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第二章  冒険の始まり

心のざわめき

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 アーウェンは起きた。朝日が照らし、眩しい。頭の中が歪んでいる感じもする。
 「みんなおはよう」
 アーウェンはテントの中にいる皆に挨拶をする。その後にすぐに外に出る。アメリアが一人で座っている。
 「アメリア、大丈夫か」
 アーウェンは心配そうにアメリアに声をかける。
 「うん、大丈夫、追っても来てないし、気配もない」
 アメリアが森の方をじっと見て言う。
 「そうか…」
 アーウェンは音なる方に気が取られ、気のないような返事する。
 門の方では、騎士の甲冑の音が鳴り響く。門が開き、門番が現れる。
 「何よ、その返事」
 アメリアはふてくされる。
 「ああ、わるい、わるい。門が開いて門番が出てきたからさ」
 アーウェンは悪びれもなくカラカラと笑いながら言う。
 「あっ、バニラとクロムが帰ってきた」
 アメリアは指を指す。バニラとクロムは鹿、猪、鳥、羊を抱えて帰ってきた。
 「うわぁー、大量だ」
 アーウェンは下処理のことを考えると、少しゾッとする。
 「時間があるので見張りはアメリアに任せて、食糧調達をしていました」
 バニラは爽やかに華やかに喋る。側から見たらHIってやつだ。
 「森の中にも、村人はいなかったよ」
 クロムは喋りながら、テントの前に動物を置く。続けて、バニラも置く。
 「それじゃあ、ウーン…大丈夫そうだね。とりあえず、内臓処理しようか。クロム、腹に杭刺して、内臓を影で囲み取り出すことってできる」
 アーウェンが話している時にもう行っていて。三匹目をやっている最中だった。
 「ごめん、なんでもない」
 アーウェンは言葉を飲み込む。その後に、八匹分内臓を取り終えて、影の隙間インベントリーにしまってもらう。
 門を見ると、人が集まり列をなし始める。
 「俺たちも並ぼう」
 テントをたたみ。火に土を覆う様にかける。
 「疲れている人はブラックボックスに入って」
 アーウェンは号令をかける。
 ブラックボックスに入るのはバニラ、クロム、アメリアだ。パドー、アーリー、フー、ルーは一緒に行くことにした。
 門の前はすでに沢山の人が居る。早くに列に並んだとはいえ、大きな門の全容が見える。
 「かいも~ん」
 けたたましい音がしながら門が開く。ここで身分調査が始まる。
 身分調査とは、出生、職業、どこからきたのか調べることである。ギルドに加入していればパスポートのような物をもらっていて、ギルドから受注した際、判子をもらえる。商業ギルドや他のギルドも然り。
 やっとのことで、門前まできた。
 「何しに来たのか、言え」
 騎士はぶっきらぼうに言う。
 「…これが、討伐書で…こっちがギルドの」
 アーウェンが取り出すと、奪い取るように取る。
 「なるほど、確かに、揃っているな。通っていいぞ」
 パーティメンバーの数を数えなくっていいのかと思いつつ門を通る。
 (受注書とギルドの手帳を奪われていて別人だったらどうするんだろう)
 アーウェンは門を後にしてギルドに向かう。
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