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第一章 士官学校時代編
捜索依頼 中編
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ジュディとセリアたちは校内に戻り、各クラスをまわってエミリアと一緒にいた女子生徒を知らないか聞い込みをおこなった。
一部の貴族子息たちは舌打ちし、「知らねえよ」と無愛想な返事であったが、それ以外はセリアたちに協力的であった。
元々セリア、ソレーヌ、ジュディにエミリアも学園内では名の知られているちょっとした有名人である。
確かにそれを気に入らない一部の貴族子息たちと対立しているが、大半の一般市民出身の生徒たちから見れば、彼女たちは憧れの存在であったからだ。
「エミリアと一緒にいた女子生徒と言われても、彼女は普段から女子生徒に人気があるからなあ。逆に思い当たる人物がいすぎて絞れないよ」
そんな回答がいくつも返ってきた中で何十人目かの聞き込みでようやく手応えのある情報が入ってきた。
「昨日の出来事でしょ?そう言えば。。クラスEのジェシカがエミリアと校庭の方に歩いて行くのを見たわ」
「それは本当か?」
「ええ、間違いないわ。ジェシカは普段一人でいる事が多くて、人と歩くなんて滅多にないから、エミリアと一緒にいるなんて何があったんだろうって不思議に思ってたの」
「クラスEのジェシカだな。ありがとう」
ジュディたちはクラスEに行くと、ジェシカを廊下に呼び出した。
ジェシカは怯えるような目で三人を見ている
「君がジェシカか?怖がらなくて良い。ボクらは人を探しているんだ。エミリア・イグレシアスだ。昨日、君がエミリアと校庭に向かい歩いているのを目撃した人がいたんで、それでここに来だという訳だ」
「。。知りません!」
ジェシカは激しく首を振って質問への回答を拒絶した。
(この態度。。明らかに何か知っている。口止めされているか脅されている可能性もあるな。可哀想に)
セリアとソレーヌはそう考えて強引な自白を迫るのを控えるようジュディに耳打ちした。
今度はセリアがジュディに代わり質問する。
なるべく優しく、相手に警戒させないよう穏やかな声と表情で。
「エミリアは私たちの大事な友人なんだ。君の悪いようには絶対にしないから、何か知ってる事があったら教えてもらえないか?」
ジェシカはなおも怯えた表情であった。
(気の毒に。余程圧力を掛けられているんだろう)
「ジェシカ、もし君が誰かに口止めや脅されているのなら私たちが必ず君を守る。信じて欲しい」
セリアがそう言うとジェシカは顔に手を当てて泣き出した。
しばらくそっとしてあげていると、ジェシカが泣きながら答えた。
「。。ハインツ」
「なんだって?」
「私にエミリアさんを騙して校庭に連れて行くよう言って来たのはハインツ・ヨアヒム・ハプスブルクです」
「ハインツの奴らか。。」
ジュディは舌打ちした。
「ジュディ、そのハインツという人物を知っているようだな」
セリアの問いに答える。
「ああ。ハプスブルク伯爵の子息という事を鼻にかけた高飛車な奴でね。ボクたちにいつも嫌がらせをして来て、その度に少しばかり痛い目に合わせていたからな。あいつが犯人なら思い当たる節はたくさんある」
ジェシカは泣きながら話しを続けた。
「私は。。私の父は病気でずっと寝込んでいて。うちには薬を買うお金も無くて。ハインツから協力してくれたら父の薬代を出してやると言われて。。エミリアさんに友達が数人がかりで貴族子息たちにやられているから助けてと嘘をついて校庭まで誘い出すように指示されたの。。ごめんなさい。私はエミリアさんを危険な目に合わせる加担をしてしまった」
