131 / 146
第二章 新世界と神々
山越え、谷見え、とうざけられ
しおりを挟む
ゆるく、上り坂になっている裾野を上がっていく。そこには花々が咲き、気持ちいい風が吹く。登るにつれ、段々と足が重くなっていく、後ろを振り向くと、若干高い所に立っていることがわかる。この先には木々が生い茂っている。この林に入る前に、少し休む事にする。
林の中では獣の鳴き声が響き渡っている。走り回っているのか、通った後の場所から鳥が飛び立つ。
ストレッチして、水を飲んで、目の前から鳥が飛び立つのを見たら、立ち上がる。
「よし、行くか」
自分を静かに鼓舞する。
林に入ると"フワッフワッ"っと声がそこら中で反響している。これがブラブラの名前の由来かと、思いながら山を登っていく。なるべく小さな声のする方、する方に進んでいく。
かなり急勾配になってきた。四つ這いじゃないと、進めないほどだ。斜め左に黒い物体が居る。
「ブラブラブラブラブラ」
タスクはこれが名前の由来なのかと再認識して、急いで山を駆け上る。山の塙に立つと山が二つに割れた様になっていて先端まで相入れない様だ。谷がある方に歩いていこうとすると。
「危ない」
誰かに服を引かれ、倒される。正面にはいないから、左右を確認すると、立派な鎧を着た大剣を持った、男がブラブラと戦っていた。
後ろから、炎の魔法が飛んできて、騎士は避ける、ブラブラも避ける。ブラブラは叫びながら何処かに行ってしまう。
「ふぅ~大丈夫かい」
騎士は、ブラブラを見送ると、振り向き、声をかけながら手を貸す。タスクは首をさすりながら手を取る。
「悪い、あのブラブラ、凶暴な性格で一度絡まれたら複数匹連れて来るから油断ならない。兎に角ここから、離れよう」
騎士はそう言い、タスクがいた方に下山しようとする。
「もう、急に走り出すからどうしたかと思ったら…下山するの」
声がする方に顔を向けると、魔法使いと僧侶がいた。どちらも女性だ。よくみると、痩せ細り骨が浮き上がっている。
タスクはそれを見て、ふっと表情が暗くなったのか、彼女たちは表情を暗くする。タスクは直ぐに笑顔を見繕う。
「大丈夫か」
騎士に元気良く声をかけられる。
「うわっ」
タスクが大声で驚いてします。
振り向くと、痩せ細った騎士がいた。
「ええ…助かりました」
タスクが言うと、皆トボトボ下山を始める。この感じだといつ着くかわからないし、いつ襲われるかわからない。
タスクは座り込み、カバンから、バゲットを出し、オリーブオイルを塗る。
「何してんだ、早く…」
騎士は止まりそこから動けなくなる。
オリーブオイルを塗ったパンに塩胡椒を擦る。
騎士は崩れ落ちる様にそこに座り込む。
タスクは、パンを火の魔法で囲こむ。
「やめろパンが…」
騎士の言葉は弱々しく嘆きに近かった。
パンはこんがり美味しそうに狐色になる。
「火加減は熟知しているよ、ほら食べて」
タスクはそう言うと、騎士の口にパンを持っていくと大きな口を開く口の中で唾が糸を引いている。それだけ食べ物に困っていたのだろう。
「うまい、うまいうまいうまい」
騎士の雄叫びをあげる。少しは元気が戻った様だ。
騎士は食べ終わり、僧侶と魔法使いの元に向かうと、こちらを睨め付ける様に見ていた。
「すごくいいにおいがする」
僧侶と魔法使いは声を合わせていう。タスクは、二人にもパンをあげる。その後何事もなく下山した。
「ああ良かった。無事に下山出来て…いつもなら襲われるのになー」
騎士が言うと、二人も話す。
「ええ、今日はやけに聞き分けが良かった。普段なら下山して…も…おい———」
僧侶は何かに気づき、言葉が詰まる。
「ええ…そう、そうね。いつも…なら。のんなのこの匂い」
魔法使いも気づく。
タスクは少し地面を削り、下山しながら取った、枝と葉っぱ組み、着火する。
その上にピザプレート風のものを置く。そこに油、厚めのこま切れ、そして合わせ調味料を入れる。これがかなり唆る匂いになる。甘辛のスパイシーな匂い。誰もが米が欲しくなるやつ。しかし米はない。残念なことだ。
林の中では獣の鳴き声が響き渡っている。走り回っているのか、通った後の場所から鳥が飛び立つ。
ストレッチして、水を飲んで、目の前から鳥が飛び立つのを見たら、立ち上がる。
「よし、行くか」
自分を静かに鼓舞する。
林に入ると"フワッフワッ"っと声がそこら中で反響している。これがブラブラの名前の由来かと、思いながら山を登っていく。なるべく小さな声のする方、する方に進んでいく。
かなり急勾配になってきた。四つ這いじゃないと、進めないほどだ。斜め左に黒い物体が居る。
「ブラブラブラブラブラ」
タスクはこれが名前の由来なのかと再認識して、急いで山を駆け上る。山の塙に立つと山が二つに割れた様になっていて先端まで相入れない様だ。谷がある方に歩いていこうとすると。
「危ない」
誰かに服を引かれ、倒される。正面にはいないから、左右を確認すると、立派な鎧を着た大剣を持った、男がブラブラと戦っていた。
後ろから、炎の魔法が飛んできて、騎士は避ける、ブラブラも避ける。ブラブラは叫びながら何処かに行ってしまう。
「ふぅ~大丈夫かい」
騎士は、ブラブラを見送ると、振り向き、声をかけながら手を貸す。タスクは首をさすりながら手を取る。
「悪い、あのブラブラ、凶暴な性格で一度絡まれたら複数匹連れて来るから油断ならない。兎に角ここから、離れよう」
騎士はそう言い、タスクがいた方に下山しようとする。
「もう、急に走り出すからどうしたかと思ったら…下山するの」
声がする方に顔を向けると、魔法使いと僧侶がいた。どちらも女性だ。よくみると、痩せ細り骨が浮き上がっている。
タスクはそれを見て、ふっと表情が暗くなったのか、彼女たちは表情を暗くする。タスクは直ぐに笑顔を見繕う。
「大丈夫か」
騎士に元気良く声をかけられる。
「うわっ」
タスクが大声で驚いてします。
振り向くと、痩せ細った騎士がいた。
「ええ…助かりました」
タスクが言うと、皆トボトボ下山を始める。この感じだといつ着くかわからないし、いつ襲われるかわからない。
タスクは座り込み、カバンから、バゲットを出し、オリーブオイルを塗る。
「何してんだ、早く…」
騎士は止まりそこから動けなくなる。
オリーブオイルを塗ったパンに塩胡椒を擦る。
騎士は崩れ落ちる様にそこに座り込む。
タスクは、パンを火の魔法で囲こむ。
「やめろパンが…」
騎士の言葉は弱々しく嘆きに近かった。
パンはこんがり美味しそうに狐色になる。
「火加減は熟知しているよ、ほら食べて」
タスクはそう言うと、騎士の口にパンを持っていくと大きな口を開く口の中で唾が糸を引いている。それだけ食べ物に困っていたのだろう。
「うまい、うまいうまいうまい」
騎士の雄叫びをあげる。少しは元気が戻った様だ。
騎士は食べ終わり、僧侶と魔法使いの元に向かうと、こちらを睨め付ける様に見ていた。
「すごくいいにおいがする」
僧侶と魔法使いは声を合わせていう。タスクは、二人にもパンをあげる。その後何事もなく下山した。
「ああ良かった。無事に下山出来て…いつもなら襲われるのになー」
騎士が言うと、二人も話す。
「ええ、今日はやけに聞き分けが良かった。普段なら下山して…も…おい———」
僧侶は何かに気づき、言葉が詰まる。
「ええ…そう、そうね。いつも…なら。のんなのこの匂い」
魔法使いも気づく。
タスクは少し地面を削り、下山しながら取った、枝と葉っぱ組み、着火する。
その上にピザプレート風のものを置く。そこに油、厚めのこま切れ、そして合わせ調味料を入れる。これがかなり唆る匂いになる。甘辛のスパイシーな匂い。誰もが米が欲しくなるやつ。しかし米はない。残念なことだ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【R18】禁断の家庭教師
幻田恋人
恋愛
私ことセイジは某有名私立大学在学の2年生だ。
私は裕福な家庭の一人娘で、女子高2年生であるサヤカの家庭教師を引き受けることになった。
サヤカの母親のレイコは美しい女性だった。
私は人妻レイコにいつしか恋心を抱くようになっていた。
ある日、私の行動によって私のレイコへの慕情が彼女の知るところとなる。
やがて二人の間は、娘サヤカの知らないところで禁断の関係へと発展してしまう。
童貞である私は憧れの人妻レイコによって…
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
異世界宿屋の住み込み従業員
熊ごろう
ファンタジー
なろう様でも投稿しています。
真夏の昼下がり歩道を歩いていた「加賀」と「八木」、気が付くと二人、見知らぬ空間にいた。
そこに居たのは神を名乗る一組の男女。
そこで告げられたのは現実世界での死であった。普通であればそのまま消える運命の二人だが、もう一度人生をやり直す事を報酬に、異世界へと行きそこで自らの持つ技術広めることに。
「転生先に危険な生き物はいないからー」そう聞かせれていたが……転生し森の中を歩いていると巨大な猪と即エンカウント!? 助けてくれたのは通りすがりの宿の主人。
二人はそのまま流れで宿の主人のお世話になる事に……これは宿屋「兎の宿」を中心に人々の日常を描いた物語。になる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる