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両雄激突編
再会 後編
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司令部は二階建てで一階は入り口からずっと奥まで一本の廊下に左右に作戦室や会議室がそれぞれ四部屋ずつ合計八部屋あり一番右奥の部屋が司令官室になっていた。
二階はこれからティファたちが住むための宿舎という事であった。
ティファはまずは会議室に全員で入り、レイラとマリアにブラウゼンの現状を教えてもらう事にした。
「さっそくで悪いんだけどブラウゼンの現状を簡単でいいから教えてもらえる?」
レイラが着任当時の様子から説明を始めた。
「私たちが一番最初に来た時、始めに兵の訓練を見せてもらったんだけど、ひと言でいって訓練というよりただ剣を振って馬を走らせているだけというレベル。
全体的にも部隊というより個隊って感じで統率が必要な戦場ではバラバラになってしまうような状態だった。パトリシアさんがここの兵は勇猛だけど隊としてのまとまりがなく、ただの荒くれ集団だと言ってたのがわかった気がしたよ。
そこでまずは部隊の規律を正すところから始めたんだけど、最初のうちはなかなか命令通りに動かないんで苦労したよ。それで仕方なく実力行使に出たんだ。
私とマリアで日々二十人ずつくらい練習用の木の剣を使って腕に自信のあるって名乗って出た兵と一騎討ちをやって片っ端から倒していって、私たちが強いってところを見せたらようやく素直に命令に従うようになったよ」
レイラの説明にマリアも相槌をうつ。
「それは大変だったね。大変のひと言で済ませちゃいけないんだけど、ご苦労様でしたとしか言えなくてごめんね」
ティファはレイラとマリアの苦労に労いの言葉をかけた。
「いや、これくらいは覚悟してたからどうって事ないよ。マリアが居てくれて助かったし、一人だったらもっと苦労してたと思うよ。今は号令ひとつで規律ある行動を取れる様になったし、ここにティファの用兵が加わればかなりの力になると思うから」
「私の用兵かぁ。。あまり期待されても困るんだけど、とにかく自分の出来る限りのことはするよ」
「それでいいよ。ティファの出来ない事なら誰も出来ないから」
ティファはあまり期待されても自分の能力範囲を超えた事態になったらそこから先は天運任せだと考えていた。
実際に帝国軍を見た事がないし実戦経験もほぼないと言ってよかった。
ロビーたち山賊を退治したのは戦争というより捕獲だったし、本格的な戦争となれば予測不能な事態があちこちで時系列的に起きる可能性が十分あるからだ。
「レイラ、ここの兵はすぐに戦闘を出来る状態なのかな?」
「まだ訓練不足の感は否めないけど、命令すればすぐに動かせる状態ではあるよ」
「そうなんだ。そのレオニードという人はどんな感じなの?」
「絵に描いたような威張り腐るだけの軍人としか表現しようがないね。戦略も戦術もなく精神論で兵士を戦わせようとするから要注意だよ」
「威張り腐るだけの軍人か。。」
ティファはふと幼少の頃に通っていた教会の学校で教わった事を思い出していた。
「私は幼い頃神父さまに、もし自分が将来人の上に立つような身分になったとしても、相手の身分や階級で態度を変えるような事はしないように。周りの人たちに居丈高になるような行動はとらないように。と教えられて、そうなりたいと心に決めて今こうしているけど、果たしてどこまで出来ているのやら」
ティファは肩をすくめてそう自身を振り返った。
無論、国王や宰相などには臣下の礼を尽くさなければならないが、決して卑屈にならず普通に接するつもりだが、自分の言動は他人から見なければわからないものだから、自分ではそうしているつもりになっていてもマリアやロビーには違う姿で見られているかもしれない。
「これからレオニード少将に挨拶にいかなきゃならないからとにかく話しはしてみるよ」
ティファはそう言うとロビーとソフィアを連れて司令官室へと向かった。
「いい、ロビーにソフィア。頭が来ても手を出しちゃダメだよ。ここは様子見だから我慢。我慢」
「我慢かあ。オレは頭に血が昇るのが早いから難しそうだな」