ひと通り聞き終えてジュディだけでなくセリアとソレーヌも怒りが湧き上がっていた。
「あの野郎。。金でこんな子を利用してまで。許せない」
「エミリアさんはおそらく高級将官の住宅街である南地区に連れ去られていると思います」
ジェシカの言葉にジュディが思わず舌打ちする。
「南地区の高官住宅街か。厄介だな」
伯爵以上しか入ることの出来ない高級将官居住区では手出しが出来ない。
悔しさを滲み出すジュディ。
しかしセリアとソレーヌの心は既に決まっていた。
「ジュディ、高級将官住宅街に乗り込もう」
「セリア。。本気か?そんな事したら君たちまで退学だぞ。いや、退学くらいで済めばいい。この先の軍人としての将来まで絶たれてしまうかも知れないんだぞ」
「それくらいわかっているさ。私たちが行かなくてもジュディは行くつもりなんだろ?」
「私はエミリアを助けなくてはならないからな」
「それは私たちも同じだ。友人を助けるのに理由はいるまい。後の事は後だ。行こう、その南地区の高官住宅街へ」
「セリア、ソレーヌ。。」
ジュディは笑った。
これから先、エミリアを加えてこの二人と一緒ならたとえ退学になろうと、どうにかなるしむしろ面白い人生を送っていける。
そう思ったからだ。
「二人ともありがとう。そうと決まれば乗り込もう。南地区へ」
そんな三人を見て心配するジェシカ。
「そんな事をして大丈夫なのですか?私もいざとなれば責任を取るつもりです。まずは校長先生に報告をした方がいいのでは?」
「ジェシカ、君は何も知らなかったし、何も関与していない。これはハインツたちがやった事で、ボクたちはそれに対する報復を行う。それだけだ。君はここで待っていてくれ。校長にはひと通り片付いてから報告するから」
ジュディが笑みを浮かべてジェシカにそう話しかけた。
「でも。。」というジェシカの唇に人差し指を当てて塞ぐと、ジュディは後は任せろいうゼスチャーとウインクしてセリア、ソレーヌと共に南地区高官住宅街へと向かった。
エミリアを救うために退学覚悟の行動に出たのだ。
セリアたちにこの一件を依頼した校長はモニカの前で緊張の面持ちで敬礼した。
「校長、エミリアの一件は聞いた。彼女はどうやら高級将官居住区の南地区に監禁されているらしい」
「それは本当ですか?それではセリアたちでは手が出ません。まさかそこまで考えるとは。。モニカ様の評価の高いセリアたちの実力を見たいと思って軽い気持ちで頼んでしまった事を後悔しています」
校長はモニカの評価が高いセリアたちにあわよくば解決してもらおうと頼んでみたものの、予想以上に大きな事件に困惑していた。
「いや、校長の判断は間違っていない。ハプスブルク伯爵の息子が絡んでいるのでは表立って動く事は難しいからな」
「おっしゃる通りです。私もよもや主犯がハプスブルク伯の子息とは予想だにしておりませんでした」
モニカは校長の肩をポンと叩いて労うと指令を出した。
「校長、これより緊急発動を出し、南地区に捜索の手配をする。セリアたちの事だ。おそらく退学覚悟で乗り込んで行くだろう。そうなっても一切罪に問うな。私が許可する」
「よろしいのですか?」
「無駄飯食いの貴族子息と将来の国を背負って立つ者たちとどちらが優先か。答えは明白だ」
モニカは自身の私兵を手配し、南地区高官住宅街に向かわせた。
ハインツは勝ち誇っていた。
「お前とジュディは前々から気に食わなかった。たかが一般市民の分際で我々伯爵の血筋に当たる者に対して無礼な態度を取りやがって」
そう言いながら、エミリアの身体に鞭を打ちつける。
パシっと衝撃音が倉庫中に鳴り響き、その度に苦痛に顔を歪めるエミリアを見て貴族子息たちはほくそ笑み、ざまあみたかと声を上げる。
「モニカ様のご恩恵に預かって入学出来た身分の者が俺たちと同列に加わってクラスにいる事が汚らわしいんだよ。自主退学しな。そうすればこのくらいで勘弁してやるよ」
