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新世界と月の光

隣国 マトンセット-10-

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 皆で協力しながら、料理を作る。豚ロースを沸々とした油に入れる。パチパチと鳴らないぐらいの温度で保つ。その間にソースを作る。キノコを洗い、細かく切り軽く炒めたら、取り出し赤ワインを煮ただしアルコールを飛ばした後、バルサミコを入れ風味と酸味が出たら、塩胡椒で整える。そこにキノコを加え、混ぜたら出来上がり。
 豚ロースを切って見てみると火が入っている。ソースを合わせて、出来上がり。
 豚ロースのコンフィ 葡萄のソースを思いっきりかけて。
 付き合わせに、サラダを用意した。
 肉を、口に運ぶ。ソースの内容を知っているのにこの複雑さ、そこまで酸味が強いわけでもなく、渋さも強くない。まろやかで、深い味わい。なんて、上品なんだ。
 「これは、な,何を入れたんだ」
 スレッジは驚いている。
 「赤ワインのソースは食べたことはある、でもこんなに風味がよく…なんだこれは」
 スレッジは知っているはずソースの味なのに、自分の舌、脳、目を疑った。知識欲なのか、単に疑問なのかわからないが相当、興奮している。
 「それは…」
 タスクが喋り出そうとするともう一人、興奮冷めやらなく言葉を掠め取る。
 「なにこれ、なにこれ、なにこれ。こんなに美味しいソース食べたことない。えっ、えっ、もしかして…」
 今度はタスクが掠め取った。
 「キノコだよ。ソースのつぶつぶ食べてみて」
 二人揃って食べ、二人揃って喋る。
 「これだ」
 タスクはどうだ見たかとゆうようなニッマリとした、顔で二人を見る。二人は目を見開き顔を見合わせる。スレッジは分が悪そうにうつむき。リリーファはそっぽを向いている。二人はボソッと凄いなキノコと呟いた。
 タスクは早々に眠りについた。
 起こされると一面に星が散りばめられてる。
 「起きて、時間だよ」
 リリーファに優しく起こされる。
(ああ、こっちだと天の川も見れるんだな)
 「うん…ありがとう。それじゃあ変わるね」
 リリーファにお礼を言い、火の当番をしているスレッジの元に向かった。
 「スレッジ変わるよ。お肉柔らかくっておいしかった」
 タスクはお礼を言うと、スレッジはその場で横になり腕を三角にし手で頭支える、涅槃像のように。スレッジはゆったりしている。
 「それにしても、キノコがあんなにソースをうまくするとは思わなかった」
 スレッジはしみじみ喋る。隣に知らない間にリリーファが座っていた。
 「本当にびっくりしたーあんなに変わるなんて…きのこさまさまだよ」
 リリーファは同意をする。
 「ははっこれは恐悦至極にござります」
 スレッジとリリーファは目を丸くして驚いている。
 「どうした、そんなにかしこまって。王にでもみえたか」
 リリーファはスレッジの言葉を受け返して来る。
 「それじゃあ私は王女様かしら」
 タスクは笑ってしまった。
 「ははっひひひひゴメン、こうゆうこと仲が良い人同士言わない」
 二人はまた、驚かされている。
 「言わないな」
 「言わない」
 二人は即答で返す。夜は更けてゆく。
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