悪役令嬢女神が担当だが、神様からヨメを貰いました。

出会いと別れ

一歩前に残る影

　リリーファが「本って面白いの…」と聞いてくる。「面白いというか、知識が増えるのが面白いっていゆうか」と応えると、続けて、「私、そろそろマトンセットに帰ろうかなって思ってるんだ」こちらを見つめ、笑顔で声をかけてくれる。どこか悲壮感を感じる。タスクは、驚きながら「あっえ、うん、マトンセットに行かせてもらうよ。また会おう」という
　リリーファは頷き、家から出ていく。これでしばらくは会えないだろう。
　「図書館に行くのか。また依頼に出かけないか」
　スレッジは背中を向け物悲しそうに机を見つめながら喋る。
　「ごめん…図書館が後、6日しかないんだ。すぐ行って帰って来れればいいけど…」
　タスクはそう言って、サックを担いで準備を整えていると、スレッジは深く息を吸い静かに息を吐く。重苦しい時間が流れ、両者とも声を出さず時が流れる。
　「それじゃあ…」
　「いや、今日の依頼は…」
　二人同時に喋り出す。しかし二人の思いは重ならず、言葉がすれ違う。また重い。
　「図書館に行ってすぐに帰ってくるよ」
　タスクはそう言い急いで図書館に行く。
　図書館はまた慌ただしく司書さんが本を運んでいる。昨日より、本がだいぶ減っている。棚を見て、隙間が空いている。こんな短時間でこれだけ片付けられるのは魔法か力持ちぐらいだろう。司書の皆細身の人が多いのだから驚きだ。
　受付の司書さんに話しかけ、この前の本の10頁ページ分の印拓をもらいすぐに、家に帰ると、スラッジの姿がない。ギルドに向かう途中、横の道を見たりしたがいなかった。そうこうしているうちに、キルトにつき、スレッジの姿がなく、胸をざわつかせながら、受付に話を聞いてみる。
　「スレッジ、来ませんでした」
　受付の子は目をまんまるにして、きょとんとしている。
　「スレッジさんですか…ちょっとわからないですかね」
　スレッジがわからないのか。ギルドに来てないのか、どっちなのか受付の子の反応がわからない。タスクはスレッジの特徴の前に2本後ろに一本の三つ編みの男だと説明すると、どうやら来ていて、パーティに参加してたみたいだ。
　「ああ、そうなんだ…うんありがとう、お世話になりました」
　お礼を言い、ギルドを出る。トボトボと足取り重く家に着く。
　今日もらった、印拓を見てスレッジを待つことに。
　掃除をしながら、気を溜めたり、魔力の流れを感じながらやる。
　持っている印拓を3周しても帰って来ない。焼飯を作って待つことにした。