123 / 156
第二章 新世界と神々
ラーメン屋転生主-3-
しおりを挟む
「おお、そうかい。にいちゃんもわかってくれるかい。その顔見ればわかる」
店主はうんうんと噛み締めるように頷く。タスクは表情には出していない驚きを隠し得ない。
「お客さんを見ているとな、店に入る時、一瞬表情を曇っていたり、明るかったりするんだよ。人に会って何か嫌なこと言われたとか、いい結果が出たのか、単純に店にこれて嬉しいって喜んでいる。沈んでるお客さんが居れば、上げてやりたいし、期待してるお客さんがいればそれに応えなければってな」
店主はニカっと笑う。タスクはそれを受け、ドキッとして、後ろに少しのけ反る。
「そ、そうだ。醤油を売ってもらえないですか」
タスクは、話を逸らすのと、本心で言う。店主は物悲しい顔をする。
「それが出来ないんだ。醤油の販売権は…お前さんが行ったあの店にしかない」
店主は少し黙りまた話す。
「伝統的な醤油を守るため、販売権は独占するとよ。それでギルドに行ったりして話を聞いてもはぐらかされる。それで、販売について話したら断固拒否される。だからウーメンにして売っている———」
タスクは話を聞いて思う。
(確かに、塩、味噌はあったけど醤油はなかった)
店主は続けて話す。
「だから、醤油ウーメンはなく、ただウーメンと書いてあるだけのが醤油ってことだ。まず味が想像しやすい塩をたのむお客は多い。次に挑戦ということで、味噌。ウーメンを頼むのは本当物好きだ。それで、ウーメンを頼むお客は頼んでおきながら、がっかりするんだ。”ああ…海水だ”って顔をするんだよ。それで味が侵食されていない、シナチクやチャーシューを食う。そこまで塩辛くない。次に麺を食べる。味に深みがある。スープだけ、飲む。中々飲まなかったりする。レンゲに麺を入れ食べてみたり片手にスープもう一方に甘めのシナチクを持ってる人もいる。それでよ…スープ飲んだ瞬間。レンゲが箸が手から落ちたりするんだよ。いやーあれは傑作だよ」
店主は、その時を思い出しながら噛み締めるように言う。
「それじゃあ、ウーメンの代金で醤油を買います。それだったら、大丈夫でしょう」
タスクは言うと、店主は頭をかき。体を脱力させる。
「ああ、それなら大丈夫だ、だが絶対に広めるなよ」
店主に言われ、タスクは頷く。
店主は片手で持てる瓶に醤油を入れその上から細長く伸びた管のような注ぎ口がついたものを閉め、上からウィスキーのキャップのような物をさらに絞める。
「これは、焦がし醤油とかに使うんだ。こっちの方が楽だからよ」
店主は笑顔で差し出してくれる。タスクはウーメン代をその場で払う。
「まいど」
店主の元気な声が倉の中に響く。
店主はうんうんと噛み締めるように頷く。タスクは表情には出していない驚きを隠し得ない。
「お客さんを見ているとな、店に入る時、一瞬表情を曇っていたり、明るかったりするんだよ。人に会って何か嫌なこと言われたとか、いい結果が出たのか、単純に店にこれて嬉しいって喜んでいる。沈んでるお客さんが居れば、上げてやりたいし、期待してるお客さんがいればそれに応えなければってな」
店主はニカっと笑う。タスクはそれを受け、ドキッとして、後ろに少しのけ反る。
「そ、そうだ。醤油を売ってもらえないですか」
タスクは、話を逸らすのと、本心で言う。店主は物悲しい顔をする。
「それが出来ないんだ。醤油の販売権は…お前さんが行ったあの店にしかない」
店主は少し黙りまた話す。
「伝統的な醤油を守るため、販売権は独占するとよ。それでギルドに行ったりして話を聞いてもはぐらかされる。それで、販売について話したら断固拒否される。だからウーメンにして売っている———」
タスクは話を聞いて思う。
(確かに、塩、味噌はあったけど醤油はなかった)
店主は続けて話す。
「だから、醤油ウーメンはなく、ただウーメンと書いてあるだけのが醤油ってことだ。まず味が想像しやすい塩をたのむお客は多い。次に挑戦ということで、味噌。ウーメンを頼むのは本当物好きだ。それで、ウーメンを頼むお客は頼んでおきながら、がっかりするんだ。”ああ…海水だ”って顔をするんだよ。それで味が侵食されていない、シナチクやチャーシューを食う。そこまで塩辛くない。次に麺を食べる。味に深みがある。スープだけ、飲む。中々飲まなかったりする。レンゲに麺を入れ食べてみたり片手にスープもう一方に甘めのシナチクを持ってる人もいる。それでよ…スープ飲んだ瞬間。レンゲが箸が手から落ちたりするんだよ。いやーあれは傑作だよ」
店主は、その時を思い出しながら噛み締めるように言う。
「それじゃあ、ウーメンの代金で醤油を買います。それだったら、大丈夫でしょう」
タスクは言うと、店主は頭をかき。体を脱力させる。
「ああ、それなら大丈夫だ、だが絶対に広めるなよ」
店主に言われ、タスクは頷く。
店主は片手で持てる瓶に醤油を入れその上から細長く伸びた管のような注ぎ口がついたものを閉め、上からウィスキーのキャップのような物をさらに絞める。
「これは、焦がし醤油とかに使うんだ。こっちの方が楽だからよ」
店主は笑顔で差し出してくれる。タスクはウーメン代をその場で払う。
「まいど」
店主の元気な声が倉の中に響く。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
黒猫
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

破滅する悪役五人兄弟の末っ子に転生した俺、無能と見下されるがゲームの知識で最強となり、悪役一家と幸せエンディングを目指します。
大田明
ファンタジー
『サークラルファンタズム』というゲームの、ダンカン・エルグレイヴというキャラクターに転生した主人公。
ダンカンは悪役で性格が悪く、さらに無能という人気が無いキャラクター。
主人公はそんなダンカンに転生するも、家族愛に溢れる兄弟たちのことが大好きであった。
マグヌス、アングス、ニール、イナ。破滅する運命にある兄弟たち。
しかし主人公はゲームの知識があるため、そんな彼らを救うことができると確信していた。
主人公は兄弟たちにゲーム中に辿り着けなかった最高の幸せを与えるため、奮闘することを決意する。
これは無能と呼ばれた悪役が最強となり、兄弟を幸せに導く物語だ。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる