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第二章 新世界と神々
ラーメン屋転生主-3-
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「おお、そうかい。にいちゃんもわかってくれるかい。その顔見ればわかる」
店主はうんうんと噛み締めるように頷く。タスクは表情には出していない驚きを隠し得ない。
「お客さんを見ているとな、店に入る時、一瞬表情を曇っていたり、明るかったりするんだよ。人に会って何か嫌なこと言われたとか、いい結果が出たのか、単純に店にこれて嬉しいって喜んでいる。沈んでるお客さんが居れば、上げてやりたいし、期待してるお客さんがいればそれに応えなければってな」
店主はニカっと笑う。タスクはそれを受け、ドキッとして、後ろに少しのけ反る。
「そ、そうだ。醤油を売ってもらえないですか」
タスクは、話を逸らすのと、本心で言う。店主は物悲しい顔をする。
「それが出来ないんだ。醤油の販売権は…お前さんが行ったあの店にしかない」
店主は少し黙りまた話す。
「伝統的な醤油を守るため、販売権は独占するとよ。それでギルドに行ったりして話を聞いてもはぐらかされる。それで、販売について話したら断固拒否される。だからウーメンにして売っている———」
タスクは話を聞いて思う。
(確かに、塩、味噌はあったけど醤油はなかった)
店主は続けて話す。
「だから、醤油ウーメンはなく、ただウーメンと書いてあるだけのが醤油ってことだ。まず味が想像しやすい塩をたのむお客は多い。次に挑戦ということで、味噌。ウーメンを頼むのは本当物好きだ。それで、ウーメンを頼むお客は頼んでおきながら、がっかりするんだ。”ああ…海水だ”って顔をするんだよ。それで味が侵食されていない、シナチクやチャーシューを食う。そこまで塩辛くない。次に麺を食べる。味に深みがある。スープだけ、飲む。中々飲まなかったりする。レンゲに麺を入れ食べてみたり片手にスープもう一方に甘めのシナチクを持ってる人もいる。それでよ…スープ飲んだ瞬間。レンゲが箸が手から落ちたりするんだよ。いやーあれは傑作だよ」
店主は、その時を思い出しながら噛み締めるように言う。
「それじゃあ、ウーメンの代金で醤油を買います。それだったら、大丈夫でしょう」
タスクは言うと、店主は頭をかき。体を脱力させる。
「ああ、それなら大丈夫だ、だが絶対に広めるなよ」
店主に言われ、タスクは頷く。
店主は片手で持てる瓶に醤油を入れその上から細長く伸びた管のような注ぎ口がついたものを閉め、上からウィスキーのキャップのような物をさらに絞める。
「これは、焦がし醤油とかに使うんだ。こっちの方が楽だからよ」
店主は笑顔で差し出してくれる。タスクはウーメン代をその場で払う。
「まいど」
店主の元気な声が倉の中に響く。
店主はうんうんと噛み締めるように頷く。タスクは表情には出していない驚きを隠し得ない。
「お客さんを見ているとな、店に入る時、一瞬表情を曇っていたり、明るかったりするんだよ。人に会って何か嫌なこと言われたとか、いい結果が出たのか、単純に店にこれて嬉しいって喜んでいる。沈んでるお客さんが居れば、上げてやりたいし、期待してるお客さんがいればそれに応えなければってな」
店主はニカっと笑う。タスクはそれを受け、ドキッとして、後ろに少しのけ反る。
「そ、そうだ。醤油を売ってもらえないですか」
タスクは、話を逸らすのと、本心で言う。店主は物悲しい顔をする。
「それが出来ないんだ。醤油の販売権は…お前さんが行ったあの店にしかない」
店主は少し黙りまた話す。
「伝統的な醤油を守るため、販売権は独占するとよ。それでギルドに行ったりして話を聞いてもはぐらかされる。それで、販売について話したら断固拒否される。だからウーメンにして売っている———」
タスクは話を聞いて思う。
(確かに、塩、味噌はあったけど醤油はなかった)
店主は続けて話す。
「だから、醤油ウーメンはなく、ただウーメンと書いてあるだけのが醤油ってことだ。まず味が想像しやすい塩をたのむお客は多い。次に挑戦ということで、味噌。ウーメンを頼むのは本当物好きだ。それで、ウーメンを頼むお客は頼んでおきながら、がっかりするんだ。”ああ…海水だ”って顔をするんだよ。それで味が侵食されていない、シナチクやチャーシューを食う。そこまで塩辛くない。次に麺を食べる。味に深みがある。スープだけ、飲む。中々飲まなかったりする。レンゲに麺を入れ食べてみたり片手にスープもう一方に甘めのシナチクを持ってる人もいる。それでよ…スープ飲んだ瞬間。レンゲが箸が手から落ちたりするんだよ。いやーあれは傑作だよ」
店主は、その時を思い出しながら噛み締めるように言う。
「それじゃあ、ウーメンの代金で醤油を買います。それだったら、大丈夫でしょう」
タスクは言うと、店主は頭をかき。体を脱力させる。
「ああ、それなら大丈夫だ、だが絶対に広めるなよ」
店主に言われ、タスクは頷く。
店主は片手で持てる瓶に醤油を入れその上から細長く伸びた管のような注ぎ口がついたものを閉め、上からウィスキーのキャップのような物をさらに絞める。
「これは、焦がし醤油とかに使うんだ。こっちの方が楽だからよ」
店主は笑顔で差し出してくれる。タスクはウーメン代をその場で払う。
「まいど」
店主の元気な声が倉の中に響く。
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