上 下
5 / 9

恋とは意外と傍に落ちてるらしい

しおりを挟む
「蒼太は?今誰に恋してるかとか、元カノの話でもいいよ」
「はぁ、元カノは彼女出来たことないんで話無いっすね」
「は??じゃあ放課後あんたが取っかえ引っ変えに女替えてデートしてるのは…」
「あれは、最後の思い出にデートしてくれってやつですね」
「え、そーいうのって抱き締めてくれとかじゃないの?」
「なにそれ?」
「嵐が言ってた」

うちの学年一のモテ男が言ってたと言うと、学校1のモテ男は、「古寺先輩、潔癖って言うか…聖域って言うか…」とブツブツと何か呟いている

「古寺先輩も相変わらずモテるわよねぇ」
「なんか、好きな人居るって断ってるけど」
「えっ!先輩好きな人居るんだ!今度聞いてみよ」
「一途なんすよ、俺も古谷先輩も」
「おっ?って事はお前も好きな子居るんだ?」
「えぇ、そうですね?」

ニンマリと形のいい唇が楽しそうに歪み、千夏を見る
…あっなるほど?おれそこまで鈍感じゃないから察したよ??

「え?え?なんで2人してこっち見るの?」
「意外です、先輩が気付くなんて」
「もしかして馬鹿にしてる?
いやいや、あの視線はさすがに誰でも気付くって
おれも馬に蹴られたくないし?」
「なに?なんの話ししてるの??」

分かってない鈍感な従姉妹を生暖かい目で見てしまう
頑張れ、多分蒼太みたいなタイプは何処までも追ってくるタイプだ
逃げる前に負けてるやつ…

「俺、吉田さんに片思いしてるんですよ」
「は?え、は?!」
「いや、おれ居るのにふつー告る?」
「これは告白じゃないんで」
「違うの?」
「意識してもらう為の策なんで」
「わぁ、お前も策士だねぇ」

目を白黒させて混乱している千夏を眺めながら手持ち無沙汰に持っていた文庫本をパラパラとめくる
どーなんのかな、時間オーバーで逃げ切るかその前に捕まえるか
まぁ、終わりは確定してるからENDなんてBAD一択のクソゲーなんだけど

「ば、わ、は?え、う、う」
「う?」
「う、」
「はい」
「うそだばかー!!」
「あっこら強く扉を閉めんな!」
「逃げられちゃいました」
「お前ねぇ…」

えへっと笑う後輩にため息を着く
この確信犯め…後で叔父さんにチクってやろ

「先輩的にはどうです?俺は」
「んー?優良物件?まぁ叔父さんには報告するけど」
「いいですよ、今月中に捕まえて挨拶しに行くつもりなので」
「わぁこわぁい…
無理強いはダメだよ…」
「しませんよ、流石に
先輩も気を付けてくださいね」
「なにに??
…ねぇ、ちょっと黙んないでよ、ねぇ蒼太くん?!」

にっこりと笑って口を噤む後輩の方をガタガタと揺らすと「2人して鈍感なんで、俺も先輩も苦労するんです」とだけ言って手を外された

「いやマジで何の話…???」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】青春は嘘から始める

きよひ
BL
 4組の高校生カップル誕生までの物語。  光安、桜田、梅木、杏山の4人は教師に聞いた「告白ゲーム」を実行することにした。  それは、罰ゲームで告白するという罰当たりなゲームである。  「冗談でした」で済ませられるよう女子にモテモテの同学年のイケメンたちにそれぞれ告白する。  しかし、なんと全員OKを貰ってしまった!   ※1組ずつ嘘の告白からその後の展開を描いていきます。 ※3組完結、4組目公開中。 ※1組2万字程度の予定。 ※本当に一言二言ですが、どんなキャラクター同士が組み合わさるのかを知りたい方は「登場人物」を確認してください。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした

雨宮里玖
BL
《あらすじ》 昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。 その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。 その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。 早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。 乃木(18)普通の高校三年生。 波田野(17)早坂の友人。 蓑島(17)早坂の友人。 石井(18)乃木の友人。

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

たとえ性別が変わっても

てと
BL
ある日。親友の性別が変わって──。 ※TS要素を含むBL作品です。

卑屈に純情〜人狼リアムは狩人に認められたい〜

ヨドミ
BL
 【人狼】――。  人を喰うバケモノとして生まれた青年リアム。しかし、彼は人肉を喰らうことができない体質であった。  一族から追い出され、人間の街シティ•ロドルナで正体を隠し、酒場の給仕として働く日々を送っている。  唯一の楽しみは、酒場の常連、警察官のヴィクターを眺めることだ。ひ弱な自分とは真逆で、逞しく強靭なヴィクターに憧れを抱くリアムだが、ある日、客のひとりに押し付けられた荷物が発端でヴィクターとの距離が縮まり――。  獲物に恋する人狼が、不器用な人狼狩り専門の警察官に認められようと奮闘する物語。

水色と恋

和栗
BL
男子高校生の恋のお話。 登場人物は「水出透吾(みずいで とうご)」「成瀬真喜雄(なるせ まきお)」と読みます。 本編は全9話です。そのあとは1話完結の短編をつらつらと載せていきます。 ※印は性描写ありです。基本的にぬるいです。 ☆スポーツに詳しくないので大会時期とかよく分かってません。激しいツッコミや時系列のご指摘は何卒ご遠慮いただきますようお願いいたします。 こちらは愉快な仲間たちの話です。 群青色の約束 #アルファポリス https://www.alphapolis.co.jp/novel/389502078/435292725

処理中です...