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第二章 新世界と神々
憧れの国-2-
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まずポーションを店主から遠ざけ頭の上に持っていき。もう一方の首にかけている片手を下す、まるで舞台で最後の別れのような構図だ。
タスクは、そのまま、お会計に向かう。
「おお、これば凄い長年悩まされた体のいたみがなくなったーーー」
店主は立ち上がり、しばらく、店内を歩く。
「すいません…」
タスクは感情を抑えて言う。
「おおすまんな、どれどれああこれか———」
店主は戻り、お会計を進める。上機嫌なのか、話が止まらない。
タスクは別にこの本を買わなくってもいいと思うようになっていた。店主は話の節々にいらん話を挟むからだ。
「———いやーお前さんは冷やかしで来てるんじゃないかって思ってね」
(だったら最初っから声かけて、案内しろ)
「———今度は体で訴えて来るし」
(あなたの目が悪いせいでは、あと体がゆうこときかなくって止まれなかったからでしょ)
「———変なモノまで飲まされるし、やれやれ」
(それのおかげで今ピンピンしてるんじゃないか)
タスクは支払いを済ませ、店を後にする。店主の元気のいい、挨拶で送り出されて。
(どこか座れるとこ…中央広場かな)
中央広場のベンチに腰をかけ、本をめくっていると、なにやら話しかけて来ている感じを受ける。
「———それさー、一時流行った本でしょ。それ、嘘しか載ってないらしいよ」
一人が喋り終えると、二人目が喋り出す。
「そうそう、そこに書かれている、冒険談みたいな所って無いみたいだし」
タスクは思う。これはこの本をダシに使って二人で喋っているのか。この本をダシに使って俺に話しかけているのかどっちなのだろう。もし前者だとしたら話に加わろうと思って喋りかけて否定されたら、凄く恥ずかしい。後者だとしたら、何か情報をもらえるかもしれない。
「それじゃあ…」
タスクは勇気を出して話す、二人はこちらを向いていることを確認して更に話すことに。
「この動物たちもいないってこと」
タスクは堂々とはしていないが自分の意見を伝えられたと自負している。
「ああ、見たことあるとか言う奴はいるな…」
一人が言うとまた二人目が喋り出す。
「俺が聞いた話は、鳴き声だったり吠えている声だって話だ。姿は見た事ないらしい」
二人は言い争うと言うより議論を繰り広げるのが好きなようだ。彼らは前者であり後者でもあったようだ。
二人の格好を見て、剣に杖、服は軽装、兵装ではない。冒険者のようだ。二人は仲間なのだろうか。
「二人は、よく二人でいるの」
タスクが、聞くと二人は怪訝な顔をする。
「悪い…議論出来る仲ならそれなりに…」
タスクが話すと、一人が口を開く。
「いや、急に俺達の仲を聞かれたからちょっとな…」
二人目が話し出す。
「そうだな、それはないよな…」
二人目が喋り終わり。タスクは考え出す。この間、静寂が流れる。
(まず、踏み込みすぎたか、こっちの世界の人は結構人慣れしていて答えてくれる感じだと思ったが、ここは一人に絞って聞いて、何か話したそうなら二人目、どっちにも当てはまりそうなら、それお聞けばいいか)
タスクはすぐに考えをまとめ、また話しすことにした。
「そうか、勘違いしてた…」
タスクは笑いながらそう言い、一人目に向き替える。
「その装いだと冒険者ぽいけど…何か大物とか狩ったりした」
また、踏み込んだ事を聞いてしまった感はあるが、ここが通れば、仲良くしやすい。ここは賭けに出る。
「あ、ああ…そうだな、あれは———」
一人目はこれまでの、冒険談を語る。その話の旨さに引き込まれるが、蓋を開ければ、大物はいない上に、近場の場所やダンジョンのことだった。相槌を打ちをしていたら話が飛躍して行く。
そろそろかなと言う時に、二人目にも。冒険談を聞く。待ってましたと話出す。一人目とは場所も、狩るモノも違う。これはあえて、違う場所のことを言っているのか、二人は好敵手で競い合う仲なのか。どちらであろう。
(あえてでも、好敵手であろうとも、二人の話が違うなら、素直に聞こうか)
タスクはすぐに伺いなく聞く。
「二人は切磋琢磨する仲なんだね…二人のパーティはどんな感じなの」
タスクは一人目の顔を見て話す。
二人と言ったが一人に聞く。さっきの事もあるが。二人とも同じパーティなら、一人がじゃべるだろうし、パーティが別々なら一人づつ聞けばいい。
「ああ、オレ達は…」
一人目が話し始めようとした時二人目が割って入ってくる。
タスクは、そのまま、お会計に向かう。
「おお、これば凄い長年悩まされた体のいたみがなくなったーーー」
店主は立ち上がり、しばらく、店内を歩く。
「すいません…」
タスクは感情を抑えて言う。
「おおすまんな、どれどれああこれか———」
店主は戻り、お会計を進める。上機嫌なのか、話が止まらない。
タスクは別にこの本を買わなくってもいいと思うようになっていた。店主は話の節々にいらん話を挟むからだ。
「———いやーお前さんは冷やかしで来てるんじゃないかって思ってね」
(だったら最初っから声かけて、案内しろ)
「———今度は体で訴えて来るし」
(あなたの目が悪いせいでは、あと体がゆうこときかなくって止まれなかったからでしょ)
「———変なモノまで飲まされるし、やれやれ」
(それのおかげで今ピンピンしてるんじゃないか)
タスクは支払いを済ませ、店を後にする。店主の元気のいい、挨拶で送り出されて。
(どこか座れるとこ…中央広場かな)
中央広場のベンチに腰をかけ、本をめくっていると、なにやら話しかけて来ている感じを受ける。
「———それさー、一時流行った本でしょ。それ、嘘しか載ってないらしいよ」
一人が喋り終えると、二人目が喋り出す。
「そうそう、そこに書かれている、冒険談みたいな所って無いみたいだし」
タスクは思う。これはこの本をダシに使って二人で喋っているのか。この本をダシに使って俺に話しかけているのかどっちなのだろう。もし前者だとしたら話に加わろうと思って喋りかけて否定されたら、凄く恥ずかしい。後者だとしたら、何か情報をもらえるかもしれない。
「それじゃあ…」
タスクは勇気を出して話す、二人はこちらを向いていることを確認して更に話すことに。
「この動物たちもいないってこと」
タスクは堂々とはしていないが自分の意見を伝えられたと自負している。
「ああ、見たことあるとか言う奴はいるな…」
一人が言うとまた二人目が喋り出す。
「俺が聞いた話は、鳴き声だったり吠えている声だって話だ。姿は見た事ないらしい」
二人は言い争うと言うより議論を繰り広げるのが好きなようだ。彼らは前者であり後者でもあったようだ。
二人の格好を見て、剣に杖、服は軽装、兵装ではない。冒険者のようだ。二人は仲間なのだろうか。
「二人は、よく二人でいるの」
タスクが、聞くと二人は怪訝な顔をする。
「悪い…議論出来る仲ならそれなりに…」
タスクが話すと、一人が口を開く。
「いや、急に俺達の仲を聞かれたからちょっとな…」
二人目が話し出す。
「そうだな、それはないよな…」
二人目が喋り終わり。タスクは考え出す。この間、静寂が流れる。
(まず、踏み込みすぎたか、こっちの世界の人は結構人慣れしていて答えてくれる感じだと思ったが、ここは一人に絞って聞いて、何か話したそうなら二人目、どっちにも当てはまりそうなら、それお聞けばいいか)
タスクはすぐに考えをまとめ、また話しすことにした。
「そうか、勘違いしてた…」
タスクは笑いながらそう言い、一人目に向き替える。
「その装いだと冒険者ぽいけど…何か大物とか狩ったりした」
また、踏み込んだ事を聞いてしまった感はあるが、ここが通れば、仲良くしやすい。ここは賭けに出る。
「あ、ああ…そうだな、あれは———」
一人目はこれまでの、冒険談を語る。その話の旨さに引き込まれるが、蓋を開ければ、大物はいない上に、近場の場所やダンジョンのことだった。相槌を打ちをしていたら話が飛躍して行く。
そろそろかなと言う時に、二人目にも。冒険談を聞く。待ってましたと話出す。一人目とは場所も、狩るモノも違う。これはあえて、違う場所のことを言っているのか、二人は好敵手で競い合う仲なのか。どちらであろう。
(あえてでも、好敵手であろうとも、二人の話が違うなら、素直に聞こうか)
タスクはすぐに伺いなく聞く。
「二人は切磋琢磨する仲なんだね…二人のパーティはどんな感じなの」
タスクは一人目の顔を見て話す。
二人と言ったが一人に聞く。さっきの事もあるが。二人とも同じパーティなら、一人がじゃべるだろうし、パーティが別々なら一人づつ聞けばいい。
「ああ、オレ達は…」
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