上 下
80 / 86
第3章 守るべきか、攻めるべきか

いい出会いに乾杯-7-

しおりを挟む
 アメリアの火炎放射器も徐々に消えていく。
 アーウェンの手をどかそうとすると、アメリアは、アーウェンの手首を掴んで。お腹に手を持っていく。アーウェンは引っ張られた拍子に、アメリアの顔の横につく。
 アメリアは掴んだ手をお腹の上でさする。アーウェンはもう片方の手も重ねる。
 「よかった。止まった。それあじゃ、ゆっくり燃やそうか」
 アーウェンはほっとして手を離そうとする。アメリアは手を離さない。
 「アメリア、アメリアーあれ、動かなくなった…ごめん誰か枝くべてくれない」
 アーウェンは言う。アメリアをぎゅっと抱きしめてみる。アメリアの横顔を見る。もっとギュッとしてみる。少し力が緩み、手が動かせるようになった。手を際どいところに徐々に持っていくと、アメリアは目が泳ぎ出す。
 「アメリア、もういいでしょ放しって…うん、それじゃあ扇風機見たい。出せる」
 アーウェンは優しく言う。
 アメリアは手を解き、もじもじしながら、扇風機を出してくれる。
 風を起こす場所は変わらず、下の台はピザを回しているときのようにワームホールの下の部分のように中央が凸してる扇風機。そこにスターターハンドルが付いている。
 スターターハンドルを引っ張り紐が出来きると、けたたましい音が響く、一定の間隔で小気味良く鳴り、微振動している。
 「よし、それじゃあ弱は…これ」
 アメリアに聞くと、頷く。ボタン押すと、共に高い音が鳴りボタンは沈む。
 アーウェンが知る限り、強より強めな風が吹く。中…いや、強にしたらどれぐらいの力を発揮するのだろう。
 枝葉を焚べて、煙を洞窟内に送る。この作業をフー、ルーに任せ。周辺を偵察する。
 クロムは全滅させたと言っていたが、援軍や、周辺のゴブリンが来たら厄介なことになる。この旨を皆に伝え、納得してもらった。
 「よし…フー、ルー任せたよ。もし、ゴブリンが布を叩くようなら、パンデミック起こしちゃって。それじゃあ、行きますか」
 フー、ルーを置いて、洞窟を中心に500メートルの範囲を歩く。
 木々が生い茂り、隙間がない。倒木があるところは隙間が空いている、そこを通って行く。
 しばらくすると、広い場所に出る。地面が苔に覆われていて、綺麗な新緑に包まれている。徐々に傾斜がかかっていて、一枚岩がせり出ていて丘のようになっている。まだ通れそうな所を探しつつ歩いていると苔が剥がれ下の岩肌があらわになり滑る。一歩踏み出せばまた滑る。勢い良く蹴り上げ登りきる。思わぬ所で体力を使った。一休みする。皆もジタバタと、足掻いている。
 
 
 
  
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

 女を肉便器にするのに飽きた男、若返って生意気な女達を落とす悦びを求める【R18】

m t
ファンタジー
どんなに良い女でも肉便器にするとオナホと変わらない。 その真実に気付いた俺は若返って、生意気な女達を食い散らす事にする

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

処理中です...