ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

第二章 冒険の始まり

行動開始-2-

　「それは安心しました、でも勝手がわからない冒険者が身勝手に行かせるのは危ないような気がしますけど…」
　バニラは、凄く心配をしてるように装う。
　「えー……そうだ、狩人が先導して狩る場所まで連れて行きます。その帰りに鹿とか取ってきてくれて———」
　村人は思い出し、楽しそうに喋るが、バニラは微笑みながら、違うことを考えでいた。
　（先導者は狩人、その狩人があの飲み物を冒険者に渡した。しばらくして帰ってくる…これは、冒険者を見張っていたのでは…）
　バニラは思考を巡らせる。
　「…それでは、なぜ、私たちに害獣駆除を頼むのでしょう。狩人が入れば事足りると思うのですが」
　バニラは村人の言葉の隙間を見計らって言う。少し言葉がきつくなっていたかもしれない。村人は少し怯えながら答える。
　「それは…狩人だけだと、食料分は確保できるのですが…畑を荒らす、モノまでとなるとそれなりに多くなります。凄腕の狩人でも一日2、3匹でしょうでも冒険者さんなら、今日みたいにたくさん取ってくれるから…」
　村人は、話終わる直前にバニラを見る。
　（まるで天使のような笑顔だ。存在は女神そのもの———）
　村人は、無意識に手を組んでいた。
　「そうなんですね。皆さんのお役に立てているなら満足です」
　バニラは笑顔で返す。
　『アーリーどう言うことですか、これは、狩人が案内すると言う話は聞いてないんですけど』
　バニラはアーリーに念話をつなぐ、アーリーはしばらくして、繋がる。
　『……あっ、アメリアのトラップが気になって探っていたの。あーそれね。村長に「あの山から降りてくるんだ」って言われたから山に行って私は、木に同化して、クロムは闇に潜み、探索してたから…』
　バニラはアーリーの話を止める。
　『うー…狩人はどうしたの』
　『狩人って』
　『案内の狩人よ』
　アーリーとバニラの綺麗なラーリーは続く。
　『えっ…あ、ああ、あの時は…シルバーに上がるため必ﾀﾋになっていたから……村長が山って言ったから私たちも一目散に山に向かって、鹿を取って、すぐにギルドに報告したから、案内役なんていなかったよ。後から来てたみたいだけど、私達を見失ってウロウロしてたみたいだけど』
　アーリーの話に、バニラは頭を抱える。
　『それで、森の様子はどうなの』
　バニラはアーリーに聞く。
　『うん、めちゃくちゃ。木にぶら下がっているのは弓矢で打たれていて、足の腱が切れて寝ている人は滅多刺し。方刃ではがついていない方が広くなっている。刺し口は、小さいから突いてる…刃渡りが長い鉈みたいな物でやているみたい。マチェットかな』
　アーリーが言う詳細な情報を聞いてもバニラは眉一つ動かさない。