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第二章  冒険の始まり

怖いのは夜明けまで-6-

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 「それで日に日に箱の量が減っていったの。新しいおもちゃも来ることもあったけど、箱から溢れることはなかった。私が底についた時、粘着質な液体が体を包んだ。液体の中は静かで穏やか、だけど静かすぎて寂しくなった。私はひたすら喋りかけた。外であれだけの歓喜、悲痛、怒号な事を言っていたのに、不思議に思ってしまう…目が覚めると外が騒がしい。おもちゃ箱のことを言っているのか人間は慌てている。首を捻ると私は箱の中には居なかった。そのまま、下を向くと、箱が見えた。中には何もなくなっていた。ああ、処分されたんだって思って、私は残さらたんだって。気になったのが白い肩が見えてなんだろうって左の手で触ったらすごく硬かった」
 アメリアは一気に喋りきった。日頃のことのように淡々と。
 「それでまた、目を瞑って、目覚めたら皆がいて、今に至るって感じかな…」
 アメリアは言い終わり、深呼吸をする。
 (ブラックボックスになる前でも今の形に近い物になれるのか)
 アーウェンは新たな発見に嬉しさを感じるとともに、眠気で頭が回らない。
 「そうか…アメリア的には今…昔どっ…えーと、どっちがいい」
 アーウェンは急速に眠気に襲われる。
 「えっ、あ、うん。当然今かな、自由に行きたいとこ行けるし、英主は優しいし———」
 アメリアが話している途中、途中に相槌が入るが場違いなところが多く、何回も相槌を繰り返したり、帰ってこないこともある。アーウェンの顔を見ると目を細めて必タヒに耐えているようだった。しばらくすると首を上下に振るようになる。高速鹿威しのようだ。
 「あとは私が見ているよ眠気とは無縁だから」
 アメリアが言うとアーウェンはそれでもと引き下がるが睡魔とアメリアの力に抵抗できない。
 「ごめんね、もっと話したかったのに…」
 アーウェンは眠気が酷く、頭を回転させて、やっと出てきた言葉だ。
 アメリアはテントまでアーウェンを届け、元の位置に戻った。
 暫くすると、バニラとクロムがテントを出て、アメリアを挟んで座る。
 「どうして二人出てきたの」
 アメリアが言うと、バニラとクロムは主張するように言う。
 「ずーと寝ていたし、呼ばれる順番的にもね。それにちょっと夜風に当たりたかったしね」
 バニラは歯切れ悪く言う。
 「私は目が覚めたから起きた」
 クロムは、静かに言う。
 「そういえば、二人はブラックボックスの中に入ったの」
 アメリアが聞くとバニラが先に口を開いた。
 「私は元々ジョッカローブで光が頭上から降り注いで視界が真っ白になって下とか上を見たりした。下を見たら地面からどんどん離れていって木も葉っぱの緑に変わっていった感じそこから記憶がない」
 バニラが言い終わるとクロムが喋り出す。
 「私は、3本足の八咫烏だった。実をついばみ胡桃やどんぐりを高いところから落として実を食べようとしていたら、黒い液体のような蜘蛛の巣のような物に足を絡められてそのまま液体の中に引き摺り込まれっていった」
 クロムは喋りきった。
 
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