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ロマリア帝国事件編
ナスターシャ現る
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「ミリアム、しっかりしろ」
「ソ。。レーヌ。。ザラメスに。。」
「ザラメスがどうした?」
「ナスターシャ。。」
「ナスターシャ?誰だそれは?」
「医者。。」
「医者?知り合いの医者なのか?しかしザラメスとは。。」
ドナウゼンからザラメスまでは早馬を飛ばしても片道二日はかかる。
それまでミリアムをこの状態にしておくのは危険であった。
ソレーヌは必死で考えていた。
「どうすればいいんだ。。そのナスターシャという医者を少しでも早くここに呼ぶには」
伝書鳩を使って手紙を書いてもナスターシャがこちらに来るまではやはり二日かかる。
その間にもミリアムの命の灯火は消えかかろうとしていた。
状況は一刻を争っている。
どう考えてもザラメスまで行ってその医者を連れてくるのは非現実的であった。
「すまぬミリアム、その身体の状態ではザラメスまで往復している時間がない。すぐこの近隣にいる医者を呼んでくる」
ソレーヌがそう言って急ぎ医者を探しに走ろうとしたその時、目の前に一人の女性が現れた。
金髪に青い瞳が印象的なその女性はこの場で異質なほど美人であったが、一目みて只者でないとソレーヌも感じていた。
(この人物何者だ?相当に知性的な印象をうける)
「ナスターシャ。。」
ミリアムが女性の顔を見てその名を告げた。
「ナスターシャ?この人が?」
「私はザラメスで医師をしておりますナスターシャ・フォン・カレンベルクと申します。話しは後にしてすぐに治療を」
ナスターシャがただの医者ではないと思ったソレーヌは彼女に全てを任せる事にした。
「よろしく頼みます」
ナスターシャは持っていた鞄を開くとソレーヌが見た事もないような医療道具が大量に収められていた。
「お湯とシートを用意出来ますか?出来るだけ早く」
彼女の指示にソレーヌが素早く動く。
「わかりました。すぐに準備させます」
ソレーヌが急ぎ兵士たちにお湯とシートを用意するよに指示を出すと、ミリアムがソレーヌを呼んでいた。
「ソレーヌ。。」
「喋るな、少しでも体力を温存しなくては。。」
そう言うソレーヌにミリアムは声を絞り出すように伝える。
「。。何だって?」
間もなくお湯とシートの準備が出来て、簡易的なテントが作られると、ナスターシャは信じれないスピードでミリアムの手足に打ちつけられた釘を一本抜き取り素早く止血の治療を行なっていく。
そしてその傷口を小さな針と糸を使って縫い合わせ、軟膏を塗って包帯を巻いていった。
人の皮膚を縫うなどという治療法も、止血のために塗る軟膏もソレーヌには見た事のない物ばかりであった。
一見乱暴そうに見えるが、これは相当の凄腕でなければ出来ない芸当のような治療にソレーヌは圧倒されるだけであった。
(何というスピード。技術。見た事もない薬。何より的確な治療。この医者は何者なのだ。。)
時間にして三十分ほどであったろうか。
ナスターシャの完璧な治療によりミリアムは一命を取り留めた。
「ありがとう。ナスターシャ、どうしてここへ?」
「あなたの様子がおかしかったからずっと心配していました。ザラメスには私の知り合いが沢山いるから、このギアラエ鉱山の話もすぐに入ってきました。あなたがザラメスでここの情報を収集していたのを知り、何か危険な事をするのではと思い、万一の事があったらと不安になったので、病院を臨時休業にして急ぎここへ来たのです。間に合って良かった」
「ナスターシャさん、私からもお礼を言います。ミリアムを助けてくれてありがとうございました」
「礼には及びません。私は医師。医師としてやるべき事をやっただけです」
ソレーヌが改めてナスターシャに礼を言い終えたところでセリアもその場に到着した。
「ソレーヌ、ミリアムさんは大丈夫だったか?」
「ああ。ナスターシャさんのお陰だ」
ソレーヌに紹介されてセリアもナスターシャに挨拶するが、その雰囲気が只者でない事はセリアにもすぐにわかった。
「それは良かった。ソレーヌ、ちょっといいか」
セリアが何やら耳打ちし、ソレーヌもそれに反応して耳打ちする
「ソ。。レーヌ。。ザラメスに。。」
「ザラメスがどうした?」
「ナスターシャ。。」
「ナスターシャ?誰だそれは?」
「医者。。」
「医者?知り合いの医者なのか?しかしザラメスとは。。」
ドナウゼンからザラメスまでは早馬を飛ばしても片道二日はかかる。
それまでミリアムをこの状態にしておくのは危険であった。
ソレーヌは必死で考えていた。
「どうすればいいんだ。。そのナスターシャという医者を少しでも早くここに呼ぶには」
伝書鳩を使って手紙を書いてもナスターシャがこちらに来るまではやはり二日かかる。
その間にもミリアムの命の灯火は消えかかろうとしていた。
状況は一刻を争っている。
どう考えてもザラメスまで行ってその医者を連れてくるのは非現実的であった。
「すまぬミリアム、その身体の状態ではザラメスまで往復している時間がない。すぐこの近隣にいる医者を呼んでくる」
ソレーヌがそう言って急ぎ医者を探しに走ろうとしたその時、目の前に一人の女性が現れた。
金髪に青い瞳が印象的なその女性はこの場で異質なほど美人であったが、一目みて只者でないとソレーヌも感じていた。
(この人物何者だ?相当に知性的な印象をうける)
「ナスターシャ。。」
ミリアムが女性の顔を見てその名を告げた。
「ナスターシャ?この人が?」
「私はザラメスで医師をしておりますナスターシャ・フォン・カレンベルクと申します。話しは後にしてすぐに治療を」
ナスターシャがただの医者ではないと思ったソレーヌは彼女に全てを任せる事にした。
「よろしく頼みます」
ナスターシャは持っていた鞄を開くとソレーヌが見た事もないような医療道具が大量に収められていた。
「お湯とシートを用意出来ますか?出来るだけ早く」
彼女の指示にソレーヌが素早く動く。
「わかりました。すぐに準備させます」
ソレーヌが急ぎ兵士たちにお湯とシートを用意するよに指示を出すと、ミリアムがソレーヌを呼んでいた。
「ソレーヌ。。」
「喋るな、少しでも体力を温存しなくては。。」
そう言うソレーヌにミリアムは声を絞り出すように伝える。
「。。何だって?」
間もなくお湯とシートの準備が出来て、簡易的なテントが作られると、ナスターシャは信じれないスピードでミリアムの手足に打ちつけられた釘を一本抜き取り素早く止血の治療を行なっていく。
そしてその傷口を小さな針と糸を使って縫い合わせ、軟膏を塗って包帯を巻いていった。
人の皮膚を縫うなどという治療法も、止血のために塗る軟膏もソレーヌには見た事のない物ばかりであった。
一見乱暴そうに見えるが、これは相当の凄腕でなければ出来ない芸当のような治療にソレーヌは圧倒されるだけであった。
(何というスピード。技術。見た事もない薬。何より的確な治療。この医者は何者なのだ。。)
時間にして三十分ほどであったろうか。
ナスターシャの完璧な治療によりミリアムは一命を取り留めた。
「ありがとう。ナスターシャ、どうしてここへ?」
「あなたの様子がおかしかったからずっと心配していました。ザラメスには私の知り合いが沢山いるから、このギアラエ鉱山の話もすぐに入ってきました。あなたがザラメスでここの情報を収集していたのを知り、何か危険な事をするのではと思い、万一の事があったらと不安になったので、病院を臨時休業にして急ぎここへ来たのです。間に合って良かった」
「ナスターシャさん、私からもお礼を言います。ミリアムを助けてくれてありがとうございました」
「礼には及びません。私は医師。医師としてやるべき事をやっただけです」
ソレーヌが改めてナスターシャに礼を言い終えたところでセリアもその場に到着した。
「ソレーヌ、ミリアムさんは大丈夫だったか?」
「ああ。ナスターシャさんのお陰だ」
ソレーヌに紹介されてセリアもナスターシャに挨拶するが、その雰囲気が只者でない事はセリアにもすぐにわかった。
「それは良かった。ソレーヌ、ちょっといいか」
セリアが何やら耳打ちし、ソレーヌもそれに反応して耳打ちする
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