「私もあまり自信がない」
ロビーとソフィアは居丈高な態度の人間が何より嫌いだったので、どこまで我慢出来るか不安であった。
二階はこれからティファたちが住むための宿舎という事であった。
ティファはまずは会議室に全員で入り、レイラとマリアにブラウゼンの現状を教えてもらう事にした。
「さっそくで悪いんだけどブラウゼンの現状を簡単でいいから教えてもらえる?」
レイラが着任当時の様子から説明を始めた。
「私たちが一番最初に来た時、始めに兵の訓練を見せてもらったんだけど、ひと言でいって訓練というよりただ剣を振って馬を走らせているだけというレベル。
全体的にも部隊というより個隊って感じで統率が必要な戦場ではバラバラになってしまうような状態だった。パトリシアさんがここの兵は勇猛だけど隊としてのまとまりがなく、ただの荒くれ集団だと言ってたのがわかった気がしたよ。
そこでまずは部隊の規律を正すところから始めたんだけど、最初のうちはなかなか命令通りに動かないんで苦労したよ。それで仕方なく実力行使に出たんだ。
私とマリアで日々二十人ずつくらい練習用の木の剣を使って腕に自信のあるって名乗って出た兵と一騎討ちをやって片っ端から倒していって、私たちが強いってところを見せたらようやく素直に命令に従うようになったよ」
レイラの説明にマリアも相槌をうつ。
「それは大変だったね。大変のひと言で済ませちゃいけないんだけど、ご苦労様でしたとしか言えなくてごめんね」
ティファはレイラとマリアの苦労に労いの言葉をかけた。
「いや、これくらいは覚悟してたからどうって事ないよ。マリアが居てくれて助かったし、一人だったらもっと苦労してたと思うよ。今は号令ひとつで規律ある行動を取れる様になったし、ここにティファの用兵が加わればかなりの力になると思うから」
「私の用兵かぁ。。あまり期待されても困るんだけど、とにかく自分の出来る限りのことはするよ」
「それでいいよ。ティファの出来ない事なら誰も出来ないから」
ティファはあまり期待されても自分の能力範囲を超えた事態になったらそこから先は天運任せだと考えていた。
実際に帝国軍を見た事がないし実戦経験もほぼないと言ってよかった。
ロビーたち山賊を退治したのは戦争というより捕獲だったし、本格的な戦争となれば予測不能な事態があちこちで時系列的に起きる可能性が十分あるからだ。
「レイラ、ここの兵はすぐに戦闘を出来る状態なのかな?」
「まだ訓練不足の感は否めないけど、命令すればすぐに動かせる状態ではあるよ」
「そうなんだ。そのレオニードという人はどんな感じなの?」
「絵に描いたような威張り腐るだけの軍人としか表現しようがないね。戦略も戦術もなく精神論で兵士を戦わせようとするから要注意だよ」
「威張り腐るだけの軍人か。。」
ティファはふと幼少の頃に通っていた教会の学校で教わった事を思い出していた。
「私は幼い頃神父さまに、もし自分が将来人の上に立つような身分になったとしても、相手の身分や階級で態度を変えるような事はしないように。周りの人たちに居丈高になるような行動はとらないように。と教えられて、そうなりたいと心に決めて今こうしているけど、果たしてどこまで出来ているのやら」
ティファは肩をすくめてそう自身を振り返った。
無論、国王や宰相などには臣下の礼を尽くさなければならないが、決して卑屈にならず普通に接するつもりだが、自分の言動は他人から見なければわからないものだから、自分ではそうしているつもりになっていてもマリアやロビーには違う姿で見られているかもしれない。
「これからレオニード少将に挨拶にいかなきゃならないからとにかく話しはしてみるよ」
ティファはそう言うとロビーとソフィアを連れて司令官室へと向かった。
「いい、ロビーにソフィア。頭が来ても手を出しちゃダメだよ。ここは様子見だから我慢。我慢」
「我慢かあ。オレは頭に血が昇るのが早いから難しそうだな」
「私もあまり自信がない」
ロビーとソフィアは居丈高な態度の人間が何より嫌いだったので、どこまで我慢出来るか不安であった。
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