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戸惑いと発見

知らなくてはいけないこと-3-

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 俺は顔を上げるとそこには顔の部位がハッキリとした真顔がいた。慌てて仰け反ると,美形とわかる。
 美形は姿勢を直しモデルのポージングを極めている。
 「私の言っていることがわかるか」
 俺はさっぱりわからない。美形の声など耳に入っていないからだ。
 「いや、わからない」
 美形は眉をひそめて吊り上げている、そして体は脱力し、指先はしだれた植物のように垂れている。
 彼は白い軍服を着て勲章をいくつかついているがリボンバーがついていない。そんなには任務には出ていないのだろうか。
 彼は貧乏ゆすりしてサーベル…いやレイピアを鳴らし威嚇をしている。面倒なやつに絡まれた。
 俺は頭を抱えた心の中で。彼自身相当の自信家で傲慢。話せばわかってくれるだろうか。風貌からしていいところの出だ。少し警戒して行こう。
 「え~と、わたしの名前はタスクと言います…」
 多分彼は返事を返さないであろうが礼儀、社交辞令をしなければいけない。
 「…あなたのお名前は」
 彼はムッとして美形の顔がさらに崩れる。
 「私のことを知らないのか」
 彼は急に笑みを浮かべ、華やかさが増し、声高らかに喋り出す。
 「まあいいだろう。貴様のような者は知らないであろう」
 彼はまたモデルのようなポージングをして、フリーズしてる。
 (会話にならないし、早くどっか行ってくれないかな。こっちは遊んでいる時間ないのに)
 俺は小さくため息をした後に,彼に気づかれる前に鼻から息を吸う。深呼吸をしてるように見せ、俺は彼を無視して、本と向き合う。
 はたから見たら、何が起こっているのか、何がおこるのか興味津々だ。
 俺は目の前にいる存在に集中できないでいるが、ここで顔や話しかけたら負けだ。彼との根比が始…。
 「私は貴様に興味を持っている」
 俺は,本を見続ける。
 (先に喋った)
 彼は弱々しい声から激動的に喋り出す。
 「なぜ…なぜ、君は僕を無視をする」
 俺はこう言うやつが、どれほど面倒くさいか知っている。へんに関わると嫌なこともやらされた後、主犯になすりつけられたりする。信用、信頼を築き上げても、結局利用されるだけだろう。
 俺はある程度、見れたので司書さんの所へ、行って本を写せるのか聞くために、立ち上がる。
 「名前を教えてくれない方に,信頼は置けません。貴方が私に対して何かしようと私は貴方のことを知らないと言います。それでは、失礼」
 俺はそう言って歩き出す。すると、腕を掴まれる。
 彼はしょうがないと渋々話し出す。
 「スパキュラだ…スパキュラ・エンドリッヒ」
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