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南プロシアン王国編
団長ヴィンセント
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「ヴィンセントよ、お主までナサレノの言いなりか?カルドザルス騎士団の団長が落ちぶれたものだな」
「フロリアーナ王女、あなたに恨みはございませんが、これも命令。ご覚悟いただこう」
「ナサレノ如き愚物に屈したか。愚か者が」
「今のあなたはその愚物以下の力しかございますまい。恨むなら己の力の無さを恨みなされ」
「くそ。。」
悔しいがヴィンセントの言う通りであった。
今のフロリアーナにはナサレノに刃向かう力がない。
「あの男が何者であろうが、フロリアーナ様は我々が守る」
マリアがそう言うとヴィンセントは大きな刀を背中から抜いた。
「どうやらこの殺気はあの男から放たれているようだな」
ヴィンセントの殺気は、これまで倒したカルドザルス騎士団の騎士たち三人よりも遥かに上回っていた。
「あいつの相手は私がする。レイラはフロリアーナ様を頼む」
マリアは相手が身体が大きく大刀を持つ事から、ここはレイラより自分が戦った方がいいと判断して二階の窓から飛び降り、ヴィンセントの前に降り立った。
「タスタニア王国少尉、マリア・フォン・エアハルトがお相手致す」
「南プロシアン王国カルドザルス騎士団団長、ヴィンセント・ドルフィー。貴殿に恨みはないが、任務ゆえ覚悟してもらおう」
マリアも身長一七〇センチあるが、ヴィンセントは一九〇センチあり、上からマリアを見下ろす身長差であった。
ヴィンセントの剣が唸りをあげて上から振り下ろされると、マリアはその一撃を受け止めた。
ヴィンセントは構わず力で押し潰そうとするが、マリアの膂力もそれに負けていなかった。
マリアがヴィンセントの剣を弾くとヴィンセントは一旦後ろに下った。
「我が剣を受け止めるだけでなく、弾き返すとは驚きだ。部下たちでは倒せないわけだな」
ヴィンセントが再び剣を上段に構えると、マリアは中段でそれに対応する。
二人の剣は唸りをあげてぶつかり合い、夜の闇の中で激しい火花と金属音が鳴り響く。
圧倒的なパワーから繰り出されるヴィンセントの剣をマリアも超人的な力ではね返す。
互いに力勝負で自信のある二人は、戦いながら相手の力量に驚かざるを得なかった。
十数合の打ち合いが続いたが、その戦いを遮るようにフロリアーナの声が高らかに鳴り響いた。
「二人ともやめぬか!」
その声に二人の動きが止まった。
「ヴィンセント、ナサレノに伝えろ。私は必ず南プロシアンへ戻る。それまで首を洗って待っていろとな」
「笑止な。今のあなたでは何を言っても夢物語にしか聞こえぬ。これ以上の醜態は父上の名誉を貶めるだけですぞ」
ヴィンセントがそう言うとフロリアーナはいきなり窓枠に飛び乗った。
「フロリアーナ様!」
レイラが止めようとしたが、それよりも早くフロリアーナは二階の窓から飛び降りていた。
マリアもこれには驚いたが、フロリアーナは見事に着地した。
「マリア、レイラ。大丈夫だ」
身体についた埃を振り払う仕草をしながら、フロリアーナはゆっくりとヴィンセントの方へ歩いていく。
「夢を語ってはいけないのか?私が思っている事を口に出したら、父上の名誉が傷つくのか?今の私がお主の目には醜態に映るのであれば、この命ここで奪うがいい」
「何だと」
この行動にはヴィンセントも驚いた。
「フロリアーナ様、おやめください」
マリアも必死で止めようとするが、フロリアーナは近づこうとするマリアを手で制すると、ヴィンセントに向かって一歩ずつ近づいていった。
ヴィンセントは剣を上段に構えたが、フロリアーナから発している「気」に明らかに呑まれていた。
それは生まれながらにして王となる事を宿命付けられた者にしか出せないオーラのようなものであった。
ヴィンセントは認めざるを得なかった。
このお方こそ我が主人であったアルベルト一世の後継者であり、南プロシアンの新女王に相応しい人である事を。
ヴィンセントは剣をおろして鞘に収めた。
「今日のところは引き返す。だがナサレノはこれで諦める男ではない。あなたの命が少しばかり延びただけですぞ」
「私にとって命が延びる事は未来が開けるという事だ。ヴィンセント、私が国に戻ったら父上に仕えていた時のように私に力を貸してくれぬか?」
ヴィンセントはしばらくフロリアーナを睨んでいたが、くるりと踵を返した。
「仮定の話しに回答は出来ぬ。あなたが口先だけでなくナサレノに勝って国に戻り、女王となる事が出来たならその時にお答えしよう」
「わかった。私は必ず戻る。その時は是非答えを聞かせてもらうぞ」
ヴィンセントはフロリアーナの言葉を聞くと、振り返る事なく引き上げて行った。
(私の判断が間違っていなければ、南プロシアン王国の歴史に一役買った事になるな。。)
ヴィンセントはそう思いながらタスタニアを後にし、以降は病気と称して家に閉じこもり、ナサレノの命令に一切従わず、カルドザルス騎士団も動く事はなかった。
「フロリアーナ様、大丈夫ですか?」
マリアが急ぎフロリアーナに駆け寄ったが、フロリアーナは心配ないとにこりと笑った。
「あの男は父上の側近だった。無骨で一本気だが、決して悪い奴ではないのだ。マリアとどちらか一方が傷つき倒れるのは不本意だったので、強引ではあったが間に入って止めようと考えるより先に動いてしまった。女王になる者としては失格かも知れぬな」
レイラも窓から飛び降りるとフロリアーナにひざまづいてお詫びした。
「私がついていながら申し訳ございません」
「レイラ、謝る事なとないぞ。私がお主に止められまいと素早く飛び降りたのだからな」
フロリアーナはそう言って笑うとレイラに手を差し伸べた。
「え?いえ、自分で立ちます。王女様のお手をお借りするなど恐れ多い事は出来ません」
レイラは慌てて立ち上がった。
「レイラもマリア同様に硬くていかんな。私がこの手を貸す事など大したものではない。お主たちに借りている手の方が遥かにありがたいのだ。それに比べたらこれくらいお安い御用だ」
レイラとマリアはあらためてこの王女に尊敬の念を抱いた。
「フロリアーナ様!」
二階の窓からティファとシャローラが声をかけるとフロリアーナも無事を二人に伝えた。
「ティファニーにシャローラか。マリアとレイラのおかげで私はこの通り大丈夫だ」
フロリアーナの無事を確認してティファもシャローラも安堵の表情を浮かべた。
「ご無事で良かったです。マリア、レイラ。今回の襲撃は海側の防御の甘さを突かれたね。パトリシアに報告して早急に対策しなきゃ」
この襲撃でティファたちは外敵にここまで侵入された事の重大さを危惧し、パトリシアに報告をあげて、これ以降港町ポルタの防御は強化される事となった。
⭐︎⭐︎⭐︎
「ヴィンセントは失敗しておめおめと戻ってきたと言うのか?おまけに病気だと。奴は何を考えているのだ」
ナサレノはヴィンセントがフロリアーナ暗殺に失敗した事を知り激怒した。
「今回もカルドザルスの騎士が五人やられたそうです。タスタニアの騎士は相当な実力揃いのようですな。宰相、もはや刺客を差し向けて暗殺するのは無理でございましょう。
国家間でタスタニアのシュミット国王へ正式にフロリアーナをこちらに引き渡すよう書簡を出し、それに応じなければその時は軍事的行動を起こすしかありますまい」
アレッシオの提案にナサレノは怒りを抑えながらも承認した。
