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第二章  冒険の始まり

やっと旅に…出れる

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 皆、シャワーを浴び、すぐに宿を出る。
 「ありがとよー、またきてくれよな」
 店主の声がアーウェンにはいたたまれなく、アーウェンはお辞儀しながら店を出る。ブラックボックスの皆は元気に挨拶をして、出て行く。
 (ああ、目の保養として良かった、良かった。さて、部屋を片付けるか)
 店主は、アーウェンの部屋に行く。
 「なんじゃこりゃ~」
 店主の声が宿中に響き渡る。
 アーウェンの背筋に悪寒がはしる。店主の声が聞こえたように思う。
 (ははは、大丈夫かな。多分もうあそこは使えないな)
 アーウェンは気を入れ直して、道具屋を探す。人が集まり活気がある場所には何かあるだろうと、声や人通りを逃さないように見る。
 人だかりがある、場所に行くとバザーが開かれている。食糧関係が主だろう。バザーを一歩外れると暗く昔からある雰囲気の店が並んでいるこっちに道具屋があるのではないかと思う。先に、香辛料を探しに行く。
 「ああ、ごめん。急いでるんだ」
 少年は何やら急いでたらしく、少年が通る人に皆あたり、謝りながら、通っりすぎていった。
 「おお、気をつけろよ…」
 アーウェンは少年に行ったが声は届いでいるだろうか。
 「あれ…腰につけてた袋がなくなっている」
 パドーが気づく。
 「早く取り戻さないと、お金入っているんでしょう」
 パドーがアーウェンに聞くと、アーウェンの懐から袋が出て来る。
 「普段使いに困らないだけのお金は持っているよ。あとは、クロムに持ってもらっているから大丈夫」
 パドーが不思議そうに問う。
 「それじゃあ、ってなに」
 アーウェンは微笑みながら答える。
 「ああ、あれね。あれは、僕が暮らしていた村に伝わる、遊びのひとつなんだ。昔から村は貧困でね。野菜を食べられればよかった方で、その中で悪さをする輩も多くなかった。そこで今回のように、袋に細工したモノを持ち歩いていたんだ。モノは作った主人に攻撃をする者だったり離れ離れになったら、あらかじめ決めていた事が始まる」
 アーウェンはどんなことが起こるか教える。今回は袋を取られた事で色々な現象が起きる。袋の主人アーウェンから五メートル離れたら、動機、息切れし、スタミナが切れた状態に、さらに五メートル進むと全身から力が抜けていく。さらに無理やり進むと倒れ込んで起き上がれなくなる。
 アーウェンは言う。これでもまだ生ぬるいと。
 「最初から全身の水を抜くとか筋肉の細胞を消滅させるとか、酷いやつは永遠の休息を与えるとかやりたい放題だったな」
 アーウェンは昔を懐かしむ。
 
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