嫁イビリは異世界でも、あまり変わらないようです。

さて、1人作戦会議です

おはようございます、朝ですね
メイドに起こされ、朝の支度をして朝食までの自由時間、私はとりあえずエリスが自分の状態をどこまで把握していたのかを調べてみる事にした

｢日記とか…でも確か離婚する時に有利になるって聞いたし…
この世界だと、多分もっと価値が上がるはず…？｣

弁護士から聞いた話を思い出しながら本棚を探す
ゲームでレポートがあるように、この世界では日記は当たり前のようにみんな書くものらしい

セーブと言う概念がないのに、記録を残してどうするのか？と思うが、なんでも蘇生魔法が使われる時に使用されるらしい
ゲームの設定にも載っていたし、アイテムにも存在している
まぁ使われる事は滅多に無いけれど

ただの日記にそんな効果が？と思われるかも知れないが、貴族はだいたい魔法石を埋められた特別性のものを持っていたはず…
平民は普通の日記か、お金持ちは貴族同じく魔法石のものを持っているはずだ

｢…あった｣

隠されるかのように本棚の裏から出てきた日記を片手に立ち上がり、ベッドの縁に座り開いた

…勝った！

書かれている、エリスの言葉で！！日記が！！
だけれど最近の記述は無いみたいだ
でも、義姉にいびられている事、義母が冷たい事が書かれている
でも、私じゃなくエリスの言葉で書かれている証言があると言うのはかなりの進歩だ

｢私は、本来関係の無い人間だった筈だからね｣

さて、ここに新たな証拠を書き残そう
やられた事を嘘ではなく、誇張もしない
ただ酷くエリス私が傷付いているかのように書くだけ

信ぴょう性が増して、なおかつ悲劇のヒロインと言う肩書きが手に入る
私はともかく、エリスは確かに悲劇のヒロイン…シンデレラと言ってもいいからね

問題は…旦那様、ギルベルトの存在だ…
その前にエリスの勝利条件を設定しよう
離婚が完全勝利、別居…私が実家での生活が出来たなら勝利、ギルベルトの仕事について行くのはまぁ…引き分け…？

ただ負けは、義姉からの接触を何らかの形で直ぐに受けてしまうもの
つまり今のような生活や、同居はなんとか解消したい


｢エリスと彼の関係性を見るに仲は良かった
彼女は夫に助けを求め無かった
…この状況なら離婚出来れば御の字と言う確率か…｣

難しい戦いになりそうだ
しかし、これは自由と、生存を掛けた戦い
負ける訳にはいかないの

｢さぁ、エリス覚悟を決めなさい…
あの時の地獄を思い出せば温いはずだよ｣

元夫との時を考えればまだ人扱いされているだけマシなのだ
私の目的は完全勝利！キッパリと義実家との縁を切りたい！