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第二章  冒険の始まり

騎士の処置-2-

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 一方、テント班はテントの下地になる生地をワンポールテントティピー型に整え、鹿の皮を縫い合わせていた。
 「こんな所で何作っているの」
 少女が話しかけてくる。
 皆、声からして音域は高く幼い声で大体は把握できる。女の子だ。
 「ねぇねぇ、てば」
 少女は皆の周りを回り出す。バニラとアーリーの間に座る。ハンカチ落としの様に。
 「獣の皮だー。これ、猪は茶色だから、狼だね。でも狼倒すの大変だってパパ言ってたよ。すばしこくって集団で動くからって」
 少女は言う終わるとそわそわしている。少女はまた何を作っているのか気になるようだ。
 アーリー達は黙々と皮を縫い合わせる。
 鐘が鳴り、町中は幸せのため息に包まれるそして皆労い、お互いに敬意をはらう。昼飯だ。
 「ご飯の時間だ。行かなくっちゃ、バイバイ」
 少女は家に向かって行く。
 少女がいなくなった後、皆一斉に手を止める。
 (どうしよう、どうしよう、どうしよう)
 皆、心臓の鼓動の様にこの言葉が湧き出てくる。
 「私がここにいても大丈夫…クロム達がここに居たら、大変だから、二つの案がある」
 皆、アーリーの言葉を固唾をのんで待つ。
 「まず一つ。布、皮をクロムに閉まってもらって、皆、ブラックボックスに戻る。だけど、これだと、作業が滞ってしまう。二つ目、クロム、バニラどちらかが皆を連れ門の外まで行ってまた入って来る。これは門番になんと言い訳するか…後、少女がいつくるかだけど…これは私が考えておく。前者と後者どっちにする」
 アーリーが言うと皆静まり返る。
 一方、宿屋は部屋を見ることにした。
 「ここは、少し値がはりますがツインです。皆様だったら、スイートな部屋もありますけどどうしますか」
 店主のニヤケ面は止まらない。
 「スイート…は、ベット二つありますか」
 アーウェンは応える。
 「スイートはベット一つになります。ですが———」
 店主を一頻り説明させた後、アーウェンは言う。
 「それじゃあ、ツインの部屋で」
 アーウェンが言うと、店主は更に説明を重ねたがアーウェンは断固として譲らず、
それではと、ツインの部屋に案内する。
 アーウェンは荷物を下ろし、ベットに横たわる。そこに皆が重なる様にして絡まった、糸の様になる。
 「アーリーとか呼ばなくっちゃダメでしょ」
 アーウェンが言うと頭に声が響く。
 『門の外にいるから迎えにきて欲しいです』
 バニラの声が頭に響く。皆共有してるのか徐々に解けていくが名残り惜しそうだ。
 「それじゃあ、迎えに行こう」
 アーウェンは皆に声をかける。皆、頷き応える。
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