「お前たちの血筋?お前は何かを自力で成し遂げたのか?親の威光を振りかざすだけの学生の身分で、自分まで伯爵のつもりでいる妄想癖は大したものだ」
「何だと!」
「お前たちこそ、この辺でやめておけば痛い目に遭わせずに済ませてやる。私とジュディが本気で剣と槍で攻撃したら、今まで程度で済むと思うなよ」
「強がり言ってるんじゃねえ」
ハインツがさらに鞭でエミリアを打ち付けようとした時、エミリアが両足を縛られたまま蹴り上げてハインツは思わずのけぞった。
エミリアは腕力も腹筋、背筋も鍛え抜かれ、桁外れに強かった。
手足を縛られた状態のまま、驚異的な手首と腕の力で上に向かって縄をよじ登っていく。
「何をする気だ?」
貴族子息たちは上に登っていくエミリアに攻撃が届かず、ただ見ているだけであった。
天井近くの梁まで上り詰めると呼吸を整えて、まずは足の縄を手で解いていく。
その頃、ジュディとセリア、ソレーヌの三人は南地区の高官住宅街の入り口に来ていた。
同じ宮殿内にある一角で、学校から徒歩十分ほどの場所なので、三人の脚力で走れば五分とかからなかった。
「ここから先は許可証がないと通れないぞ」
入り口にいる二人の門番が槍を交差させて入場を阻む。
彼らにしてみれば仕事であるし、当然だ。
だがジュディたちは構う事なく強行突破を行う。
「友人が連れ去られているんだ。ここは力づくで入らせてもらう」
ジュディが槍を一閃させると二人の門番が一瞬にしてほぼ同時に喉に一撃を受けて声も出せずに倒れた。
「何という鋭い一撃。さすがジュディ」
セリアとソレーヌはジュディの実力を見て、これは凄いと心躍るような気分であった。
「なあ、ソレーヌ。こんなに凄い仲間が増えるなんて楽しくなりそうじゃないか」
「ああ。そうだな」
「ハプスブルク邸を見つけよう。エミリアはおそらくそこに監禁されている」
ジュディの言葉にセリアとソレーヌもうなずき、ハプスブルク邸を探すために居住区に侵入した。
一部の貴族子息たちは舌打ちし、「知らねえよ」と無愛想な返事であったが、それ以外はセリアたちに協力的であった。
元々セリア、ソレーヌ、ジュディにエミリアも学園内では名の知られているちょっとした有名人である。
確かにそれを気に入らない一部の貴族子息たちと対立しているが、大半の一般市民出身の生徒たちから見れば、彼女たちは憧れの存在であったからだ。
「エミリアと一緒にいた女子生徒と言われても、彼女は普段から女子生徒に人気があるからなあ。逆に思い当たる人物がいすぎて絞れないよ」
そんな回答がいくつも返ってきた中で何十人目かの聞き込みでようやく手応えのある情報が入ってきた。
「昨日の出来事でしょ?そう言えば。。クラスEのジェシカがエミリアと校庭の方に歩いて行くのを見たわ」
「それは本当か?」
「ええ、間違いないわ。ジェシカは普段一人でいる事が多くて、人と歩くなんて滅多にないから、エミリアと一緒にいるなんて何があったんだろうって不思議に思ってたの」
「クラスEのジェシカだな。ありがとう」
ジュディたちはクラスEに行くと、ジェシカを廊下に呼び出した。
ジェシカは怯えるような目で三人を見ている
「君がジェシカか?怖がらなくて良い。ボクらは人を探しているんだ。エミリア・イグレシアスだ。昨日、君がエミリアと校庭に向かい歩いているのを目撃した人がいたんで、それでここに来だという訳だ」
「。。知りません!」
ジェシカは激しく首を振って質問への回答を拒絶した。
(この態度。。明らかに何か知っている。口止めされているか脅されている可能性もあるな。可哀想に)
セリアとソレーヌはそう考えて強引な自白を迫るのを控えるようジュディに耳打ちした。
今度はセリアがジュディに代わり質問する。
