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出会いと別れ
キノコとはなんとゆうものか-2-
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「少し嗅がせてください…これだ、このにお、ん」
瓶からこぼれ出たソースが紳士の手に触れる。瓶をそっと置き、ハンカチで丁寧にソースが微塵も残らないように拭く。中々取れないのか時間がかかっている。タスクは待ちぼうけてる。
「ん、ん~ん…うま、うまい、うま、うーまい。ーー」
紳士は小さく声で呪文を唱える如く、呟いている。拭いていた手を急に力が抜け、少しまえのめりになる。腕を振りこのように揺れている。揺れは徐々におさまっていく。腕が綺麗に平行線になった時に。
「なんですかーこのソー~ースこの底が見えない深いコク。香りたつ何にも変えられない絶対的な存在。わからなーいなんなんだこれは~。ぶどう酒、酸味が強いぶどう…葡萄酢、なのかだが塩胡椒はわかるだがあと三つ、いや二つだ。二つは入っている。これは……」
興奮し大声を出したと思えば自問自答のように呟き出す。
「それじゃあ、正か…」
タスクがソースのミソを喋ろうとすると紳士は、顔の前に人差し指を出されてそのまま、口に持っていく。
「それを言ったらつまらないじゃないか」
紳士は、手を戻し、顎に手を当てる。また静かに呟き出す。このままでは埒が明かない。
「すみません…ロードシルト卿。こちらでよろしかったですか」
机の上に岩茸が置かれている。少し臭いがする程度だったが、周囲の反応は顔を顰める。鼻をつまむものもいた。
「そうだ、キノコだ。キノコだよぉ。この匂い、この風味。もちろん頂いていく」
また、興奮している。
「キノコだろ~」
タスクの顔前により目を見開き笑みを浮かべる。タスクはのけぞり答える。
「正解です」
シルト卿は、タスクから離れ、体を揺らし足はステップをふんでいる。
「あのー…」
受付の子は待たされ、呆れている。
「わかっている。今、食の向こうが側に私は今、まさに、立っている。この感動この荒ぶり抑えられるわけないだろう」
シルト卿は受付の子のことばを遮ぎり、早口で品がありながらまくしたてる。
その後、すぐに岩茸を取り、タスクに話しかける。
「キノコのソースは私が売ってあげよう。私の店がマトンセットにある。そこにくればいい…ん、これは、リリーファ嬢ではありませんかー、ご機嫌麗しゅう」
シルト卿はリリーファに気づき声をかける。シルト卿は親しく話すがリリーファは躊躇して押されている。
「私,この後用があるので」
リリーファはそう言うと、ギルドから出ていってしまった。
「あ、ああ、行ってしまった。それではソースの件待っていますよ。私も暇ではないのでこれで失礼するよ」
(ああ、キノコとはなんとゆうものなのか)
シルト卿は嬉しそうに帰っていった。
瓶からこぼれ出たソースが紳士の手に触れる。瓶をそっと置き、ハンカチで丁寧にソースが微塵も残らないように拭く。中々取れないのか時間がかかっている。タスクは待ちぼうけてる。
「ん、ん~ん…うま、うまい、うま、うーまい。ーー」
紳士は小さく声で呪文を唱える如く、呟いている。拭いていた手を急に力が抜け、少しまえのめりになる。腕を振りこのように揺れている。揺れは徐々におさまっていく。腕が綺麗に平行線になった時に。
「なんですかーこのソー~ースこの底が見えない深いコク。香りたつ何にも変えられない絶対的な存在。わからなーいなんなんだこれは~。ぶどう酒、酸味が強いぶどう…葡萄酢、なのかだが塩胡椒はわかるだがあと三つ、いや二つだ。二つは入っている。これは……」
興奮し大声を出したと思えば自問自答のように呟き出す。
「それじゃあ、正か…」
タスクがソースのミソを喋ろうとすると紳士は、顔の前に人差し指を出されてそのまま、口に持っていく。
「それを言ったらつまらないじゃないか」
紳士は、手を戻し、顎に手を当てる。また静かに呟き出す。このままでは埒が明かない。
「すみません…ロードシルト卿。こちらでよろしかったですか」
机の上に岩茸が置かれている。少し臭いがする程度だったが、周囲の反応は顔を顰める。鼻をつまむものもいた。
「そうだ、キノコだ。キノコだよぉ。この匂い、この風味。もちろん頂いていく」
また、興奮している。
「キノコだろ~」
タスクの顔前により目を見開き笑みを浮かべる。タスクはのけぞり答える。
「正解です」
シルト卿は、タスクから離れ、体を揺らし足はステップをふんでいる。
「あのー…」
受付の子は待たされ、呆れている。
「わかっている。今、食の向こうが側に私は今、まさに、立っている。この感動この荒ぶり抑えられるわけないだろう」
シルト卿は受付の子のことばを遮ぎり、早口で品がありながらまくしたてる。
その後、すぐに岩茸を取り、タスクに話しかける。
「キノコのソースは私が売ってあげよう。私の店がマトンセットにある。そこにくればいい…ん、これは、リリーファ嬢ではありませんかー、ご機嫌麗しゅう」
シルト卿はリリーファに気づき声をかける。シルト卿は親しく話すがリリーファは躊躇して押されている。
「私,この後用があるので」
リリーファはそう言うと、ギルドから出ていってしまった。
「あ、ああ、行ってしまった。それではソースの件待っていますよ。私も暇ではないのでこれで失礼するよ」
(ああ、キノコとはなんとゆうものなのか)
シルト卿は嬉しそうに帰っていった。
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