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出会いと別れ

招待

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 今度はこの底なし沼のそこに魔力をたらし込み誘い込む仕掛けにした。
 「スレッジ、ちょっとは警戒といていいよ。ここまでにくるのに5mはあるから空を飛べる奴しかこれないから」
 スレッジは周囲を見渡たして、魔力岩を背もたれにして落ち着こうとした。
 「……っ」
 スレッジは飛び上がりタスクを見る。
 「なんだ、これは。よくこれを背もたれに使えるな」
 どうやら、魔力岩を背もたれに使うと、悪寒がして冷や汗と小さい針で、1秒間に300回ぐらい高速に刺される感覚になるらしい。
 「魔力をすごい使ったからね。俺も悪寒がしてきたよ」
 タスクは立ち上がり、背伸びをした。体がよろめき、立ちくらみだ。あれだけの魔力を使ったのだ立ちくらみだけで済んでよかった。
 魔力に引き寄せれるように三体の怪物が見える。丁度月の光が当たる。二足歩行の痩せ細った犬だ。
 一匹目は、手前に落ち。二匹目は一匹目の手前に落ちた。三匹目は二匹を乗石し一匹目が落ち始めているので思いっきり踏みつけ行き良いよく跳ぶ。高さ3mぐらい跳ね上がりそのまま攻撃体制になる。
 タスクは弓を引き、頭部、胸の中心線を狙いすぐさま打つ。
 矢は外れ右肩に当たる。犬はすぐさま左腕をムチのようにしならせ、ひっかいてくる。
 タスクは土下座のように姿勢を低くとる。
 「ギャャ」
 タスクの背中に痛みが走った後すぐに風を感じる。土が舞う匂い。犬の圧力、圧迫感が薄れる。
 「立ち上がれ、タスク」
 痛みに耐えながら、手で傷口を探す。
 (これならなんとかなるかな…問題は菌が入って無ければ良いんだけど)
 スレッジは犬の前で陣取る。お互いに威嚇しあっている。犬の迫力。スレッジの威圧。どちらもしさまじい。
 タスクはすぐに弓を引く。怪我のせいか手が震え狙いがつきにくい。それでも集中して、なんとか…。
 犬が飛び上がりスレッジを軽く越し、タスクを狙ってまたひっかく、体勢に入る。    
 タスクはこう願いながら。瞬時に相手に合わせ弓を射る。
 (心臓または脳の近くだったら、皮膚を貫通したら球体になってお願いだから…心臓か脳を潰してくれ)
 肺辺りにあたりその後すぐに糸が切れたかのように倒れ込む。タスクの目の前を伸びた手が落ちていく。
 タスクも緊張の糸が切れへたり込む。出血もなかなかで足元は血で水溜り状態だ。止血をするためまず毒を消したい。水魔法を使って洗い流す。その際毒の浄化も願いながらするとかなりの魔力が奪われる。
 足をよろつきながら黒い岩に肩をぶつけ、引きずりながら腰を据える。
 (条件をつけてやるとこんなにも魔力が吸われるのか、不可しかなものほど魔力は取られる感じか)
 水魔法を使い、浄化した後、火魔法でさっと傷口をふさぐ。
 「ぐっ…」
 スレッジが近づいてくる。
 「ああやったのか…大丈夫か——」
 タスクは肩で息を吸う。スレッジに顔を向けて、返事をする。
 「ああ、あはは。頭がぼーっとするけど大丈夫かな」
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