なるべく優しく、相手に警戒させないよう穏やかな声と表情で。
「エミリアは私たちの大事な友人なんだ。君の悪いようには絶対にしないから、何か知ってる事があったら教えてもらえないか?」
ジェシカはなおも怯えた表情であった。
(気の毒に。余程圧力を掛けられているんだろう)
「ジェシカ、もし君が誰かに口止めや脅されているのなら私たちが必ず君を守る。信じて欲しい」
セリアがそう言うとジェシカは顔に手を当てて泣き出した。
しばらくそっとしてあげていると、ジェシカが泣きながら答えた。
「。。ハインツ」
「なんだって?」
「私にエミリアさんを騙して校庭に連れて行くよう言って来たのはハインツ・ヨアヒム・ハプスブルクです」
「ハインツの奴らか。。」
ジュディは舌打ちした。
「ジュディ、そのハインツという人物を知っているようだな」
セリアの問いに答える。
「ああ。ハプスブルク伯爵の子息という事を鼻にかけた高飛車な奴でね。ボクたちにいつも嫌がらせをして来て、その度に少しばかり痛い目に合わせていたからな。あいつが犯人なら思い当たる節はたくさんある」
ジェシカは泣きながら話しを続けた。
「私は。。私の父は病気でずっと寝込んでいて。うちには薬を買うお金も無くて。ハインツから協力してくれたら父の薬代を出してやると言われて。。エミリアさんに友達が数人がかりで貴族子息たちにやられているから助けてと嘘をついて校庭まで誘い出すように指示されたの。。ごめんなさい。私はエミリアさんを危険な目に合わせる加担をしてしまった」
ひと通り聞き終えてジュディだけでなくセリアとソレーヌも怒りが湧き上がっていた。
「あの野郎。。金でこんな子を利用してまで。許せない」
「エミリアさんはおそらく高級将官の住宅街である南地区に連れ去られていると思います」
ジェシカの言葉にジュディが思わず舌打ちする。
「南地区の高官住宅街か。厄介だな」
伯爵以上しか入ることの出来ない高級将官居住区では手出しが出来ない。
悔しさを滲み出すジュディ。
しかしセリアとソレーヌの心は既に決まっていた。
「ジュディ、高級将官住宅街に乗り込もう」
「セリア。。本気か?そんな事したら君たちまで退学だぞ。いや、退学くらいで済めばいい。この先の軍人としての将来まで絶たれてしまうかも知れないんだぞ」
「それくらいわかっているさ。私たちが行かなくてもジュディは行くつもりなんだろ?」
「私はエミリアを助けなくてはならないからな」
「それは私たちも同じだ。友人を助けるのに理由はいるまい。後の事は後だ。行こう、その南地区の高官住宅街へ」
「セリア、ソレーヌ。。」
ジュディは笑った。
これから先、エミリアを加えてこの二人と一緒ならたとえ退学になろうと、どうにかなるしむしろ面白い人生を送っていける。
そう思ったからだ。
「二人ともありがとう。そうと決まれば乗り込もう。南地区へ」
そんな三人を見て心配するジェシカ。
「そんな事をして大丈夫なのですか?私もいざとなれば責任を取るつもりです。まずは校長先生に報告をした方がいいのでは?」
「ジェシカ、君は何も知らなかったし、何も関与していない。これはハインツたちがやった事で、ボクたちはそれに対する報復を行う。それだけだ。君はここで待っていてくれ。校長にはひと通り片付いてから報告するから」
ジュディが笑みを浮かべてジェシカにそう話しかけた。
「でも。。」というジェシカの唇に人差し指を当てて塞ぐと、ジュディは後は任せろいうゼスチャーとウインクしてセリア、ソレーヌと共に南地区高官住宅街へと向かった。
エミリアを救うために退学覚悟の行動に出たのだ。
セリアたちにこの一件を依頼した校長はモニカの前で緊張の面持ちで敬礼した。
「校長、エミリアの一件は聞いた。彼女はどうやら高級将官居住区の南地区に監禁されているらしい」
「それは本当ですか?それではセリアたちでは手が出ません。まさかそこまで考えるとは。。モニカ様の評価の高いセリアたちの実力を見たいと思って軽い気持ちで頼んでしまった事を後悔しています」
校長はモニカの評価が高いセリアたちにあわよくば解決してもらおうと頼んでみたものの、予想以上に大きな事件に困惑していた。
「いや、校長の判断は間違っていない。ハプスブルク伯爵の息子が絡んでいるのでは表立って動く事は難しいからな」
「おっしゃる通りです。私もよもや主犯がハプスブルク伯の子息とは予想だにしておりませんでした」
モニカは校長の肩をポンと叩いて労うと指令を出した。
「校長、これより緊急発動を出し、南地区に捜索の手配をする。セリアたちの事だ。おそらく退学覚悟で乗り込んで行くだろう。そうなっても一切罪に問うな。私が許可する」
「よろしいのですか?」
「無駄飯食いの貴族子息と将来の国を背負って立つ者たちとどちらが優先か。答えは明白だ」
モニカは自身の私兵を手配し、南地区高官住宅街に向かわせた。
ハインツは勝ち誇っていた。
「お前とジュディは前々から気に食わなかった。たかが一般市民の分際で我々伯爵の血筋に当たる者に対して無礼な態度を取りやがって」
そう言いながら、エミリアの身体に鞭を打ちつける。
パシっと衝撃音が倉庫中に鳴り響き、その度に苦痛に顔を歪めるエミリアを見て貴族子息たちはほくそ笑み、ざまあみたかと声を上げる。
「モニカ様のご恩恵に預かって入学出来た身分の者が俺たちと同列に加わってクラスにいる事が汚らわしいんだよ。自主退学しな。そうすればこのくらいで勘弁してやるよ」
「お前たちの血筋?お前は何かを自力で成し遂げたのか?親の威光を振りかざすだけの学生の身分で、自分まで伯爵のつもりでいる妄想癖は大したものだ」
「何だと!」
「お前たちこそ、この辺でやめておけば痛い目に遭わせずに済ませてやる。私とジュディが本気で剣と槍で攻撃したら、今まで程度で済むと思うなよ」
「強がり言ってるんじゃねえ」
ハインツがさらに鞭でエミリアを打ち付けようとした時、エミリアが両足を縛られたまま蹴り上げてハインツは思わずのけぞった。
エミリアは腕力も腹筋、背筋も鍛え抜かれ、桁外れに強かった。
手足を縛られた状態のまま、驚異的な手首と腕の力で上に向かって縄をよじ登っていく。
「何をする気だ?」
貴族子息たちは上に登っていくエミリアに攻撃が届かず、ただ見ているだけであった。
天井近くの梁まで上り詰めると呼吸を整えて、まずは足の縄を手で解いていく。
その頃、ジュディとセリア、ソレーヌの三人は南地区の高官住宅街の入り口に来ていた。
同じ宮殿内にある一角で、学校から徒歩十分ほどの場所なので、三人の脚力で走れば五分とかからなかった。
「ここから先は許可証がないと通れないぞ」
入り口にいる二人の門番が槍を交差させて入場を阻む。
彼らにしてみれば仕事であるし、当然だ。
だがジュディたちは構う事なく強行突破を行う。
「友人が連れ去られているんだ。ここは力づくで入らせてもらう」
ジュディが槍を一閃させると二人の門番が一瞬にしてほぼ同時に喉に一撃を受けて声も出せずに倒れた。
「何という鋭い一撃。さすがジュディ」
セリアとソレーヌはジュディの実力を見て、これは凄いと心躍るような気分であった。
「なあ、ソレーヌ。こんなに凄い仲間が増えるなんて楽しくなりそうじゃないか」
「ああ。そうだな」
「ハプスブルク邸を見つけよう。エミリアはおそらくそこに監禁されている」
ジュディの言葉にセリアとソレーヌもうなずき、ハプスブルク邸を探すために居住区に侵入した。
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