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第一章 エトランゼ
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ヨシツグの陽光の剣が敵を纏めて薙ぎ払い、背後から迫る兵士達はトウヤの放った炎で足止めをする。
要塞内部に侵入したのはエトランゼ達の中でも精鋭中の精鋭。突然の奇襲に浮足立った兵士達に止める術はない。
「ヨシツグ、こっち!」
先行していたナナエが、敵兵の首筋に短剣を突き立てながら、一行を手招きする。
約二十名からなる精鋭部隊は、この要塞の構造をディッカーから聞いていたのもあって、楽に歩みを進められた。
道中の兵も大半が降伏し、向かってくる者達も相手にはならないという有り様だった。
そうして三階を過ぎて、最上階である四階に辿り付くころには、誰もその行く手を阻む者はいなくなった。
「この部屋か!」
逸る感情を抑えることもせずに、トウヤが蹴破るようにして部屋の中に飛び込んでいく。
その片手に炎を纏い、もう片方には剣を構えて、部屋の中を見渡してから一息に叫んだ。
「動くなよ! もう要塞の大半は俺達が抑えてある。無駄な抵抗をすれば殺さなきゃならない」
「き、貴様等……!」
部屋の中に居たのは、男が一人だけだった。てっきりあのカーステンとかいう奴もいると踏んでいたトウヤは、少しばかり拍子抜けしながらも、注意深く辺りを警戒する。
「エトランゼ風情が!」
「そのエトランゼにあんたは負けたんだよ! 滅多なことしなけりゃ殺しはしないから、早く部下を降伏させてくれ」
この要塞の主、クレマンは忌々しげに唇を噛むが、今の彼にこの場をどうにかする術はないだろう。
目配せをすると、ヨシツグの指示で彼の部下がクレマンを縄で拘束する。
「これで戦いは終わりですね。ヨシツグさん、早くこいつを連れて外に行きましょう」
トウヤは部屋を後にしようとするが、何故かヨシツグは動かない。
彼だけではなく、この場に居る彼の部下達の誰もが、その場を動こうとしない。
「トウヤ。君はこの戦いについてどう思う?」
「どうって……。早く終わらせなきゃいけないでしょう。そうすれば流れる血だって少なくてすむ」
時間も、物資も、兵力も、何もかもが足りない状況での戦いだった。
だからこそ、ヨハンは一人で聖別騎士を抑える役目を買って出た。無茶をすることで少しでも作戦成功率を上げるために。
「あいつもいつまで持つか判らない。早く戻りましょうよ」
クレマンを引っ張って出ていこうとするトウヤを、ヨシツグは腕を伸ばして明確な意思を持って妨害した。
「このまま戦っても、俺達の勝利じゃない。全部、あいつらに持ってかれてしまう」
「なに言って……!」
「トウヤ。考えてみてくれ。俺達が、エトランゼが幸福に生きるために何が必要なのかを」
「だからさ、今そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!」
「今って、チャンスなんじゃない?」
そう口を挟んだのは、ヨシツグの隣に立っているナナエだった。
「外であのヤバい奴、聖別騎士と戦うだけ戦わせてさ、上手いところ共倒れを狙って、それからアタシ達エトランゼで要塞を占拠すれば……」
「そう。俺達は拠点を手に入れられる。食料も物資も充分にある、この要塞を」
「……何考えてんだよ、あんたら!」
トウヤの叫びに同意する者はいない。この場に居るエトランゼの精鋭は、つまりはヨシツグと共に戦場を駆けていた。
誰もが彼の言葉に賛同する。彼と共に、エトランゼの理想郷を目指して戦ってきた者達だった。
「よく考えてくれ、トウヤ。この戦いに勝ってどうなる? オルタリアがあって、あのお姫様がいる限り俺達の理想郷は訪れない。エトランゼのために、一番正しい道を選ぶべきなんだよ」
「……エトランゼのために……?」
「アタシもそう思う。だってこのままじゃ、ヨシツグが上に立てないじゃん? アタシはヨシツグのこと信頼してるから、誰だか知らない奴よりも一番上に立つに相応しいと思うしね。みんなもそうでしょ?」
ナナエが同意を求めると、その場のほぼ全員が頷き返す。
それを後押しにして、ヨシツグは更に弁舌を披露する。
「俺達は同じエトランゼの仲間だろ? 一緒に協力して理想郷を目指そうじゃないか!」
「……あいつはどうなる?」
「ああ、ヨハンか。確かに彼は姫との関係も深そうだし、説得するには骨が折れるだろう。でも、カナタが俺達の味方になればどうかな?」
見上げるヨシツグの瞳の中に、小さな狂気を見つけて、トウヤは一度押し黙る。
この男は、カナタを説得して、それができなければ人質にでもするつもりなのだろう。
「アタシ的には別にあんなのいなくてもいーんだけどねー。ヨシツグ一人で充分っしょ?」
「そう言うなよ、ナナエ。信頼してくれるのは嬉しいけど、俺にだってできないことはある。だからみんなの力が必要なんだ」
そう言って、ヨシツグは手を差し出す。
「あんたもさー、この世界来て、差別とか色々受けてきたでしょ? すっごい悔しくて、ムカついたと思うんだよね? ……少なくともアタシはそうだったし。それで、アンタはそんな奴等を信じられんの? この先何年も一緒に暮らしてけんの?」
ナナエの疑問に、トウヤは即答することはできない。
彼女の言うことは正しい。何度も苦汁を舐めさせられた、何度も悔しい思いをした。
その状況を改善できるならと、ヨハンに手を貸すことにした。そして彼の行いが本当にトウヤの信じた道へと進むのか、今はまだ判らない。
「それにね、この作戦の要になったあの商人。あいつはエトランゼでありながら、エトランゼを奴隷として売り買いしていた。ヨハンはそんな彼と繋がりを持ったんだ。この意味が判るね?」
「本当にアタシらのことを考えてたら、そんな奴と手を組めないよね?」
ヨシツグの手は、今も変わらず伸ばされ続けている。
今ここで選べと、暗に告げている。重要なことを語らず、エトランゼだけでなく、元々のこの世界の住民とも共に生きようとするヨハン。
エトランゼのために、虐げられてきた者達の為の理想郷を作ろうとするヨシツグ。
ヨハンはヨシツグの思想を否定しなかった。それはつまり、彼の考え方にも一理あるということ。
トウヤにとっても、それは間違いない。エトランゼだけの世界は、今でもまだ帰りたいあの世界に最も近しい。
「さあ、行こうトウヤ」
優しく微笑む笑顔は、多くの仲間達の信頼を得るに足る。
その実力は折り紙付きで、仲間を大切にする高潔な意思に支えられている。
そんな彼が作る理想郷は、この世界に訪れて疲弊しているエトランゼにとっては最高の居場所となるだろう。
「ごめんなさい」
すっと、ヨシツグから表情が消えた。
「ヨシツグさんの誘いはありがたいです。でも、俺は……」
「……ああ、それならもう喋る必要はない」
突として振るわれた剣が、トウヤの眼前を掠める。
咄嗟にそれを避けられたのは、心の何処かでヨシツグの狂気に対する警戒があったからだった。
「……あんた……!」
「オルタリアに対抗するためにはエトランゼは一つでなければならない。だから、俺以外にエトランゼに影響を与える勢力は必要ないんだ。エトランゼの在り方は一つ、この世界の住民に反抗し、この世界を手に入れようと戦う者達でなければ!」
「ふざけんな!」
炎を纏った剣が光を纏った盾に激突する。
感情のままにトウヤが振るった刃は、辺りに紅蓮を撒き散らしながらも、ヨシツグの堅牢な防御を突破することはない。
「今はこんなことやってる場合じゃないだろ!」
「何度も言わせないでくれ、トウヤ。全てはこの世界に来て、理不尽に奪われ続けるエトランゼのためだ!」
「だったら……! 自分達がやられたら他の誰かにその理不尽を返してもいいのかよ!」
少なくとも、トウヤの知る少女は違う。
トウヤと同じように理不尽な扱いを受けながらも、決してそれを返そうとはせずに。
それどころかその中心である王族を、命を賭けてまで助けようとする大馬鹿だった。
「あ、おい!」
二人が本格的な争いに入ろうとしたところで、ヨシツグの部下が発したその一声がそこに水を差す。
彼等が拘束していたクレマンが、結びが完璧でなかったのか、緩んだ縄を解いて、拘束を抜けて走りだしていた。
向かう先は部屋の中央のテーブル。無我夢中で、少しでも抵抗できるものを探した結果だった。
その手が、そこにある一振りの剣に伸びる。
白銀の刃、美しい装飾、拭えぬ赤い血。
その場の誰もが存在を無視していた剣。聖別武器、ウァラゼルに。
「た、助けてくれださい! エイス・イーリーネ、御使いよ!」
自らの危機になって初めて彼は祈った。
そうして剣を持ち、御使いの守護に縋った。
「ちっ!」
ヨシツグがすぐにそれに対応する。
聖別武器の威力は先の戦いでよく知っている。あれを振るわれれば余計な犠牲が出ることになるだろう。
クレマンは剣を縦に構えて攻撃を防ごうとするが、ヨシツグの陽光を纏った斬撃はそんなことはお構いなしだった。
「がっ……!」
その剣ごと、クレマンの身体が横に両断される。
カナタの着ていたメイド服ごと彼女と貫いた切れ味を誇る剣は、意外なほどにあっさりとその刀身を二つに別たれた。
クレマンの身体が床に落ちて、血だまりが広がっていく。
返り血を浴びながら、ヨシツグは一切の情けもなく、今度はトウヤをそうするべくそちらを見た。
『うふ』
ぞわりと、嫌なものが体内を撫でた。
要塞内部に侵入したのはエトランゼ達の中でも精鋭中の精鋭。突然の奇襲に浮足立った兵士達に止める術はない。
「ヨシツグ、こっち!」
先行していたナナエが、敵兵の首筋に短剣を突き立てながら、一行を手招きする。
約二十名からなる精鋭部隊は、この要塞の構造をディッカーから聞いていたのもあって、楽に歩みを進められた。
道中の兵も大半が降伏し、向かってくる者達も相手にはならないという有り様だった。
そうして三階を過ぎて、最上階である四階に辿り付くころには、誰もその行く手を阻む者はいなくなった。
「この部屋か!」
逸る感情を抑えることもせずに、トウヤが蹴破るようにして部屋の中に飛び込んでいく。
その片手に炎を纏い、もう片方には剣を構えて、部屋の中を見渡してから一息に叫んだ。
「動くなよ! もう要塞の大半は俺達が抑えてある。無駄な抵抗をすれば殺さなきゃならない」
「き、貴様等……!」
部屋の中に居たのは、男が一人だけだった。てっきりあのカーステンとかいう奴もいると踏んでいたトウヤは、少しばかり拍子抜けしながらも、注意深く辺りを警戒する。
「エトランゼ風情が!」
「そのエトランゼにあんたは負けたんだよ! 滅多なことしなけりゃ殺しはしないから、早く部下を降伏させてくれ」
この要塞の主、クレマンは忌々しげに唇を噛むが、今の彼にこの場をどうにかする術はないだろう。
目配せをすると、ヨシツグの指示で彼の部下がクレマンを縄で拘束する。
「これで戦いは終わりですね。ヨシツグさん、早くこいつを連れて外に行きましょう」
トウヤは部屋を後にしようとするが、何故かヨシツグは動かない。
彼だけではなく、この場に居る彼の部下達の誰もが、その場を動こうとしない。
「トウヤ。君はこの戦いについてどう思う?」
「どうって……。早く終わらせなきゃいけないでしょう。そうすれば流れる血だって少なくてすむ」
時間も、物資も、兵力も、何もかもが足りない状況での戦いだった。
だからこそ、ヨハンは一人で聖別騎士を抑える役目を買って出た。無茶をすることで少しでも作戦成功率を上げるために。
「あいつもいつまで持つか判らない。早く戻りましょうよ」
クレマンを引っ張って出ていこうとするトウヤを、ヨシツグは腕を伸ばして明確な意思を持って妨害した。
「このまま戦っても、俺達の勝利じゃない。全部、あいつらに持ってかれてしまう」
「なに言って……!」
「トウヤ。考えてみてくれ。俺達が、エトランゼが幸福に生きるために何が必要なのかを」
「だからさ、今そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!」
「今って、チャンスなんじゃない?」
そう口を挟んだのは、ヨシツグの隣に立っているナナエだった。
「外であのヤバい奴、聖別騎士と戦うだけ戦わせてさ、上手いところ共倒れを狙って、それからアタシ達エトランゼで要塞を占拠すれば……」
「そう。俺達は拠点を手に入れられる。食料も物資も充分にある、この要塞を」
「……何考えてんだよ、あんたら!」
トウヤの叫びに同意する者はいない。この場に居るエトランゼの精鋭は、つまりはヨシツグと共に戦場を駆けていた。
誰もが彼の言葉に賛同する。彼と共に、エトランゼの理想郷を目指して戦ってきた者達だった。
「よく考えてくれ、トウヤ。この戦いに勝ってどうなる? オルタリアがあって、あのお姫様がいる限り俺達の理想郷は訪れない。エトランゼのために、一番正しい道を選ぶべきなんだよ」
「……エトランゼのために……?」
「アタシもそう思う。だってこのままじゃ、ヨシツグが上に立てないじゃん? アタシはヨシツグのこと信頼してるから、誰だか知らない奴よりも一番上に立つに相応しいと思うしね。みんなもそうでしょ?」
ナナエが同意を求めると、その場のほぼ全員が頷き返す。
それを後押しにして、ヨシツグは更に弁舌を披露する。
「俺達は同じエトランゼの仲間だろ? 一緒に協力して理想郷を目指そうじゃないか!」
「……あいつはどうなる?」
「ああ、ヨハンか。確かに彼は姫との関係も深そうだし、説得するには骨が折れるだろう。でも、カナタが俺達の味方になればどうかな?」
見上げるヨシツグの瞳の中に、小さな狂気を見つけて、トウヤは一度押し黙る。
この男は、カナタを説得して、それができなければ人質にでもするつもりなのだろう。
「アタシ的には別にあんなのいなくてもいーんだけどねー。ヨシツグ一人で充分っしょ?」
「そう言うなよ、ナナエ。信頼してくれるのは嬉しいけど、俺にだってできないことはある。だからみんなの力が必要なんだ」
そう言って、ヨシツグは手を差し出す。
「あんたもさー、この世界来て、差別とか色々受けてきたでしょ? すっごい悔しくて、ムカついたと思うんだよね? ……少なくともアタシはそうだったし。それで、アンタはそんな奴等を信じられんの? この先何年も一緒に暮らしてけんの?」
ナナエの疑問に、トウヤは即答することはできない。
彼女の言うことは正しい。何度も苦汁を舐めさせられた、何度も悔しい思いをした。
その状況を改善できるならと、ヨハンに手を貸すことにした。そして彼の行いが本当にトウヤの信じた道へと進むのか、今はまだ判らない。
「それにね、この作戦の要になったあの商人。あいつはエトランゼでありながら、エトランゼを奴隷として売り買いしていた。ヨハンはそんな彼と繋がりを持ったんだ。この意味が判るね?」
「本当にアタシらのことを考えてたら、そんな奴と手を組めないよね?」
