悪役令嬢女神が担当だが、神様からヨメを貰いました。

第二章 新世界と神々

ラーメン屋転生主-2-

　「保存がきいて、うまい物は俺は知っている。作り方も知っている。だけどな…だけど…こっち転生であってあっち転移からじゃない。だから体も顔つきも現地民だ。話を取り合ってくれない。しかも、発酵食品なんかもってのほか。すぐに取り掛かって自分でなんとかできるのは乾物だけだった…人が口に入れられるようになるまでかなりかかった。これができればスープは出来る。塩を見つけて麺を食べたらかなり美味しかった。その時は冒険者の時に稼いでいた金がすっからかんになってたからよ。冒険者に戻るか、ラーメン屋を出すか、瀬戸際だったな」
　店主はしみじみと言う。まだまだ店主は続けて話す。
　「怪物を倒すことは嫌だったが背に腹はかえられねー。一回ぐらい冒険者をして、お金を稼いだら、家賃も払えるだろうと冒険に出た…。その先で俺のラーメンを振る舞った。それが好評でな、これはなんだって、聞かれたからうー（ん）とため息ついていたら、そうかウーだなと言って他のやつが麺が入っているからウーメンかってなった。ラーメンと言い出せなかったし、そっちの方が言いやすかったり、覚えてくれるならってあえてウーメンでやったわけだ。そこから皆このうまいもんはどこで食べられるだの、お前が作っているならいつから食べれるだの色々質問されて、冒険が終わったら、店を開くと言った。そうしたら、あれよあれよと繁盛店さ」
　店主は過去を思い出すように自分の手を見つめている。
　「だから…懐かしい味がしたんだ」
　タスク呟くように言う。店主はにこやかにでも恥ずかしそうに指で鼻を擦る。
　「醤油作りなら逆方向の店もしてるけどあそこと一緒やらなかったのはなんでですか」
　タスクが聞くと一瞬にして空気が変わる。
　「あそこに行ってきたのか。おの出来損ない品が完璧に完成した物だと言い放った。足りない物が絶対にあるから作業工程を見せてくれて言ったら、綺語秘密だと。じゃあ、入っている物を教えてくれって言ったら、また企業秘密だと言われた。前に話したけどこっちの顔だ。あっちのことを知っていても、取り合ってくれなかった。それで商品を購入して、舐めてみた。豆の風味は少し、した後すぐに海水を飲んでるような感じになった。甘みもなく風味もすぐに無くなるこれは醤油じゃないと落胆した。それで自分で作り始めるのよ。足りないものはわかってた。麹だ。あんな、豆の風味がする、海水なんか出回わったら、日本の恥、本当の味をしている人ががっかりする———」
　店主は熱く語り、タスクは心の中で頷くのであった。