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第二章 新世界と神々
山越え、谷見え、とうざけられ
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ゆるく、上り坂になっている裾野を上がっていく。そこには花々が咲き、気持ちいい風が吹く。登るにつれ、段々と足が重くなっていく、後ろを振り向くと、若干高い所に立っていることがわかる。この先には木々が生い茂っている。この林に入る前に、少し休む事にする。
林の中では獣の鳴き声が響き渡っている。走り回っているのか、通った後の場所から鳥が飛び立つ。
ストレッチして、水を飲んで、目の前から鳥が飛び立つのを見たら、立ち上がる。
「よし、行くか」
自分を静かに鼓舞する。
林に入ると"フワッフワッ"っと声がそこら中で反響している。これがブラブラの名前の由来かと、思いながら山を登っていく。なるべく小さな声のする方、する方に進んでいく。
かなり急勾配になってきた。四つ這いじゃないと、進めないほどだ。斜め左に黒い物体が居る。
「ブラブラブラブラブラ」
タスクはこれが名前の由来なのかと再認識して、急いで山を駆け上る。山の塙に立つと山が二つに割れた様になっていて先端まで相入れない様だ。谷がある方に歩いていこうとすると。
「危ない」
誰かに服を引かれ、倒される。正面にはいないから、左右を確認すると、立派な鎧を着た大剣を持った、男がブラブラと戦っていた。
後ろから、炎の魔法が飛んできて、騎士は避ける、ブラブラも避ける。ブラブラは叫びながら何処かに行ってしまう。
「ふぅ~大丈夫かい」
騎士は、ブラブラを見送ると、振り向き、声をかけながら手を貸す。タスクは首をさすりながら手を取る。
「悪い、あのブラブラ、凶暴な性格で一度絡まれたら複数匹連れて来るから油断ならない。兎に角ここから、離れよう」
騎士はそう言い、タスクがいた方に下山しようとする。
「もう、急に走り出すからどうしたかと思ったら…下山するの」
声がする方に顔を向けると、魔法使いと僧侶がいた。どちらも女性だ。よくみると、痩せ細り骨が浮き上がっている。
タスクはそれを見て、ふっと表情が暗くなったのか、彼女たちは表情を暗くする。タスクは直ぐに笑顔を見繕う。
「大丈夫か」
騎士に元気良く声をかけられる。
「うわっ」
タスクが大声で驚いてします。
振り向くと、痩せ細った騎士がいた。
「ええ…助かりました」
タスクが言うと、皆トボトボ下山を始める。この感じだといつ着くかわからないし、いつ襲われるかわからない。
タスクは座り込み、カバンから、バゲットを出し、オリーブオイルを塗る。
「何してんだ、早く…」
騎士は止まりそこから動けなくなる。
オリーブオイルを塗ったパンに塩胡椒を擦る。
騎士は崩れ落ちる様にそこに座り込む。
タスクは、パンを火の魔法で囲こむ。
「やめろパンが…」
騎士の言葉は弱々しく嘆きに近かった。
パンはこんがり美味しそうに狐色になる。
「火加減は熟知しているよ、ほら食べて」
タスクはそう言うと、騎士の口にパンを持っていくと大きな口を開く口の中で唾が糸を引いている。それだけ食べ物に困っていたのだろう。
「うまい、うまいうまいうまい」
騎士の雄叫びをあげる。少しは元気が戻った様だ。
騎士は食べ終わり、僧侶と魔法使いの元に向かうと、こちらを睨め付ける様に見ていた。
「すごくいいにおいがする」
僧侶と魔法使いは声を合わせていう。タスクは、二人にもパンをあげる。その後何事もなく下山した。
「ああ良かった。無事に下山出来て…いつもなら襲われるのになー」
騎士が言うと、二人も話す。
「ええ、今日はやけに聞き分けが良かった。普段なら下山して…も…おい———」
僧侶は何かに気づき、言葉が詰まる。
「ええ…そう、そうね。いつも…なら。のんなのこの匂い」
魔法使いも気づく。
タスクは少し地面を削り、下山しながら取った、枝と葉っぱ組み、着火する。