ヨシツグの手は、今も変わらず伸ばされ続けている。
今ここで選べと、暗に告げている。重要なことを語らず、エトランゼだけでなく、元々のこの世界の住民とも共に生きようとするヨハン。
エトランゼのために、虐げられてきた者達の為の理想郷を作ろうとするヨシツグ。
ヨハンはヨシツグの思想を否定しなかった。それはつまり、彼の考え方にも一理あるということ。
トウヤにとっても、それは間違いない。エトランゼだけの世界は、今でもまだ帰りたいあの世界に最も近しい。
「さあ、行こうトウヤ」
優しく微笑む笑顔は、多くの仲間達の信頼を得るに足る。
その実力は折り紙付きで、仲間を大切にする高潔な意思に支えられている。
そんな彼が作る理想郷は、この世界に訪れて疲弊しているエトランゼにとっては最高の居場所となるだろう。
「ごめんなさい」
すっと、ヨシツグから表情が消えた。
「ヨシツグさんの誘いはありがたいです。でも、俺は……」
「……ああ、それならもう喋る必要はない」
突として振るわれた剣が、トウヤの眼前を掠める。
咄嗟にそれを避けられたのは、心の何処かでヨシツグの狂気に対する警戒があったからだった。
「……あんた……!」
「オルタリアに対抗するためにはエトランゼは一つでなければならない。だから、俺以外にエトランゼに影響を与える勢力は必要ないんだ。エトランゼの在り方は一つ、この世界の住民に反抗し、この世界を手に入れようと戦う者達でなければ!」
「ふざけんな!」
炎を纏った剣が光を纏った盾に激突する。
感情のままにトウヤが振るった刃は、辺りに紅蓮を撒き散らしながらも、ヨシツグの堅牢な防御を突破することはない。
「今はこんなことやってる場合じゃないだろ!」
「何度も言わせないでくれ、トウヤ。全てはこの世界に来て、理不尽に奪われ続けるエトランゼのためだ!」
「だったら……! 自分達がやられたら他の誰かにその理不尽を返してもいいのかよ!」
少なくとも、トウヤの知る少女は違う。
トウヤと同じように理不尽な扱いを受けながらも、決してそれを返そうとはせずに。
それどころかその中心である王族を、命を賭けてまで助けようとする大馬鹿だった。
「あ、おい!」
二人が本格的な争いに入ろうとしたところで、ヨシツグの部下が発したその一声がそこに水を差す。
彼等が拘束していたクレマンが、結びが完璧でなかったのか、緩んだ縄を解いて、拘束を抜けて走りだしていた。
向かう先は部屋の中央のテーブル。無我夢中で、少しでも抵抗できるものを探した結果だった。
その手が、そこにある一振りの剣に伸びる。
白銀の刃、美しい装飾、拭えぬ赤い血。
その場の誰もが存在を無視していた剣。聖別武器、ウァラゼルに。
「た、助けてくれださい! エイス・イーリーネ、御使いよ!」
自らの危機になって初めて彼は祈った。
そうして剣を持ち、御使いの守護に縋った。
「ちっ!」
ヨシツグがすぐにそれに対応する。
聖別武器の威力は先の戦いでよく知っている。あれを振るわれれば余計な犠牲が出ることになるだろう。
クレマンは剣を縦に構えて攻撃を防ごうとするが、ヨシツグの陽光を纏った斬撃はそんなことはお構いなしだった。
「がっ……!」
その剣ごと、クレマンの身体が横に両断される。
カナタの着ていたメイド服ごと彼女と貫いた切れ味を誇る剣は、意外なほどにあっさりとその刀身を二つに別たれた。
クレマンの身体が床に落ちて、血だまりが広がっていく。
返り血を浴びながら、ヨシツグは一切の情けもなく、今度はトウヤをそうするべくそちらを見た。
『うふ』
ぞわりと、嫌なものが体内を撫でた。
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