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2章 約束と忘れた思い出
47.神の領域?
しおりを挟む「んじゃ、私達も今度こそ国を出る準備をしようか」
プロムスの笑いが止まり、ひと段落着いたところでダージルはそう切り出した
「あぁ…いつになるかわかりませんが用意するに越したことはないですもんね」
「その節は我が国がご迷惑をおかけして申し訳なく…
…そう言えば、お2人はフェルトを出たらどちらの国へ行かれるんです?」
その問いにフレールもそう言えば…とタージルに目を向ける
向けられた本人はどこか言いずらそうに頬をかいて口を開く
「国って言うか…空間…?
母上が作りあげた異世界と言うか、異空間だから…
どの国にも所属してないんだよねぇ…」
「「は???」」
あははと誤魔化すように笑う男に、今までの爆弾発言で慣れてきたと思っていたフレールとプロムスは固まり、ギギギとロボットのように体を動かす
「異空間、異世界…??」
「作りあげた…?1人で??」
「あ~、やっぱり常識的に考えてもやばいよね?
私も規格外だと思ったんだよねぇ…」
「規格外どころじゃないんですよタージルさん…!!」
「空間を作るって、それもう神の領域じゃないんですか???!!」
叫ぶようにそう言う2人にタージルは「うわ、うちの母上やばすぎ…?」と少し顔を青ざめさせた
「いや、でもほら…縛りっていうの?
その空間からは出られないみたいだし…さ?」
「その程度で収まってるのにまず驚きなんですが???」
「生贄とか…実は身体のどこかを対価に…とか、そう言うのないんです??大丈夫ですか???」
「母上も五体未満だし、生贄って言われたら多分私ここに居ないんじゃない?」
「本当に貴方のお母様は人間ですか…??」
「人間…?どちらかって言うと魔女って言う種族じゃない?」
「魔法使いとか、賢者とかもその分類じゃない?」と首を傾げるタージルにプロムスは「違う…!そうじゃない…!!」と頭を抱え、フレールは「僕、これからその人にあってお礼言わなきゃなんですよね」と表情をゴッソリと削ぎ落とし、死んだ目で小さく呟いた
「大丈夫大丈夫、母上は優しいから
あ、でも最近引き取った子供に別世界の魔族が居るから攻撃しないように気を付けてね」
「別世界の…魔族…??」
「ねぇそれって子供服買ってた子ですよね??男女の服買ってましたけど…無性別なんですか…?」
「いんや?双子だよ?
なんかねぇ、魔王の直系だってさぁ~」
「魔族…?魔王…??」
プロムスはオウムのように同じことを繰り返し、フレールは魔王と聞き、引きつったような声で「あの…」とタージルに問いかけた
「僕、やっぱり行くのやめてもいいですか…??」
「妹夫婦も楽しみにしてるみたいだし、何せ母上が"お気に入り"を作ったフレールと話したがってたから、無理じゃないかなぁ…」
「あぁぁぁ……」
「…どんまい!」
「プロムスさんの裏切り者ぉ!!!」
その日フェルト王国では悲痛な叫びが響いた…とか
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