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第一章 エトランゼ
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「なんだよ、あれ……? 魔法を好きなだけ使えるギフトってことなのか?」
トウヤの声が、最早戦場でもないその場所に響いた。
彼の横に立つモーリッツも、ディッカーも、兵士達も同じ感想を抱いているようで、誰もが驚きのあまり言葉を失っていた。
火球が爆ぜる。
風が踊る。
大地が唸る。
氷の花が咲く。
ありとあらゆる動きが、ヨハンの言葉一つ、腕の動き一つで繰り出される芸術的とも呼べる魔法の輝きが、ウァラゼルが生み出す百を超える異形達を一瞬にして消し去っていく。
「つ、強すぎる……。これが、エトランゼの力なのか……?」
横で戦慄しながらそう呟くモーリッツと、視線があって、トウヤは思わず首を横に振っていた。
「……あれは、違う」
あんなトウヤにはない。これまで出会ってきた、どんなに強力なギフトを持つエトランゼだって、あんな風に縦横無尽に暴れまわることはしなかった。
ヨハンは襲いくるウァラゼルのセレスティアルを魔法で撃墜し、彼女が生み出す異形を一瞬で消し去り、また異なる魔法によって攻撃を仕掛けている。
その一撃一撃が大軍を吹き飛ばしても余りあるほどで、既に戦いが始まった平原にはクレーターが幾つも出来上がり、地割れが起きて、大地は本来の形を失い始めていた。
「……御使いと、戦えてる」
勝てるかも知れない、トウヤはそう思った。
あれだけの力ならば、ウァラゼルに、御使いを倒すことができるかも知れないと。
「だが、派手な割には御使いにさしたる痛手は与えていないようだな」
逆に、意外と冷静に見ているのはモーリッツだった。彼の場合は、これから先敵対する可能性もあるのだから当然ではあろうが。
その言葉通り、ヨハンは異形の群れをものともせず、こちらに向かってくる連中まで視線の一つで吹き飛ばす勢いだが、ウァラゼル本体にはまだ傷の一つもなければ、息を切らせている様子もない。
「お前達」
不意に空中から声が響き驚いてそちらを見ると、ヨハンがウァラゼルの方に視線を向けたまま浮かんでいた。
片手を突きだし、そこに光の障壁が出来上がる。遅れて伸びてきたウァラゼルの極光の帯がそこに突き刺さって突破しようと足掻いていた。
「これで驚いてもらったと思うが、まだ足りないか?」
「い、いや……」
「だったら急いでくれ。相手がせっかちすぎる。手品の種が尽きるまではそう時間もない」
極光の帯が弾け、ヨハンの身体が消える。
次に彼が出現したのはトウヤ達からは遠く、ウァラゼルのすぐ傍だった。
「俺達も行きましょう」
「う、うむ」
あんなものを見せられては是非もない。
トウヤもディッカーも、モーリッツですらも異を唱えることなくヨハンに言われたことを実行すべく行動を開始した。
それに気付いたウァラゼルは、遊び半分程度ではあるが、追撃用の異形を放つ。
しかしそれは、ヨハンの圧倒的な力に阻まれて、二人の戦いの場から出ることすら叶わなかった。
トウヤの声が、最早戦場でもないその場所に響いた。
彼の横に立つモーリッツも、ディッカーも、兵士達も同じ感想を抱いているようで、誰もが驚きのあまり言葉を失っていた。
火球が爆ぜる。
風が踊る。
大地が唸る。
氷の花が咲く。
ありとあらゆる動きが、ヨハンの言葉一つ、腕の動き一つで繰り出される芸術的とも呼べる魔法の輝きが、ウァラゼルが生み出す百を超える異形達を一瞬にして消し去っていく。
「つ、強すぎる……。これが、エトランゼの力なのか……?」
横で戦慄しながらそう呟くモーリッツと、視線があって、トウヤは思わず首を横に振っていた。
「……あれは、違う」
あんなトウヤにはない。これまで出会ってきた、どんなに強力なギフトを持つエトランゼだって、あんな風に縦横無尽に暴れまわることはしなかった。
ヨハンは襲いくるウァラゼルのセレスティアルを魔法で撃墜し、彼女が生み出す異形を一瞬で消し去り、また異なる魔法によって攻撃を仕掛けている。
その一撃一撃が大軍を吹き飛ばしても余りあるほどで、既に戦いが始まった平原にはクレーターが幾つも出来上がり、地割れが起きて、大地は本来の形を失い始めていた。
「……御使いと、戦えてる」
勝てるかも知れない、トウヤはそう思った。
あれだけの力ならば、ウァラゼルに、御使いを倒すことができるかも知れないと。
「だが、派手な割には御使いにさしたる痛手は与えていないようだな」
逆に、意外と冷静に見ているのはモーリッツだった。彼の場合は、これから先敵対する可能性もあるのだから当然ではあろうが。
その言葉通り、ヨハンは異形の群れをものともせず、こちらに向かってくる連中まで視線の一つで吹き飛ばす勢いだが、ウァラゼル本体にはまだ傷の一つもなければ、息を切らせている様子もない。
「お前達」
不意に空中から声が響き驚いてそちらを見ると、ヨハンがウァラゼルの方に視線を向けたまま浮かんでいた。
片手を突きだし、そこに光の障壁が出来上がる。遅れて伸びてきたウァラゼルの極光の帯がそこに突き刺さって突破しようと足掻いていた。
「これで驚いてもらったと思うが、まだ足りないか?」
「い、いや……」
「だったら急いでくれ。相手がせっかちすぎる。手品の種が尽きるまではそう時間もない」
極光の帯が弾け、ヨハンの身体が消える。
次に彼が出現したのはトウヤ達からは遠く、ウァラゼルのすぐ傍だった。
「俺達も行きましょう」
「う、うむ」
あんなものを見せられては是非もない。
トウヤもディッカーも、モーリッツですらも異を唱えることなくヨハンに言われたことを実行すべく行動を開始した。
それに気付いたウァラゼルは、遊び半分程度ではあるが、追撃用の異形を放つ。
しかしそれは、ヨハンの圧倒的な力に阻まれて、二人の戦いの場から出ることすら叶わなかった。
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