「タスタニアと戦争を起こして勝てる見込みがあるとすれば、やはり海上戦であろう」
「左様です。しかし懸念もございます。タスタニアが陸から海に出てこないという事も考えられます。相手が海に出て来なければ、我々は得意戦術に持っていけません」
「その場合はどうする?」
「ロマリア帝国を動かすしかないでしょうな。ロマリア帝国にも、我が国とタスタニアが軍事的行動を起こす事を知らせておくのです。そうすればこの機を逃さずタスタニアへ進行するでしょう。陸と海の二方面から攻撃すれば、双方に兵力を割かねばならず、我々が陸上戦で勝てる可能性も出てきます」
「なるほど。アレッシオ、早速ロマリア帝国に書簡を送れ。貴国と協力体制を結びたいとな」
「承知致しました」
アレッシオはナサレノに一礼してアルベルト一世が使用していた王の間から退出した。
現在はナサレノがこの王の間を我が物として使用していた。
「タスタニアとて、ロマリア帝国がこの機に乗じて動く事くらい予測し、対策を講じているであろう。もしロマリア帝国が動きを封じられて、全戦力がこちらに向けられたら陸上どころか海上戦とて優位とは言えなくなる。しかしあの無能者にそこまで教えてやる必要はあるまい」
アレッシオは表向きナサレノに従っている形を取ってはいるが、敬服している訳ではない。
フロリアーナが女王として再び国に戻って来た時のために、これ以上内政が悪化しないよう細心の注意を払いながらナサレノの暴走を抑えていたのだ。
「さて、フロリアーナ王女。あなたがどうやってここに戻って来られるか、お手並み拝見させて頂きますぞ」
アレッシオは民衆にストーリーを見せるつもりであった。
一度は宰相ナサレノに国を追いやられた王女が、近隣国を味方につけて再び国に帰還し、女王となって国を再建させたとなれば、国にとっても新たなヒーロー誕生である。
民衆のフロリアーナへの信頼と忠誠は一気に膨れ上がるであろう。
「先代アルベルト一世の影響が未だに強く残るこの国には、新たなヒーローが必要なのだ」
「フロリアーナ王女、あなたに恨みはございませんが、これも命令。ご覚悟いただこう」
「ナサレノ如き愚物に屈したか。愚か者が」
「今のあなたはその愚物以下の力しかございますまい。恨むなら己の力の無さを恨みなされ」
「くそ。。」
悔しいがヴィンセントの言う通りであった。
今のフロリアーナにはナサレノに刃向かう力がない。
「あの男が何者であろうが、フロリアーナ様は我々が守る」
マリアがそう言うとヴィンセントは大きな刀を背中から抜いた。
「どうやらこの殺気はあの男から放たれているようだな」
ヴィンセントの殺気は、これまで倒したカルドザルス騎士団の騎士たち三人よりも遥かに上回っていた。
「あいつの相手は私がする。レイラはフロリアーナ様を頼む」
マリアは相手が身体が大きく大刀を持つ事から、ここはレイラより自分が戦った方がいいと判断して二階の窓から飛び降り、ヴィンセントの前に降り立った。
「タスタニア王国少尉、マリア・フォン・エアハルトがお相手致す」
「南プロシアン王国カルドザルス騎士団団長、ヴィンセント・ドルフィー。貴殿に恨みはないが、任務ゆえ覚悟してもらおう」
マリアも身長一七〇センチあるが、ヴィンセントは一九〇センチあり、上からマリアを見下ろす身長差であった。
ヴィンセントの剣が唸りをあげて上から振り下ろされると、マリアはその一撃を受け止めた。
ヴィンセントは構わず力で押し潰そうとするが、マリアの膂力もそれに負けていなかった。
マリアがヴィンセントの剣を弾くとヴィンセントは一旦後ろに下った。
「我が剣を受け止めるだけでなく、弾き返すとは驚きだ。部下たちでは倒せないわけだな」
