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戸惑いと発見

知らなくてはいけないこと-9-

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 無事キノコの依頼を受け、颯爽と門まで行く。
 門が開かれ、マトンセットお王国の方に向かう。方向としては西だ。薬草取りやかくれみのに使った盛りを過ぎると。南に山がある。俺はスレッジに問う。
 「あれ,登る」
 スレッジは頷き。
 「近くにあるなら麓でいいが上に登った方が出会える確率は上がる」
 二人は歩みを止めず、のどかな自然を歩き、風を浴び、砂ホコリを被りつつ、何も起きず山の入り口に着く。
 スレッジは荷物を置き出す。サックを置きイス代わりにする。俺もサックを椅子にする。
 「この辺で一回休もう。今日は…下の方を探してまたここにテントを立てよう」
 石を集め、下にひく。周りに大きめの石を囲い焚き火場が出来た。少し軽食を取り、山に入る。
 ここには熊や猪、鹿がいるみたいだ。捕まえたいのはやまやまなのだが警戒心が強くあえるかわからない。
 日が沈み出してたので焚き火場に帰ることにする。さほど離れた場所ではないのですぐに戻れた。帰り際に小枝、葉っぱを拾い、拠点に戻る。
 俺はテントを立てるのを手伝い、枝を立て、中に葉っぱを入れる。その間スレッジは火種を作る。
 火種はまだかかりそうだ。俺は朽ちて折れた、木を探しに行くことに。すぐ見つかったがなかなか重い。なんとか引きずって拠点に戻り、額の汗を拭う。そのまま前を見つめていると、先程依頼を受けていたパーティが帰っていく。野菜を持っている。大根の葉を縛り肩からぶら下がっている。キャベツをお手玉にする者、いもをムチにする者、人参を食べてる者がいる。
 火種ができたのか木が組まれた中に入れる。葉っぱがじわりと燃え赤く縁取られながら徐々に黒く染まっていく。その頃には火が移り、火柱が立つようになる。
 火が落ち着いて枝が白くなり時折燻っているいる火が鼓動のように赤く光る。空いている辺りに丸太を置き、上に赤い枝をかぶせる。段々と煙がたちこむ。
 噎せながら風をおこす。火が強くなり綺麗に燃えている、これなら料理ができそうだ。
 野菜炒め肉入りニンニクマシマシ味の決め手は塩胡椒。隠し味に味噌を少々入れる。野菜の蒸気に乗って美味しい匂いがあたりに充満する。
 俺の股に違和感を感じる。
 「すご~い、美味しそう。えっ何が入ってるのコレ」
 突然のことで二人とも動けない。
 「ねっ……」
 二人とも声がする方から避けるように下がる。
 (女の…子)
 女性は確定していたがこんなに幼いとは思わなかった。
 「焦げちゃうよ、コレー」
 とりあえず、大丈夫のようだ。野菜炒めを取る。
 「お皿三つある?何ならのからもらおうかな」
 俺の分がすぐなくなるかもしれない。
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