ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

第3章 守るべきか、攻めるべきか

思わず、認識してしまう-2-

　カレンの父親をを見ながら、ギルドに入っていく。クロムに伝えつつ、受付嬢の元にいく。
　「あの…」
　アーウェンは村に行った受付嬢とは別の受付嬢に話しかける。
　「彼女は、相当疲れていそうですね…。一言かけてもいいですか」
　アーウェンが言う。
　「いえ、今はやめといた方がいいです。かなり衝撃的だったみたいだから…」
　受付嬢は慌てて断りを告げる。
　「そうですか、一言伝言お願いします———」
　アーウェンは伝言を残し、ギルドを出、国を出、村に向かう。
　レイカは目を覚ます。
　「ここは…」
　体はまだ重い、やっと体を起き上げる。
　「お母さん、大丈夫」
　カレンは心配そうに言う。
　「ああ、カレンいてくれたのね」
　レイカは安堵に包まれながら、段々憤怒に襲われる。
　（こんな所で、のんびりしてはいられない。早く追って、捕まえなければ。あんなに危険なモノ放って置けない）
　レイカはベットから出て歩き出す。
　「お母さん、動いたらダメだよ。ちゃんと治さないといけないんだよ」
　カレンの言葉にレイカは微笑み返す。
　「カレンでもね。ご飯の支度しなくちゃいけないの。お母さん、ちょっと、お肉屋さんに行かなくちゃいけないの。大丈夫、そんなに心配そうな顔をしないで、大丈夫、大丈夫だから。お父さんと一緒にいるのよ」
　レイカは優しく言うと、カレンは泣きそうヒクヒクしている。
　レイカが支度して、扉を開けると夫の足音がする。
　「おお、大丈夫か———」
　夫は心配してくれる。だけど今は…。
　「ごめんなさい、今はお肉屋さんに行かなければ行けないの」
　レイカがそう言うと、夫は止める。
　「いいや、君は安静にしてて、僕が言って来るから」
　夫が優しく、力強く言うが、妻は浮かない顔をしている。それどころか恐怖の化身とかしている。
　「いいえ、あなた。私の言ったものを狩ってこれなかったじゃない。ここは私が行ってくるわ。忘れ物しない様にしないと…」
　武器を持ち、家を出る。
　レイカは歩き出す。次第に気分が良くなり、体が軽くなっていく。段々身も軽やかに、朗らかに、憎悪が増していく。
　アーウェンは村に着く。バニラの力を借り、ほんの数秒でだ。
　「ああ、これは酷い」
　村人、骨と皮の人間だったモノ、兵が村全体に倒れている。人を踏まない様に例の洞窟に向かう。
　洞窟に近づくと、悪臭が漂う、これは燃えた臭いだ。近づき、洞窟を覗く。月明かりが当たっているところを見ると壁は、煤で黒くなっている。
　「燃やされている、バニラ、あかりを洞窟に放ってくれないか」
　バニラは頷き、光を放つ。ゆっくり球体が洞窟ないを進んでいく。洞窟内は奥まで、煤で覆われていて、光が過ぎた場所から漆黒に包まれる。