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第二章 新世界と神々

そこはなんとスチームパンク-3-

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 ベアーストンがラグサス達のテーブルに居る。
 ラグサスはこれまでの事を言い、ベアーストンのことを聞く。
 「———それで、ベアーストンは、こっちに来て、何か困った事はなかったか」
 ラグサスが言うと、ベアーストン口を開く。
 「俺は…ここに来てまず驚いた。ここでは週に一度、工場や、車を止める。国民一斉休日がある。その時に落ちてきたもんだから、皆驚いていた。だけど、十年に一度にこうゆことが起きる事を伝承して、皆承知している。」
 ベアーストンは、一息つき、カウンターに目を向ける。すぐに確認できたのか、視線を戻す。大きな声でコーヒーを頼む。そしてまた話しだす。
 「俺は、皆の困っている事を率先して手伝った。そしたら皆、食べ物をくれたり、逆に家事を手伝ってくれたりした。それに応えるようにまた努力した。畑仕事、家の組み立て、棚とかならすぐに作れるようになった。解体も出来るようになって焼くことも……ありがとう」
 勇者パーティの机に、コーヒーが届く。ベアーストン以外のメンバーにも届く。
 ベアーストンがコーヒーを届けた、女性に驚いている。女性は帽子にロングのTシャツ、ロングのスカート、エプロンを着てる。店員というより、農婦に近い。
 「エリヤ…驚いた」
 ベアーストンは驚く。
 「皆を紹介してくれないの」
 コーヒーを置き、女性は立ち尽くす。
 「ああ、エリヤ、俺の奥さんだ。話は紹介の後で…冒険のパーティだった、勇者ラグサス、魔法使いラミレール、僧侶エミールだ」
 エリヤは一人一人、目を合わせ握手をする。腕橈骨筋は太くは見えないのにかなりの握力だ。女性2人も笑顔が引き攣るぐらいだ。
 「それじゃあ…続きを話す」
 ベアーストンは咳払いをして、エリヤを隣に椅子を用意させ、座らせる。
 「ええ…あ、ああ。畑仕事と猟に関しては、エリヤの父に教わった。そこからエリヤの家と親しくなっていった」
 ベアーストンはコーヒーを啜り、笑みが溢れる。
 「最初の頃はエリヤを避けるように両親に話していた。そうすると、両親はあえてエリヤと二人っきりにした。畑を耕し、種を蒔こうと思ってみたら、見当たらず、両親は、いなかった。頭をかき、うちを訪ねてもいなかった」

 「すいません……うーん。いないのか」
 人に話しかけたのに独り言になってしまった。幸せを感じると相対的にくるものがあるな。
 後ろからやってきた、エリヤに肩をぶつけられる。こんなことは戦場にに居ればなんでことない。
 ベアーストンはエリヤに肩をぶつけられて、びくともしない。土の中に埋まっている巨岩のように。
 「こんなに図体がデカくて、邪魔だね。家で休んでいないで、もっとちゃっちゃと体動かしなよ」
 エリヤはそう言い残し家の奥に行ってしまう。
 ベアーストンはすぐに家を出る。
 (先に水汲むか)
 ベアーストンは水を汲んではため池に入れを繰り返す。 
 タネ巻き時期が切れるまであと三日。
 

 

 
 
 
 
 
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