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一話 サラリーマンとサラリーマン
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人類達はみんな知らない(はず)。
天界、魔界、人間界の3つの世界があることを。
かつて、魔界で前代未聞の大戦争が起きた。
それは魔王の派閥をめぐるための地獄の戦場だった。
そしてその戦争の勝利者となったのは、たった一匹の悪魔だった、呼び名は蒼き怪物。
魔界の戦いに飽きた蒼き悪魔は人間界を占領するために舞い降りた。
蒼き悪魔の圧倒的な力により人間は次々に支配されていった。
これに異常を持った天使は蒼き悪魔を退治することを決める。
人間界の秩序を守るために天界より天使が来る、蒼き悪魔を退治するために。
蒼き悪魔、やってきた天使を返り討ちにする。
天界より大量に天使がやってくる、全て返り討ちにする。
遂にぶち切れた天界、最強の天使を送り込みついに倒す。
こうして人間界は平和になり、蒼き悪魔は天使に転生し、生涯を罪滅ぼしのために生きることに尽くす。
あれから数百年がたった。
ここは東京、世界で最も発展した都市なのか、ビルからの反射で熱中症がたくさん増えそうなくらいのビルが並んでいる。
そのビルの中に明らかに一本だけ高さが二倍くらい、体積が6倍くらいありそうなおかしなビルである。
耐震性を本当に考えたのかというぐらいドデカイビルである。
ドデカイビル、そのビルは株式会社天会(アメゴウ)である。
株式会社天会は世界の平和というくだらないプロパガンダを元にあらゆる会社から仕事を奪い、巨大化し、正義のためだとかっこつけている。
独占禁止法がないいまの時代ではやりたい放題なのだろう。
表向きは中二病が考えそうなただの財閥、その正体は天界が人間界を監視や調査を行うために作った会社である。
そう、資金集めなどオマケなのだ……オマケなのだ……。
天会66部署、6係の部屋。
主に、天界でデスクワークをする部屋である。
部屋は30畳ぐらいの大きさで、その上にデスクが8つ並んでおり、3人が仕事中である。
部屋は殺風景、デスクの上に安物のパソコンが繋いである、無論パソコンにはwebにつなげるようなものは一切ついてないし、パソコンの中にゲームも入って等はいない。
デスクの上にはパソコンを映し出す液晶、キーボード、パソコンの下にはパソコンの本体が隠れている程度である。
その中に身長は190近くぐらいある、20代の黒髪のざんばら男が液晶を見つけながらパソコンを見ながらキーボードをカタカタしている。
彼の名は浦手春人、この天会の平社員である。
浦手春人は上の取引をしている、売上と売り上げから引いた利益、給料を引いた純利益を計算していた。
あまりにも時間がかかる作業である、これらの仕事は刑務所でもしていることと同じである。
実は彼、この作業をすでに50年以上も続けている。
20歳から始めても70歳以上、人間であるならとうの昔に退職しているだろう。
実は彼は天使である、年を取らないのだ。
この部屋は単調な作業をする傍ら、定期的に部下を入れ替え、彼がずっとここで働いていることを隠している。
彼自身はビルをあまりうろつくこともないうえに、部下も数十年したら窓際でどっかの男が働いていたことなどすぐに忘れる。
天会は重役が天使で秘めているが、こんなところにも天使はいるのだ。
液晶を見ながらキーボードをカタカタしてるおとこに、中年の女性が語りかける。
「浦手さん、上から電話です、浦手さんから電話をかけるのを待ってます。」
「上から電話、間違いないのか?」
「ええ」
浦手は思った、電話をこちらからかけるように頼む。
そんな特殊な理由は一つしか考えられない、天界から何か依頼が届いたのだろう。
自分は永遠に平社員なのだからなにもこない。
この会社そのものが自分にとっては牢獄と変わらないのだから。
天界から何が仕事が出たのだろう。
「内容とかは」
「いえ、でも急な話らしくて」
「この仕事が終わったら合いに伝えてくれ」
「わかりました」
