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戸惑いと発見

知らなくてはいけないこと-2-

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 俺は一息つき周りを見渡す。
 黒を基調にしていて天上も黒くどこまで高いのか想像も出来ない。天井から垂れ下がるランタン状のライトがある。足元は見えるが不安になるぐらい暗い。机の上には各席ごとにテーブルランプが置かれている。
 俺は立ち上がり、受付の司書さんに魔法に関する本を聞く。
 司書さんは「ちょっと待って下さい」と言い、本を取り出し、詠唱し始めると本が勝手にめくれていく。めくれるのと同時に文字が浮かんでいる。詠唱が終わり、メモ帳のような物が浮いていた、そのメモ帳に文字が入っていく。
 司書さんがお待たせしましたと、紙を渡される。
 俺はその紙を触れると、なんとなく、ある場所がわかる。そして悩むように考えると、白い球が現れ案内するように導いてくれる。驚いたが司書さんに聞かなければいけないことがあった。
 俺は司書さんに表にいる警固役の事を言うと、司書さんは驚き、みるみる顔が変わっていった。
 「報告ありがとうございます。すぐに衛兵を呼びます」
 司書さんはそう言うと詠唱を始めた。すぐに呟く、衛兵と話しているのだろう。お辞儀をし、礼を済ませて、魔法の本を探す。
 まずは転移魔法の系統のものを探す。白い球を追っていき、置いてある棚を見つけ、本を手に取った。
 「有った」
 俺は初めておもちゃをもらった時のような感動をおぼえた。隣に目を向けると、オークでもわかる、魔法の基礎の本というものがあった。それも手に取り、一旦席に戻り読むことにした。
 まずは、転移魔法の本を読む。誰でも知っている魔法だと言われたがかなり複雑なものだった。あるいは作者があえて難しく書いているかだ。
 続いて基礎の本を読む。確かにわかりやすい。[魔法は想像力、君の発想でどんな物でも出来てしまう]とか[魔力上限はタヒぬきで魔法を使っていれば上がってる]とかかなり砕けた表現がされている。この本を読んだ後、また転移魔法の本を読むと、なぜかスラスラと頭に入ってくる。基本の本にはそうゆう類の魔法がされているのだろうか。
 ふと、顔を上げると、笑われているような気がする。二人組はこちらを見てコソコソと話している。両極の者は後ろ姿しか見えないが肩を震わせている。
 基本の本がそんなに馬鹿にされる物なのか、それとも転移魔法の本が俺に合わないのか、いや、どっちもか。俺は気にせず読み続ける。
 俺の方向にだんだん足音が近づいてくる。
 「そんなもの…読んでも仕方ないだろ」
 高圧的な態度で喋りかけてくる。俺は関わりたくないので、無視して、基本の本と転移の本を交互に見る。
 「なぜ、読む」
 相手は言葉を発すると同時に机に拳を振り落とす。肩を近づけてささやき出す。
 痺れを切らすと言う言葉を知らないのか、相当なたんきだ。
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