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戸惑いと発見

知らなくてはいけないこと-5-

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 司書はスパキュラに対して言う。
 「ここが気に入らないのでしたら、しばらくここには寄らない方がいいですよ」
 スパキュラはうつむき呟く。
 「僕のことを誰だと思っている」
 司書は間髪入れずに答える。
 「ベルムンクの第二王子、武術、格闘術にもたけ王に愛され、旅に出ることもゆるされていて、王子なのに苦労を重ねてる方…」
 スパキュラは先ほどの憤怒はどこえやら顔を上げそうであろうと頷きを繰り返す。
 「ああ、その通りだとも、私は次期王、だから貴方達も気をつけたほうがいいぞ…」
 司書は割って入る。
 「それは困りますね」
 司書は平然とした顔で言う。
 「それは表向きでしたね。ベルムンクの王は第三王子に継がせようと思ってるって聞きましたよ」
 スパキュラの顔がみるみる暗くなっていく。
 「第一王子は裏方に回るため勉学に励んでいて、情勢を見るため、今は旅をしているとか。第三王子はいまや王の側近として学んでいるようですし…」
 司書はスパキュラの顔見る。うつむき真顔で一点を見つめている。
 司書はフッとほくそ笑み、話を続ける。
 「第二王子は甘えん坊で使用人に無理難題や罵倒が好きで有名で、城内にいる使用人は次々やめていくし、集めようとするも噂は広がっていて、使用人は集まらない…」
 スパキュラは目を泳いでいる。急に顔を上げる。まさにもがき苦しみながら水中から出てきたように口を開けて、大きく深呼吸している。
 (だからあの時、使用人がお父様を語って旅の許可を出したのか、お父様にも聞いたが、心よく、送り出してくれた…)
 スパキュラは苦虫を噛んだような表情で司書を睨みながら聞く。
 「私は…私は、王に民に嫌われているのか」
 司書は平然と答える。
 「噂でしかありま…」
 「白を切るな、本当のことを知っているのだろう。白々しい」
 スパキュラは最初ほど勢い良かったが徐々に声が弱々しくなって顔は年老いて見え、背は猫背になり誰もが見ても初老の男性だ。どこか自分に心当たりがあるようだ。

 タスクは魔力がありそうな場所を探していた。今まで行ったところでありそうなところ…。
 俺は公園に行くことにした。魔力源がなくても、文書を読むなら静かで涼しい場所の方がいい。
 公園につき、カフェがある通りに向かうことにした。向かう道中は平和だった。花は綺麗に咲き、葉っぱは色づき、絵を描いている人もいる。
 カフェ通りにベンチが一つ置いてある。周りは青々しく、幻想的だ。俺はここで文章を読みつつ、魔法を使ってみることにした。
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