上 下
127 / 151
第二章 新世界と神々

家具屋を目指して遠路遥々30秒-4-

しおりを挟む
 「そりゃー…そりゃーな、出前出来るなら続けてぇけど、人数が足りないし…」
 店主はやりたげだが、条件(上限)にあわないので、煮え切らない。
 「分かりました。それじゃあ、皆さんに、出前をやめる旨を伝えてきます———」
 タスクが言うと店主が慌て出す。
 「ちょっと待った。今から全部回るとなれば、朝になっちまう。また明日早くに行こう」
 店主が必死に言う。だがタスクは聞き入れない。
 「その事で、話があるので、一緒に来てくれませんか」
 店主を連れ、ウーメン屋の食ビルの隣の路地に連れて行く。
 「おいおいこんなとこに連れてきて何しようってんだい」
 店主からは警戒心が伝わる。タスクは止まり鏡を出す。
 「おい、おいおいもしかしてこれ…」
 店主はしているみたいだ。
 「ええ、ここを通って皆さんのとこに行きましょう」
 タスクはひと言いい。一足早く鏡をくぐる。タスクが鏡の奥で招く。
 「あ~あ、あゝ、嗚呼~。ちきしょう行くか」
 あっさりと通れてしまう。拍子抜けするほどに。店主は前屈みになり、動かなくなる。
 「どうしました」
 タスクが声をかけると、店主は驚き、姿勢が良くなる。
 「うわ、これは禁忌の技だろ。ここに来てから、術式とか見たことねーぞ」
 店主は息を切らせながら言う。
 「まぁ、禁忌の技ですし、普通のところではまずお目にかかれないでしょうね。俺は、たまたま、出会えたので使っていますが…なんで店主はしているんですか」
 タスクが疑問に思いながら聞く。
 「あ、ああ。禁忌の技か。学校で習うんだ。技の名前は教えず、用途だけ教える、この鏡の禁忌は壁が出てきて、遠くのどこかに行けると説明される後は、刃がボロボロでもなんでも切てしまう禁忌。刃物じゃなくても、棒でも良いらしい。こんなのもあるらしいな、どんな宝箱でも開けられる禁忌とかな」
 禁忌を語るのは許されているらしい。店主は愉快そうに話す。
 (ああ、最初に言っていたのが斬撃・空風鈴か。剣士が最終的に取得できるって技。でもタネを明かすなら魔法使いの方が得意ではある。空気中の魔素を斬撃に変えて、その場に留めたり、打ち出したりする物だ。名前の由来は空中に浮かび風を裂き、鈴の音が聞こえる事からきている。俺は使えないんだよな、吸っちゃうから。それで二個目開示する者アンロック・マスターキー。開ける、開くと言った物は全て開けられる。宝箱、扉の鍵、一般的だが、日本語には心を開くと言うものがある。こちらが明るく接しても、頑として動かない子もいるが、このアンロック・マスターキーにかかれば、相手は子供の時からいるやうな幼馴染感覚になる。そう慣れれば気がれなく喋れて、楽になる。異性だったら、同性だったら。アンロック・マスターキーは本当に禁忌だと思う)
 タスクは思う事この間3秒だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ZOID・of the・DUNGEON〜外れ者の楽園〜

黒木箱 末宝
ファンタジー
これは、はみ出し者の物語。 現代の地球のとある県のある市に、社会に適合できず、その力と才能を腐らせた男が居た。 彼の名は山城 大器(やましろ たいき)。 今年でニート四年目の、見てくれだけは立派な二七歳の男である。 そんな社会からはみ出た大器が、現代に突如出現した上位存在の侵略施設である迷宮回廊──ダンジョンで自身の存在意義を見出だし、荒ぶり、溺れて染まるまでの物語。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ
ファンタジー
 ここは、剣と魔法の異世界グリム。  ……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。  近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。  そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。  無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?  チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!  努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ! (この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)

処理中です...