浦手は二時間をかけ、今の仕事を終わら子、ファイルに上書き保存をして、パソコンをシャットダウンした。
浦手は階段の近くにある場所で、普段は鍵がかかり誰も近寄らない場所だ。
浦手はポケットにある鍵を開ける、中はダンボールだらけ、ダンボールの一つの上に電話があり、受話器を手に、番号を入力した。
「こちら、浦手だ」
「遅いぞ馬鹿門」
「しょうがないだろアポロン、仕事中何だから、途中放棄したら次やったときにどこまでやったかわからなくなるだろ、前に困ったんだから」
「そうか、それはすまなかったな」
浦手春人、その名前は地球で暮らすときの名前。
彼の本名はそう、ブルータスである。
「で、何のようだ、天界のオッサンが腹でもこわして、隙を突かれて革命でも起きたか?」
「嫌、そんな話ではない、天界はボスが病院送りになっても動くようにできておる」
「そうかい、じゃあ天界に隕石でも落ちてほろんだか」
「いや、今回は魔界に問題があるんじゃ?」
「魔界?」
「そうだ、まず騎士アサルトのことじゃ」
アサルト、ブルータスは知っていた。
今から5年前に魔界に現れた悪魔軍団を返り討ちに騎士である。
天界でもそれなりに名前の知れた騎士だ。
天界自身、騎士アサルトを評価し、魔界の防衛装置として配置している。
「アサルトがどうかしたのか」
「魔界に魔王が現れ世界を破壊しつくしておる」
「魔王が?なら問題ないだろ」
「問題なのじゃ……アサルトが現れんのじゃ」
「アサルトが現れない?」
「病気なのか、失恋なのか、人間界に旅行中なのかわからんが、まったく姿を現さないのじゃ。アサルトが魔界にいる人間の平和のためにいきておるようなもんじゃ、彼がいないと魔界の人間達はほろびかねん」
「そうか」
「それに、魔界にある人間たちの王国ラルズランドのディスパー姫じゃが、ディスパー姫自身も行方不明になっておるのじゃ」
「そうか」
「話聞いておるのか」
「いや、今作った二次設定を言われてもねぇ」
「魔界には人間たちが住んでおり、危険何じゃ」
「つまりどうしろと」
「アサルトが行方不明でどうにもならんのんじゃ、だからのう……」
『闘ってくれんか、ブルータス』
こうして彼の戦いが始まった。
天界、魔界、人間界の3つの世界があることを。
かつて、魔界で前代未聞の大戦争が起きた。
それは魔王の派閥をめぐるための地獄の戦場だった。
そしてその戦争の勝利者となったのは、たった一匹の悪魔だった、呼び名は蒼き怪物。
魔界の戦いに飽きた蒼き悪魔は人間界を占領するために舞い降りた。
蒼き悪魔の圧倒的な力により人間は次々に支配されていった。
これに異常を持った天使は蒼き悪魔を退治することを決める。
人間界の秩序を守るために天界より天使が来る、蒼き悪魔を退治するために。
蒼き悪魔、やってきた天使を返り討ちにする。
天界より大量に天使がやってくる、全て返り討ちにする。
遂にぶち切れた天界、最強の天使を送り込みついに倒す。
こうして人間界は平和になり、蒼き悪魔は天使に転生し、生涯を罪滅ぼしのために生きることに尽くす。
あれから数百年がたった。
ここは東京、世界で最も発展した都市なのか、ビルからの反射で熱中症がたくさん増えそうなくらいのビルが並んでいる。
そのビルの中に明らかに一本だけ高さが二倍くらい、体積が6倍くらいありそうなおかしなビルである。
耐震性を本当に考えたのかというぐらいドデカイビルである。
ドデカイビル、そのビルは株式会社天会(アメゴウ)である。
株式会社天会は世界の平和というくだらないプロパガンダを元にあらゆる会社から仕事を奪い、巨大化し、正義のためだとかっこつけている。
独占禁止法がないいまの時代ではやりたい放題なのだろう。
表向きは中二病が考えそうなただの財閥、その正体は天界が人間界を監視や調査を行うために作った会社である。
そう、資金集めなどオマケなのだ……オマケなのだ……。
天会66部署、6係の部屋。
主に、天界でデスクワークをする部屋である。
部屋は30畳ぐらいの大きさで、その上にデスクが8つ並んでおり、3人が仕事中である。
