しを近くで聞いていた二人の子供がアンジェラの元に駆け寄った。
「シスター、私たちも行かせて下さい」
「私たちもう戦える年齢になっています。自分の力を試すいい機会です。この戦いに参加させて下さい」
「リディアにカリナ」
「アンジェラ、この二人は?」
「うちの孤児院のリーダー的存在で、リディアとカリナと言います」
「リディア・フォン・シュトロベイルと申します。よろしくお願いします」
「私はカリナ・フォン・プリンツです。みんなからはカリナと呼ばれています。どうぞよろしくお願いします」
「二人は歳はいくつなの?」
「二人も同い年で十五歳です」
リディアが元気よく答えたが、年齢を聞いたパトリシアは不安の表情をあらわにした。
「十五歳。。いくら武力に自信があると言っても歳が若すぎるわね。その心意気だけは認めるけど、もう少し大人になってからにしなさい」
パトリシアにたしなめられるように言われてリディアとカリナは不満顔であった。
「私たち戦う覚悟も命を落とすかもしれない危険も十分わかっているつもりです」
「お願いです。参加させて下さい」
「あなたたち、実際に戦場に出て戦った事があるの?実戦経験もない者がどうして危険が理解出来るの?」
「それは。。」
「書物で読んだり、人から聞いた話しだけで戦場をわかっているつもりになっているなら、その考えからあらためなければ早々に命を落とす事になる。そんな子供を戦場に行かすわけにはいかない」
パトリシアははっきりと厳しく言い渡した。
「リディア、カリナ。あなたたちの出る幕じゃない。下がってなさい」
アンジェラにも厳しい口調で言われてリディアとカリナはシュンとなって部屋に戻っていった。
「パトリシアさん、ごめんなさい。あの二人はレジーナから剣と槍を教えてもらっているから、武力は並の十五歳よりもあるとは思うけど、それが自信過剰になってる部分もあって私も困ってるんです」
「私も少しきつく言い過ぎたかな。でも彼女達が本当に軍に所属したいのなら、もう少し大人になって、もっと力をつけてからでも遅くないから、そう言っておいてね」
「よく言い聞かせておきます」
リディア・フォン・シュトロベイル
カリナ・フォン・プリンツ
後にティファたちの仲間になり、マリア、レイラの後継者としてタスタニア軍の中心的存在となる二人であったが、この時点ではまだ未熟な子供であり、到底戦場になど連れて行けるはずもなかった。
理由はもちろんシスターアンジェラに会うためである。
今回の南プロシアンとの戦いは海上戦になるため、通常の兵士たちに加えて船の漕ぎ手となる人たちも別途必要になる。
船の漕ぎ手はギガンティア大陸のどの国においても一般市民か奴隷であった。
奴隷制度を敷いていないタスタニアは、一般市民から漕ぎ手を集うしかなく、アンジェラに協力を求めるためにパトリシアが動いたのである。
「お話しはわかりました。市民だけでなく、我が教会の信者の中からも収集をかけましょう」
「ご協力感謝します」
「南プロシアンを味方に付ける事がいかに重要かは私もわかっているつもりです。出来る限りのお力添えは致します」
この話しを近くで聞いていた二人の子供がアンジェラの元に駆け寄った。
「シスター、私たちも行かせて下さい」
「私たちもう戦える年齢になっています。自分の力を試すいい機会です。この戦いに参加させて下さい」
「リディアにカリナ」
「アンジェラ、この二人は?」
「うちの孤児院のリーダー的存在で、リディアとカリナと言います」
「リディア・フォン・シュトロベイルと申します。よろしくお願いします」
「私はカリナ・フォン・プリンツです。みんなからはカリナと呼ばれています。どうぞよろしくお願いします」
「二人は歳はいくつなの?」
「二人も同い年で十五歳です」
リディアが元気よく答えたが、年齢を聞いたパトリシアは不安の表情をあらわにした。
「十五歳。。いくら武力に自信があると言っても歳が若すぎるわね。その心意気だけは認めるけど、もう少し大人になってからにしなさい」
パトリシアにたしなめられるように言われてリディアとカリナは不満顔であった。
「私たち戦う覚悟も命を落とすかもしれない危険も十分わかっているつもりです」
「お願いです。参加させて下さい」
「あなたたち、実際に戦場に出て戦った事があるの?実戦経験もない者がどうして危険が理解出来るの?」
「それは。。」
「書物で読んだり、人から聞いた話しだけで戦場をわかっているつもりになっているなら、その考えからあらためなければ早々に命を落とす事になる。そんな子供を戦場に行かすわけにはいかない」
パトリシアははっきりと厳しく言い渡した。
「リディア、カリナ。あなたたちの出る幕じゃない。下がってなさい」
アンジェラにも厳しい口調で言われてリディアとカリナはシュンとなって部屋に戻っていった。
「パトリシアさん、ごめんなさい。あの二人はレジーナから剣と槍を教えてもらっているから、武力は並の十五歳よりもあるとは思うけど、それが自信過剰になってる部分もあって私も困ってるんです」
「私も少しきつく言い過ぎたかな。でも彼女達が本当に軍に所属したいのなら、もう少し大人になって、もっと力をつけてからでも遅くないから、そう言っておいてね」
「よく言い聞かせておきます」
リディア・フォン・シュトロベイル
カリナ・フォン・プリンツ
後にティファたちの仲間になり、マリア、レイラの後継者としてタスタニア軍の中心的存在となる二人であったが、この時点ではまだ未熟な子供であり、到底戦場になど連れて行けるはずもなかった。
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