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第1章 女神との出会い、物語の始まり 楽しみ、楽しみ
草原から城下町
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体を横にひるがえし、体を前に倒し、尻を出す。黒タイツのレジェンド芸人のような、格好になっていた。すぐに状況把握。
狼が前に一匹斜め後ろ左右に一匹づつ、真後ろから駆け上がってくる。時間差で前からくる。
(もう前に行くしかないだろ)
出来るだけ体を丸めボクサーのように腕を固め。左右に振るようにディプシィする。狼と戸惑っているうちに横をすり抜けたら立ち上がりながら全力疾走。
過ぎた狼がすぐに追いかけてくる。斜め後ろの二匹も同時上下に交差して飛んでくる。
間一髪のところで木に飛びついた。高さ15cmしか飛べなかった我ながら情けない。足を上げても50cmぐらいしかないのですぐに、飛び降りる。
狼はそのまま抱きついていた木にぶつかり、後から来た狼が上から乗っかりバランスを崩して左右に転げた。それでもすぐに立った。
目の前に広がる森林は陽が入らず、一歩踏み込めば闇が広がる。恐怖を感じるが狼に食われるよりマシだ。
「ええぃ、ままよ」
人生で一度は言いたい言葉だ、狼、狼に襲われる、ひたすら窮地な場面。こんな場面が人生を歩んでいるうち何回あるだろうか。自分の人生で、反逆、救世主、ジャイアントキリングなんて言葉は縁がないのだろう。社会の歯車になって、よくってネジ山がなくなって定年を迎えて、交換されるぐらいだろう。俺の場合はネジ山が破損して自分から止めるんだろうな。
(ははっ、今一番生きてる感じする)
森林の中に入り木を3本挟んだところで追ってこなくなった。これで一息つける、いや体力がなさすぎて酸素が足りないようだ。心臓が誤破れるぐらい動いている。運動不足を忘れここまで走れた、まさに必 タヒとはこの事だと実感した。
息が整った。目の前を見ると、狼がこちらを睨まつけ佇んでいる。狼と一定の距離をとりつつ歩く。狼も並走して一緒の速度で歩く。
「ーーは部活なんだっけ」
「ーーーだよ」
話声が聞こえる。男女のたわいもない探り話だ。否が応でも仮想カップルに狼を被せてしまう。吊り橋効果の一端に慣れれば良いが。
「おい、あれなんだ」
男子が気づきすぐに叫ぶ。狼は声に反応して、敵意を向け走り出す。
「えっ、ワンちゃん?」
女子は呑気に構えている。続けて喋り出す。
「え、え、こっちに向かってくるよ!どうするの!あれ!」
「どうするも、ヤるしかないだろ!」
男子は空中から、旧世の騎士のような直剣が出てくる。目にも見えない速さで二匹を葬る。
狼が前に一匹斜め後ろ左右に一匹づつ、真後ろから駆け上がってくる。時間差で前からくる。
(もう前に行くしかないだろ)
出来るだけ体を丸めボクサーのように腕を固め。左右に振るようにディプシィする。狼と戸惑っているうちに横をすり抜けたら立ち上がりながら全力疾走。
過ぎた狼がすぐに追いかけてくる。斜め後ろの二匹も同時上下に交差して飛んでくる。
間一髪のところで木に飛びついた。高さ15cmしか飛べなかった我ながら情けない。足を上げても50cmぐらいしかないのですぐに、飛び降りる。
狼はそのまま抱きついていた木にぶつかり、後から来た狼が上から乗っかりバランスを崩して左右に転げた。それでもすぐに立った。
目の前に広がる森林は陽が入らず、一歩踏み込めば闇が広がる。恐怖を感じるが狼に食われるよりマシだ。
「ええぃ、ままよ」
人生で一度は言いたい言葉だ、狼、狼に襲われる、ひたすら窮地な場面。こんな場面が人生を歩んでいるうち何回あるだろうか。自分の人生で、反逆、救世主、ジャイアントキリングなんて言葉は縁がないのだろう。社会の歯車になって、よくってネジ山がなくなって定年を迎えて、交換されるぐらいだろう。俺の場合はネジ山が破損して自分から止めるんだろうな。
(ははっ、今一番生きてる感じする)
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息が整った。目の前を見ると、狼がこちらを睨まつけ佇んでいる。狼と一定の距離をとりつつ歩く。狼も並走して一緒の速度で歩く。
「ーーは部活なんだっけ」
「ーーーだよ」
話声が聞こえる。男女のたわいもない探り話だ。否が応でも仮想カップルに狼を被せてしまう。吊り橋効果の一端に慣れれば良いが。
「おい、あれなんだ」
男子が気づきすぐに叫ぶ。狼は声に反応して、敵意を向け走り出す。
「えっ、ワンちゃん?」
女子は呑気に構えている。続けて喋り出す。
「え、え、こっちに向かってくるよ!どうするの!あれ!」
「どうするも、ヤるしかないだろ!」
男子は空中から、旧世の騎士のような直剣が出てくる。目にも見えない速さで二匹を葬る。
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