部屋は殺風景、デスクの上に安物のパソコンが繋いである、無論パソコンにはwebにつなげるようなものは一切ついてないし、パソコンの中にゲームも入って等はいない。
デスクの上にはパソコンを映し出す液晶、キーボード、パソコンの下にはパソコンの本体が隠れている程度である。
その中に身長は190近くぐらいある、20代の黒髪のざんばら男が液晶を見つけながらパソコンを見ながらキーボードをカタカタしている。
彼の名は浦手春人、この天会の平社員である。
浦手春人は上の取引をしている、売上と売り上げから引いた利益、給料を引いた純利益を計算していた。
あまりにも時間がかかる作業である、これらの仕事は刑務所でもしていることと同じである。
実は彼、この作業をすでに50年以上も続けている。
20歳から始めても70歳以上、人間であるならとうの昔に退職しているだろう。
実は彼は天使である、年を取らないのだ。
この部屋は単調な作業をする傍ら、定期的に部下を入れ替え、彼がずっとここで働いていることを隠している。
彼自身はビルをあまりうろつくこともないうえに、部下も数十年したら窓際でどっかの男が働いていたことなどすぐに忘れる。
天会は重役が天使で秘めているが、こんなところにも天使はいるのだ。
液晶を見ながらキーボードをカタカタしてるおとこに、中年の女性が語りかける。
「浦手さん、上から電話です、浦手さんから電話をかけるのを待ってます。」
「上から電話、間違いないのか?」
「ええ」
浦手は思った、電話をこちらからかけるように頼む。
そんな特殊な理由は一つしか考えられない、天界から何か依頼が届いたのだろう。
自分は永遠に平社員なのだからなにもこない。
この会社そのものが自分にとっては牢獄と変わらないのだから。
天界から何が仕事が出たのだろう。
「内容とかは」
「いえ、でも急な話らしくて」
「この仕事が終わったら合いに伝えてくれ」
「わかりました」
浦手は二時間をかけ、今の仕事を終わら子、ファイルに上書き保存をして、パソコンをシャットダウンした。
浦手は階段の近くにある場所で、普段は鍵がかかり誰も近寄らない場所だ。
浦手はポケットにある鍵を開ける、中はダンボールだらけ、ダンボールの一つの上に電話があり、受話器を手に、番号を入力した。
「こちら、浦手だ」
「遅いぞ馬鹿門」
「しょうがないだろアポロン、仕事中何だから、途中放棄したら次やったときにどこまでやったかわからなくなるだろ、前に困ったんだから」
「そうか、それはすまなかったな」
浦手春人、その名前は地球で暮らすときの名前。
彼の本名はそう、ブルータスである。
「で、何のようだ、天界のオッサンが腹でもこわして、隙を突かれて革命でも起きたか?」
「嫌、そんな話ではない、天界はボスが病院送りになっても動くようにできておる」
「そうかい、じゃあ天界に隕石でも落ちてほろんだか」
「いや、今回は魔界に問題があるんじゃ?」
「魔界?」
「そうだ、まず騎士アサルトのことじゃ」
アサルト、ブルータスは知っていた。
今から5年前に魔界に現れた悪魔軍団を返り討ちに騎士である。
天界でもそれなりに名前の知れた騎士だ。
天界自身、騎士アサルトを評価し、魔界の防衛装置として配置している。
「アサルトがどうかしたのか」
「魔界に魔王が現れ世界を破壊しつくしておる」
「魔王が?なら問題ないだろ」
「問題なのじゃ……アサルトが現れんのじゃ」
「アサルトが現れない?」
「病気なのか、失恋なのか、人間界に旅行中なのかわからんが、まったく姿を現さないのじゃ。アサルトが魔界にいる人間の平和のためにいきておるようなもんじゃ、彼がいないと魔界の人間達はほろびかねん」
「そうか」
「それに、魔界にある人間たちの王国ラルズランドのディスパー姫じゃが、ディスパー姫自身も行方不明になっておるのじゃ」
「そうか」
「話聞いておるのか」
「いや、今作った二次設定を言われてもねぇ」
「魔界には人間たちが住んでおり、危険何じゃ」
「つまりどうしろと」
「アサルトが行方不明でどうにもならんのんじゃ、だからのう……」
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