ヴィンセントが再び剣を上段に構えると、マリアは中段でそれに対応する。
二人の剣は唸りをあげてぶつかり合い、夜の闇の中で激しい火花と金属音が鳴り響く。
圧倒的なパワーから繰り出されるヴィンセントの剣をマリアも超人的な力ではね返す。
互いに力勝負で自信のある二人は、戦いながら相手の力量に驚かざるを得なかった。
十数合の打ち合いが続いたが、その戦いを遮るようにフロリアーナの声が高らかに鳴り響いた。
「二人ともやめぬか!」
その声に二人の動きが止まった。
「ヴィンセント、ナサレノに伝えろ。私は必ず南プロシアンへ戻る。それまで首を洗って待っていろとな」
「笑止な。今のあなたでは何を言っても夢物語にしか聞こえぬ。これ以上の醜態は父上の名誉を貶めるだけですぞ」
ヴィンセントがそう言うとフロリアーナはいきなり窓枠に飛び乗った。
「フロリアーナ様!」
レイラが止めようとしたが、それよりも早くフロリアーナは二階の窓から飛び降りていた。
マリアもこれには驚いたが、フロリアーナは見事に着地した。
「マリア、レイラ。大丈夫だ」
身体についた埃を振り払う仕草をしながら、フロリアーナはゆっくりとヴィンセントの方へ歩いていく。
「夢を語ってはいけないのか?私が思っている事を口に出したら、父上の名誉が傷つくのか?今の私がお主の目には醜態に映るのであれば、この命ここで奪うがいい」
「何だと」
この行動にはヴィンセントも驚いた。
「フロリアーナ様、おやめください」
マリアも必死で止めようとするが、フロリアーナは近づこうとするマリアを手で制すると、ヴィンセントに向かって一歩ずつ近づいていった。
ヴィンセントは剣を上段に構えたが、フロリアーナから発している「気」に明らかに呑まれていた。
それは生まれながらにして王となる事を宿命付けられた者にしか出せないオーラのようなものであった。
ヴィンセントは認めざるを得なかった。
このお方こそ我が主人であったアルベルト一世の後継者であり、南プロシアンの新女王に相応しい人である事を。
ヴィンセントは剣をおろして鞘に収めた。
「今日のところは引き返す。だがナサレノはこれで諦める男ではない。あなたの命が少しばかり延びただけですぞ」
「私にとって命が延びる事は未来が開けるという事だ。ヴィンセント、私が国に戻ったら父上に仕えていた時のように私に力を貸してくれぬか?」
ヴィンセントはしばらくフロリアーナを睨んでいたが、くるりと踵を返した。
「仮定の話しに回答は出来ぬ。あなたが口先だけでなくナサレノに勝って国に戻り、女王となる事が出来たならその時にお答えしよう」
「わかった。私は必ず戻る。その時は是非答えを聞かせてもらうぞ」
ヴィンセントはフロリアーナの言葉を聞くと、振り返る事なく引き上げて行った。
(私の判断が間違っていなければ、南プロシアン王国の歴史に一役買った事になるな。。)
ヴィンセントはそう思いながらタスタニアを後にし、以降は病気と称して家に閉じこもり、ナサレノの命令に一切従わず、カルドザルス騎士団も動く事はなかった。
「フロリアーナ様、大丈夫ですか?」
マリアが急ぎフロリアーナに駆け寄ったが、フロリアーナは心配ないとにこりと笑った。
「あの男は父上の側近だった。無骨で一本気だが、決して悪い奴ではないのだ。マリアとどちらか一方が傷つき倒れるのは不本意だったので、強引ではあったが間に入って止めようと考えるより先に動いてしまった。女王になる者としては失格かも知れぬな」
レイラも窓から飛び降りるとフロリアーナにひざまづいてお詫びした。
「私がついていながら申し訳ございません」
「レイラ、謝る事なとないぞ。私がお主に止められまいと素早く飛び降りたのだからな」
フロリアーナはそう言って笑うとレイラに手を差し伸べた。
