26 / 156
戸惑いと発見
知らなくてはいけないこと-5-
しおりを挟む
司書はスパキュラに対して言う。
「ここが気に入らないのでしたら、しばらくここには寄らない方がいいですよ」
スパキュラはうつむき呟く。
「僕のことを誰だと思っている」
司書は間髪入れずに答える。
「ベルムンクの第二王子、武術、格闘術にもたけ王に愛され、旅に出ることもゆるされていて、王子なのに苦労を重ねてる方…」
スパキュラは先ほどの憤怒はどこえやら顔を上げそうであろうと頷きを繰り返す。
「ああ、その通りだとも、私は次期王、だから貴方達も気をつけたほうがいいぞ…」
司書は割って入る。
「それは困りますね」
司書は平然とした顔で言う。
「それは表向きでしたね。ベルムンクの王は第三王子に継がせようと思ってるって聞きましたよ」
スパキュラの顔がみるみる暗くなっていく。
「第一王子は裏方に回るため勉学に励んでいて、情勢を見るため、今は旅をしているとか。第三王子はいまや王の側近として学んでいるようですし…」
司書はスパキュラの顔見る。うつむき真顔で一点を見つめている。
司書はフッとほくそ笑み、話を続ける。
「第二王子は甘えん坊で使用人に無理難題や罵倒が好きで有名で、城内にいる使用人は次々やめていくし、集めようとするも噂は広がっていて、使用人は集まらない…」
スパキュラは目を泳いでいる。急に顔を上げる。まさにもがき苦しみながら水中から出てきたように口を開けて、大きく深呼吸している。
(だからあの時、使用人が王を語って旅の許可を出したのか、お父様にも聞いたが、心よく、送り出してくれた…)
スパキュラは苦虫を噛んだような表情で司書を睨みながら聞く。
「私は…私は、王に民に嫌われているのか」
司書は平然と答える。
「噂でしかありま…」
「白を切るな、本当のことを知っているのだろう。白々しい」
スパキュラは最初ほど勢い良かったが徐々に声が弱々しくなって顔は年老いて見え、背は猫背になり誰もが見ても初老の男性だ。どこか自分に心当たりがあるようだ。
タスクは魔力がありそうな場所を探していた。今まで行ったところでありそうなところ…。
俺は公園に行くことにした。魔力源がなくても、文書を読むなら静かで涼しい場所の方がいい。
公園につき、カフェがある通りに向かうことにした。向かう道中は平和だった。花は綺麗に咲き、葉っぱは色づき、絵を描いている人もいる。
カフェ通りにベンチが一つ置いてある。周りは青々しく、幻想的だ。俺はここで文章を読みつつ、魔法を使ってみることにした。
「ここが気に入らないのでしたら、しばらくここには寄らない方がいいですよ」
スパキュラはうつむき呟く。
「僕のことを誰だと思っている」
司書は間髪入れずに答える。
「ベルムンクの第二王子、武術、格闘術にもたけ王に愛され、旅に出ることもゆるされていて、王子なのに苦労を重ねてる方…」
スパキュラは先ほどの憤怒はどこえやら顔を上げそうであろうと頷きを繰り返す。
「ああ、その通りだとも、私は次期王、だから貴方達も気をつけたほうがいいぞ…」
司書は割って入る。
「それは困りますね」
司書は平然とした顔で言う。
「それは表向きでしたね。ベルムンクの王は第三王子に継がせようと思ってるって聞きましたよ」
スパキュラの顔がみるみる暗くなっていく。
「第一王子は裏方に回るため勉学に励んでいて、情勢を見るため、今は旅をしているとか。第三王子はいまや王の側近として学んでいるようですし…」
司書はスパキュラの顔見る。うつむき真顔で一点を見つめている。
司書はフッとほくそ笑み、話を続ける。
「第二王子は甘えん坊で使用人に無理難題や罵倒が好きで有名で、城内にいる使用人は次々やめていくし、集めようとするも噂は広がっていて、使用人は集まらない…」
スパキュラは目を泳いでいる。急に顔を上げる。まさにもがき苦しみながら水中から出てきたように口を開けて、大きく深呼吸している。
(だからあの時、使用人が王を語って旅の許可を出したのか、お父様にも聞いたが、心よく、送り出してくれた…)
スパキュラは苦虫を噛んだような表情で司書を睨みながら聞く。
「私は…私は、王に民に嫌われているのか」
司書は平然と答える。
「噂でしかありま…」
「白を切るな、本当のことを知っているのだろう。白々しい」
スパキュラは最初ほど勢い良かったが徐々に声が弱々しくなって顔は年老いて見え、背は猫背になり誰もが見ても初老の男性だ。どこか自分に心当たりがあるようだ。
タスクは魔力がありそうな場所を探していた。今まで行ったところでありそうなところ…。
俺は公園に行くことにした。魔力源がなくても、文書を読むなら静かで涼しい場所の方がいい。
公園につき、カフェがある通りに向かうことにした。向かう道中は平和だった。花は綺麗に咲き、葉っぱは色づき、絵を描いている人もいる。
カフェ通りにベンチが一つ置いてある。周りは青々しく、幻想的だ。俺はここで文章を読みつつ、魔法を使ってみることにした。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

領地育成ゲームの弱小貴族 ~底辺から前世の知識で国強くしてたらハーレムできてた~
黒おーじ
ファンタジー
16歳で弱小領地を継いだ俺には前世の記憶があった。ここは剣と魔法の領地育成系シュミレーションゲームに似た世界。700人の領民へ『ジョブ』を与え、掘削や建設の指令を出し、魔境や隣の領土を攻めたり、王都警護の女騎士やエルフの長を妻にしたりと領地繁栄に努めた。成長していく産業、兵力、魔法、資源……やがて弱小とバカにされていた辺境ダダリは王国の一大勢力へと上り詰めていく。
※ハーレム要素は無自覚とかヌルいことせずにガチ。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。


悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)


クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる