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第二章 新世界と神々

王と王子

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 タスクが山に行っている間、王国では、王と第二王子の会談が行われていた。
 「王よ、あの図書館はどうなっている。話は聞かず、融通も効かず、何より私を愚弄してくる———」
 スパキュラはまだまだ不満が止まらない。王は口を開く。
 「…それで君は何しに来たのかね」
 スパキュラは面を食らう。
 「何しに……ですから、図書館の事をどう…」
 スパキュラは憎しみを滲ませながら喋る。王は涼しげに返す。
 「…そう言うのは、私ではなく、ギルドに行くべきだ。それに我が国には図書館なんぞない」
 王は顔を変えず言う。スパキュラは口を半開きにし少し威圧感を感じる。すぐに不敵な笑みを浮かべ、ヘラヘラとしながらまた、饒舌に喋り出す。
 「王よ…何を、仰っているんですか…。広場があり、カフェがありそこに大きな、建物があるではないですか。毎日、毎日行列を作り、入るのも困難。王よ、貴方はあの場所を知らないと言うのですか」
 スパキュラは、最初は王を哀れみ、小馬鹿にしていたが次第に熱が入り、心酔していく。
 王は表情を変えず、スパキュラに言う。
 「あそこにあるのは修道院だ。決して、図書館ではない。賛美歌や懺悔に訪れる人が並んでいたのだろう」
 スパキュラは何を言っているのか理解ができない。王は続ける。
 「行ってみるといい、今の君には今一番必要な場所だろう。案内してあげなさい」
 王は、最後まで表情を変えない。
 隊長がスパキュラを連れて、図書館の場所にまで着いていく。
 建物の前は行列ができている。
 「すまない、ここを通してくれないか」
 隊長がそう言うと真ん中に道ができる。
 「すまんな、それでは王子行きましょう」
 建物の中に入ると、目の前に大きな十字架あり、後光がさしているような、装飾がついている。その前に床から一段高くなっているステージがあり、賛美歌を歌っている。歌を聴きに来ている人は椅子に座り、静かに聞いている。懺悔室には行列ができている。
 (ど、どうなっている。ここは、図書館だった……そうか、俺を騙そうとしているのだな。そうだな、俺が帰っている間にここを変えたんだ………そういえば———)
 スパキュラは不敵に笑い出す。
 (そうだ、司書の格好は修道女シスターだった。そうゆうことか)
 スパキュラはシスターに不躾に質問をして回る。
 人の列に割り込み、案内する者に。賛美歌を歌っている、場所に乗り込み聞いたり、見て居る者に聞いたりする。
 (何故だ、何故俺の話お聞いてくれない)
 スパキュラは教会にいる人に、追い出されるようにして、教会を出される。
 騎士を連れ、帰る途中見かけたことがある者が門から出て来る。
 (あの者なら知っているはず)
 冒険者の中に入っていく姿を見た、スパキュラは追おとする。
 「スパキュラ王子そちらの冒険者にようがあるのですか」
 騎士は王子を止める。これ以上、王国に迷惑をかければ王国間で、問題になるかもしれない。
 「ああ、ある」
 スパキュラは王国中に聞こえるぐらいに声を荒げる。
 「いない、いない、いない。お前のせいで見失ったじゃないか。クソがーーーーー」
 冒険者をかき分け、跳ね除け、見て回るがタスクの姿はない。
 
 
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