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ロマリア帝国事件編
助けたつもりでも。。
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一方、鉱山内を捜索していたジュディたちは宿舎にいた五百人近い見習い労働者と呼ばれるたちを見つけて解放した。
みんな過酷な労働を強いられていた者たちである。
「この人たちはハーフェンに行かせる訳にはいかない。またルーファス法によって収容されてしまう」
ジュディはそう考えて、結局全員フェンデンへ連れて行き、後をどうするかは本人たちの意思を尊重する事となった。
結果から言えば半数はザラメスに移住し、残り半数はそのままフェルデンに居住する事となった。
無論、それを手配したのはモニカである。
だが、それと同時に労働力として使えなくなった人たちの収容されていた収容所を発見した時はあまりの惨劇に言葉を失った。
五百人近い人たちが無造作に閉じ込められていて、大半は栄養失調と過酷な労働により死んでいた。
僅かに生き残った人たちも痩せ細り、自力で歩けない状態であった。
「これは。。何と酷い。。」
ジュディとエミリアは目を背けたくなるような状況であったが、兵士たちに命じて遺体は丁重に埋葬し、生きている人たちはフェルデンの病院へと運んだ。
「こんな事が許される世の中なんてやはりおかしい。私たちはこんな世の中を少しでも早く良くしていきたい」
エミリアの言葉にジュディも同意する。
「ああ。そうだな。ボクたちが厳しい修業をしているのもこんな目に遭う人たちを少しでも助けたいからだ。だけどこの人たちを助けられなかった。。それが悔やまれる。人間っていうのは自分が誰かと比較して優れていると錯覚したところから、他者に対する暴力を正当化する生き物なのかも知れないな」
「私たちもその甘い囁きに誘惑されないとも限らない。気持ちを強く持たないとね」
しかしこの後、ちょっとした事件が起きた。
収容所の人たちを救出する傍らで数百人もの人たちにジュディが囲まれてしまう。
「どうしてファビアンを逮捕した?何故私たちをそのままにしてくれなかった。ここに居た方が外に出るより幸せだったのに」
「これはお前たちを助けるために。。」
「余計なお世話だ。お前たちに私たちが救えるものか」
「何だと!」
収容所の労働者たちと一触即発の状態になったジュディをエミリアが静止する。
「ジュディ、やめよう。。私たちの価値観で誰かを救ったつもりになっても、人によっては今までのままの方が良かったという事もある。私たちは自分の義務を果たすのみ。全ての人たちを満足させるのは無理なんだ」
エミリアにそう言われてジュディも落ち着きを取り戻した。
「そうだな。全ての人を満足させるなんて無理だ。ボクたちは自分の出来る範囲内で使命を果たす。それしか出来ない」
助けたつもりになっても、人によっては今までの方が良かったという事もある。
ジュディもエミリアも助けたはずの人たちから思わぬ怒りを買い、何とも胸のつかえが取れない気分になってしまった。
重労働に従事させられていた人たちと生贄にされかけた人たちは救出されたという報告がセリアの元にも入ってきた。
「みんな、よくやってくれた。みんなの尽力のおかげで鎮圧する事が出来た。あらためて礼を言う」
セリアが討伐軍兵士たちにそう労いの言葉を掛けると兵士たちから喜びの声が上がった。
セリアは仲間と共に初陣を勝利で飾れた事にまずは安堵の表情を浮かべた。
しかし、そこにジュディとエミリアが戻ってきて県令親衛隊の隊長から聞いた話しを伝えると再び緊張感に包まれた。
「ファビアンの娘だと?そいつが黒幕なのか?」
「黒幕かどうかまでわからないけど、ネープ民族の女性たちを生贄と称して惨殺しているのはそいつらしい。普段は姿を現した事がないって事は誰も知らないって事だ。おまけにボクたちに匹敵する剣術の力があるとなると厄介だぞ」
