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取り返せ! おばあちゃんの手紙

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『フン! 牢屋にでも放りこんでおけ。あとでじっくり問いただす』
『これでも、おれはガマン強いのだ。よって、しばらく時間をあたえる。そのあいだにどうするのが自分のためになるか、よく考えておくんだな』
 あの、いじわるなジェイク王子の命令どおり、本当にわたし、閉じこめられてしまったっていうの……?
 そんな考えがふいに頭をもたげた。
 けれども、そんなことなど、おくびにも出さずに、
「そ、そうなの? ごくろうさま……!」
 ニコッと笑う。
 すごすご部屋のなかに戻ったら、とびらはパタンとしめられる。
「ティ、ティファニー!」
 あわててとびらから離れたわたしは、この部屋のどこかにいる友だちに、小声で話しかけた。
「なんで見張りがいるの? それに、わたしのこと異世界の姫って言ってる……!」
 ティファニーは弧を描くようにおりてきて、わたしの右の肩にちょこんと乗った。
「ここの世界にはね、言い伝えがあるの。異世界からやってきた夜の色の瞳と髪を持つ姫の愛を得られた者は、永遠の繁栄がもたらされるって」
 と、交互に足をブラブラさせながら言う。
 真っ白な沈黙のあと。
「はあっ?」
 わたしの声がうらがえった。
「ちょ、ちょっと待って! それじゃあ、わたし結婚させられちゃうの? だ、だれと!? えっ、えっ、ええっ!」
「まあ、相手ってのはね、それは、チトセがこれから決めるのよ。つまり、チトセが結婚相手にえらんだひとがカデール王国の王になるってこと。王さまたちは当然、自分の息子、ジェイク王子と結婚させたがっているだろうけど……」
 わたしを落ち着かせようとしているらしく、ティファニーの声は冷静だった。
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