「え?いえ、自分で立ちます。王女様のお手をお借りするなど恐れ多い事は出来ません」
レイラは慌てて立ち上がった。
「レイラもマリア同様に硬くていかんな。私がこの手を貸す事など大したものではない。お主たちに借りている手の方が遥かにありがたいのだ。それに比べたらこれくらいお安い御用だ」
レイラとマリアはあらためてこの王女に尊敬の念を抱いた。
「フロリアーナ様!」
二階の窓からティファとシャローラが声をかけるとフロリアーナも無事を二人に伝えた。
「ティファニーにシャローラか。マリアとレイラのおかげで私はこの通り大丈夫だ」
フロリアーナの無事を確認してティファもシャローラも安堵の表情を浮かべた。
「ご無事で良かったです。マリア、レイラ。今回の襲撃は海側の防御の甘さを突かれたね。パトリシアに報告して早急に対策しなきゃ」
この襲撃でティファたちは外敵にここまで侵入された事の重大さを危惧し、パトリシアに報告をあげて、これ以降港町ポルタの防御は強化される事となった。
⭐︎⭐︎⭐︎
「ヴィンセントは失敗しておめおめと戻ってきたと言うのか?おまけに病気だと。奴は何を考えているのだ」
ナサレノはヴィンセントがフロリアーナ暗殺に失敗した事を知り激怒した。
「今回もカルドザルスの騎士が五人やられたそうです。タスタニアの騎士は相当な実力揃いのようですな。宰相、もはや刺客を差し向けて暗殺するのは無理でございましょう。
国家間でタスタニアのシュミット国王へ正式にフロリアーナをこちらに引き渡すよう書簡を出し、それに応じなければその時は軍事的行動を起こすしかありますまい」
アレッシオの提案にナサレノは怒りを抑えながらも承認した。
「タスタニアと戦争を起こして勝てる見込みがあるとすれば、やはり海上戦であろう」
「左様です。しかし懸念もございます。タスタニアが陸から海に出てこないという事も考えられます。相手が海に出て来なければ、我々は得意戦術に持っていけません」
「その場合はどうする?」
「ロマリア帝国を動かすしかないでしょうな。ロマリア帝国にも、我が国とタスタニアが軍事的行動を起こす事を知らせておくのです。そうすればこの機を逃さずタスタニアへ進行するでしょう。陸と海の二方面から攻撃すれば、双方に兵力を割かねばならず、我々が陸上戦で勝てる可能性も出てきます」
「なるほど。アレッシオ、早速ロマリア帝国に書簡を送れ。貴国と協力体制を結びたいとな」
「承知致しました」
アレッシオはナサレノに一礼してアルベルト一世が使用していた王の間から退出した。
現在はナサレノがこの王の間を我が物として使用していた。
「タスタニアとて、ロマリア帝国がこの機に乗じて動く事くらい予測し、対策を講じているであろう。もしロマリア帝国が動きを封じられて、全戦力がこちらに向けられたら陸上どころか海上戦とて優位とは言えなくなる。しかしあの無能者にそこまで教えてやる必要はあるまい」
アレッシオは表向きナサレノに従っている形を取ってはいるが、敬服している訳ではない。
フロリアーナが女王として再び国に戻って来た時のために、これ以上内政が悪化しないよう細心の注意を払いながらナサレノの暴走を抑えていたのだ。
「さて、フロリアーナ王女。あなたがどうやってここに戻って来られるか、お手並み拝見させて頂きますぞ」
アレッシオは民衆にストーリーを見せるつもりであった。
一度は宰相ナサレノに国を追いやられた王女が、近隣国を味方につけて再び国に帰還し、女王となって国を再建させたとなれば、国にとっても新たなヒーロー誕生である。
民衆のフロリアーナへの信頼と忠誠は一気に膨れ上がるであろう。
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