その上にピザプレート風のものを置く。そこに油、厚めのこま切れ、そして合わせ調味料を入れる。これがかなり唆る匂いになる。甘辛のスパイシーな匂い。誰もが米が欲しくなるやつ。しかし米はない。残念なことだ。
林の中では獣の鳴き声が響き渡っている。走り回っているのか、通った後の場所から鳥が飛び立つ。
ストレッチして、水を飲んで、目の前から鳥が飛び立つのを見たら、立ち上がる。
「よし、行くか」
自分を静かに鼓舞する。
林に入ると"フワッフワッ"っと声がそこら中で反響している。これがブラブラの名前の由来かと、思いながら山を登っていく。なるべく小さな声のする方、する方に進んでいく。
かなり急勾配になってきた。四つ這いじゃないと、進めないほどだ。斜め左に黒い物体が居る。
「ブラブラブラブラブラ」
タスクはこれが名前の由来なのかと再認識して、急いで山を駆け上る。山の塙に立つと山が二つに割れた様になっていて先端まで相入れない様だ。谷がある方に歩いていこうとすると。
「危ない」
誰かに服を引かれ、倒される。正面にはいないから、左右を確認すると、立派な鎧を着た大剣を持った、男がブラブラと戦っていた。
後ろから、炎の魔法が飛んできて、騎士は避ける、ブラブラも避ける。ブラブラは叫びながら何処かに行ってしまう。
「ふぅ~大丈夫かい」
騎士は、ブラブラを見送ると、振り向き、声をかけながら手を貸す。タスクは首をさすりながら手を取る。
「悪い、あのブラブラ、凶暴な性格で一度絡まれたら複数匹連れて来るから油断ならない。兎に角ここから、離れよう」
騎士はそう言い、タスクがいた方に下山しようとする。
「もう、急に走り出すからどうしたかと思ったら…下山するの」
声がする方に顔を向けると、魔法使いと僧侶がいた。どちらも女性だ。よくみると、痩せ細り骨が浮き上がっている。
タスクはそれを見て、ふっと表情が暗くなったのか、彼女たちは表情を暗くする。タスクは直ぐに笑顔を見繕う。
「大丈夫か」
騎士に元気良く声をかけられる。
「うわっ」
タスクが大声で驚いてします。
振り向くと、痩せ細った騎士がいた。
「ええ…助かりました」
タスクが言うと、皆トボトボ下山を始める。この感じだといつ着くかわからないし、いつ襲われるかわからない。
タスクは座り込み、カバンから、バゲットを出し、オリーブオイルを塗る。
「何してんだ、早く…」
騎士は止まりそこから動けなくなる。
オリーブオイルを塗ったパンに塩胡椒を擦る。
騎士は崩れ落ちる様にそこに座り込む。
タスクは、パンを火の魔法で囲こむ。
「やめろパンが…」
騎士の言葉は弱々しく嘆きに近かった。
パンはこんがり美味しそうに狐色になる。
「火加減は熟知しているよ、ほら食べて」
タスクはそう言うと、騎士の口にパンを持っていくと大きな口を開く口の中で唾が糸を引いている。それだけ食べ物に困っていたのだろう。
「うまい、うまいうまいうまい」
騎士の雄叫びをあげる。少しは元気が戻った様だ。
騎士は食べ終わり、僧侶と魔法使いの元に向かうと、こちらを睨め付ける様に見ていた。
「すごくいいにおいがする」
僧侶と魔法使いは声を合わせていう。タスクは、二人にもパンをあげる。その後何事もなく下山した。
「ああ良かった。無事に下山出来て…いつもなら襲われるのになー」
騎士が言うと、二人も話す。
「ええ、今日はやけに聞き分けが良かった。普段なら下山して…も…おい———」
僧侶は何かに気づき、言葉が詰まる。
「ええ…そう、そうね。いつも…なら。のんなのこの匂い」
魔法使いも気づく。
タスクは少し地面を削り、下山しながら取った、枝と葉っぱ組み、着火する。
その上にピザプレート風のものを置く。そこに油、厚めのこま切れ、そして合わせ調味料を入れる。これがかなり唆る匂いになる。甘辛のスパイシーな匂い。誰もが米が欲しくなるやつ。しかし米はない。残念なことだ。
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