悪役令嬢女神が担当だが、神様からヨメを貰いました。

parip Nocturne

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第二章 新世界と神々

芽生え-6-

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 ベアーストンはあまりの金額に、声が出なかった。
 食肉屋の店主はこの顔を何人も見ている。その一人だった、アローを見るとため息をつきながら頷く。
 「これからこいつもお願いするよ。最初は大変だから、色をつけてよ」
 アローが言うと店主は苦笑いしながら頷く。
 「ああ、皆そうなんだよな。お前"取りすぎると、法に触れるから"とか言われて、三体とかしか、取れなかっただろ。ここ最近、鹿が爆発的に増えて、十匹とっても怒られない。そうやって……まぁそゆう事だ」
 店主は意気揚々と言っていたが、相手の気持ちを考え、半端に話を終わらせる。
 「まぁ、そゆう事だ。鹿は十匹取れる。そう考えると、すぐに家を借りれる、明日から、取るぞ」
 アローが言う。
 「…また、帰らなきゃいけないのか———」
 ベアーストンが言いかけると、アローが遮る。
 「好きなだけ、家に泊まればいいさ。気が引けるなら、お金か、取った物をくれればいい」
 アローは笑いながら言う。
 「嗚呼、ありがとう。恩に着る…」
 ベアーストンは感極まり、目に涙を溜める。それを悟られないように、頭を下げ言う。
 肉屋を出る。そういえば、お金を分けていない。
 「お金は…」
 ベアーストンが言うと、アローは腕を後ろに回し、受け取らない姿勢をとる。
 「最初は色々大変だから、取っといてくれ。それに、これからも、狩はするんだろ」
 アローが言う。ベアーストンは袋を握り、頭を下げる。
 「本当に…本当に、何から何までありがとう…」
 ベアーストンはまた、涙が溢れて来る。アローは困りながら軽くあしらう。
 「いいってことよ。お互い様だからな」
 アローは言う。

 「まぁ、ああゆうのも居る」
 お客が出て行き、しばらく経ってから言う。
 
 アローの家に着き、未来のことを語りあう。
 「———それで、独り立ちする覚悟はできたか」
 アローは聞く。
 「あ…うん。そうだな、家を借りて、罠の道具も揃えて…二日間ここに居ていいか。そうすれば、めどが経つんだが…」
 ベアーストンはアローの目を見て言う。
 「ああ、いいよ。何日でも居てくれ」
 二人の夜が老けていく。
 
 「ちょっと、待ってくれ。お前、いつになったら、エリヤ…はどうした。やはりお前は…」
 勇者は憐れんだり、何か希望を見出し、気持ち悪い笑いをしなが手で口を押さえる。
 「まぁ…それじゃ、アローの所から巣立ってちょっとたった所から話すか」
 ベアーストンは顎を触りながら言う。
 アローの家を出てから一か月後、その間には、師匠の元に行って、挨拶に行き、礼を言った。蟠りを取れた。エリヤとはその時は会えなかった。帰り際に家に向かって、大声で言う。
 「また、何処かで会えたら、よろしくな」
 ベアーストンはそう言い自分の家に帰っていった。
 
 
 

 
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