悪役令嬢女神が担当だが、神様からヨメを貰いました。

第二章 新世界と神々

横道に逸れぬなかれ-2-

　足跡を追って行くと、鹿が見える。遠距離武器の持ち主は居なそうだ。居ても、派手な、魔法使いしか居ない。これはなかなか難しい。
　「しかだ」
　「鹿だ」
　皆、野生の鹿に興奮している。
　魔法使いに、野生の動物にバレない風の魔法を教える。木の枝に向かって放つように言う。何回かやって綺麗に切れる。太い枝を切ったため、鹿は逃げて行く。
　皆、ため息をつき、魔法使いは落ち込んでしまう。
　「鹿の足跡はもう、わかるだろ。追おう」
　彼らは頷く。
　また足跡追って見つける。
　さっき、覚えた魔法を使い鹿三頭のうち二頭の頭を飛ばす。
　「やったー」
　彼らは歓喜する、祝福するように羽音をたて、鳥は飛び立つ。
　タスクは大声を出してもいいだろうと、皆に水を差す。
　「…おめでとう。俺は鹿の血抜きと内臓を取り除く。皆も疲れたと思うから休憩にしないか」
　そう言うと、皆各々水を飲んだり、日陰で駄弁ったり、休息を取っている。
　鹿の処理を終える。
　（よし、これを閉まって）
　タスクは山の家に送る。皆を見ると二人足りない。
　「あれ、戦士、主盾は…」
　前衛がいなくなった。皆に聞いても。
　「知らない」
　「どこ行ったんだろう」
　と詳細な情報はもらえない。このまま聴き続けても、問い詰める形になってみんなの士気が下がるだけだ。鹿の時のように、足跡を見つけることにする。
　「足跡を見つけたら大声で教えてくれ」
　タスクは地面を食い入るように見る。
　「あったー，あったよー」
　魔法使いが見つける。
　確かに、靴の跡が残っている。歩いた先円形状に周りを踏み荒らされていてどの方向に行ったのかわからなくなっている。
　（草が斜めに切られている）
　草が切られながら進んだ獣道には微かに靴の跡が残されている。
　「この先に居そうだ、また俺が後から…」
　皆、置き物のように固まっている。確かに先頭を行くのは怖い上、後衛なら尚更だろう。
　「大丈夫。俺が前に立ったら前しか守れない後ろにつけば俺は前も見えるし、後ろから来た時、俺が一番最初に狙われる」
　タスクは余裕をかもしながら言う。皆、は納得してくれておらの前に立つ。
　「魔法使いは正面、槍は左、聖職者は右を見てそうすれば、前はからくるやつは大体見えるから、よし行こう」
　そのまま進んだ先に洞窟に真っ直ぐ伸びる獣道。洞窟の中か立ち寄った事は間違いない。警戒のため地面を強めに蹴り後方に波状に何本ものものを円状に広げていた。何か当たった気配がある。当たったのは四箇所、腕の大きさは、鹿より太い。これはまずい。相手が気づいているかわからないがここは急いだ方がいい。
　「皆、後ろから何か来ている。早足で、洞窟に向かおう」
　洞窟に向かう足取りを早くすると、後方の相手も速くなる。