セリアはすぐにギアラエ鉱山都市内を再調査させた。
「手分けして探し出せ。怪しい奴を見つけたらすぐに連絡しろ」
みんな過酷な労働を強いられていた者たちである。
「この人たちはハーフェンに行かせる訳にはいかない。またルーファス法によって収容されてしまう」
ジュディはそう考えて、結局全員フェンデンへ連れて行き、後をどうするかは本人たちの意思を尊重する事となった。
結果から言えば半数はザラメスに移住し、残り半数はそのままフェルデンに居住する事となった。
無論、それを手配したのはモニカである。
だが、それと同時に労働力として使えなくなった人たちの収容されていた収容所を発見した時はあまりの惨劇に言葉を失った。
五百人近い人たちが無造作に閉じ込められていて、大半は栄養失調と過酷な労働により死んでいた。
僅かに生き残った人たちも痩せ細り、自力で歩けない状態であった。
「これは。。何と酷い。。」
ジュディとエミリアは目を背けたくなるような状況であったが、兵士たちに命じて遺体は丁重に埋葬し、生きている人たちはフェルデンの病院へと運んだ。
「こんな事が許される世の中なんてやはりおかしい。私たちはこんな世の中を少しでも早く良くしていきたい」
エミリアの言葉にジュディも同意する。
「ああ。そうだな。ボクたちが厳しい修業をしているのもこんな目に遭う人たちを少しでも助けたいからだ。だけどこの人たちを助けられなかった。。それが悔やまれる。人間っていうのは自分が誰かと比較して優れていると錯覚したところから、他者に対する暴力を正当化する生き物なのかも知れないな」
「私たちもその甘い囁きに誘惑されないとも限らない。気持ちを強く持たないとね」
しかしこの後、ちょっとした事件が起きた。
収容所の人たちを救出する傍らで数百人もの人たちにジュディが囲まれてしまう。
「どうしてファビアンを逮捕した?何故私たちをそのままにしてくれなかった。ここに居た方が外に出るより幸せだったのに」
「これはお前たちを助けるために。。」
「余計なお世話だ。お前たちに私たちが救えるものか」
「何だと!」
収容所の労働者たちと一触即発の状態になったジュディをエミリアが静止する。
「ジュディ、やめよう。。私たちの価値観で誰かを救ったつもりになっても、人によっては今までのままの方が良かったという事もある。私たちは自分の義務を果たすのみ。全ての人たちを満足させるのは無理なんだ」
エミリアにそう言われてジュディも落ち着きを取り戻した。
「そうだな。全ての人を満足させるなんて無理だ。ボクたちは自分の出来る範囲内で使命を果たす。それしか出来ない」
助けたつもりになっても、人によっては今までの方が良かったという事もある。
ジュディもエミリアも助けたはずの人たちから思わぬ怒りを買い、何とも胸のつかえが取れない気分になってしまった。
重労働に従事させられていた人たちと生贄にされかけた人たちは救出されたという報告がセリアの元にも入ってきた。
「みんな、よくやってくれた。みんなの尽力のおかげで鎮圧する事が出来た。あらためて礼を言う」
セリアが討伐軍兵士たちにそう労いの言葉を掛けると兵士たちから喜びの声が上がった。
セリアは仲間と共に初陣を勝利で飾れた事にまずは安堵の表情を浮かべた。
しかし、そこにジュディとエミリアが戻ってきて県令親衛隊の隊長から聞いた話しを伝えると再び緊張感に包まれた。
「ファビアンの娘だと?そいつが黒幕なのか?」
「黒幕かどうかまでわからないけど、ネープ民族の女性たちを生贄と称して惨殺しているのはそいつらしい。普段は姿を現した事がないって事は誰も知らないって事だ。おまけにボクたちに匹敵する剣術の力があるとなると厄介だぞ」
セリアはすぐにギアラエ鉱山都市内を再調査させた。
「手分けして探し出せ。怪しい奴を見つけたらすぐに連絡しろ」
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