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第1章 相棒と別れと

いざ、闘技-2-

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 矢継ぎ早に、質問が飛んでくる。怒鳴り声のような声も聞こえてくる。
 「おい、俺の声が届かないだろうが———」
 「前のやつ下がれ、見えないだろうが」
 「俺が話しかけたいんだろうが」
 アーウェンは思う、(だろうが、だろうが。うるさい)数十人いる中でこれだけの怒号の大合唱、最前列は質問攻め。自分がされているわけではないが正直うるさい。
 『みんなの中にサイレント、音声を消す魔法持っている人はいる』
 アーウェンが聞くと『そんな魔法は知らない』『どうやって、音を消すかわからない』と言われた、まぁそうなるか。少しの我慢だ。
 「どーけー、紅茶をお持ちしたんだからな」
 紅茶が出来たようだ。最前列を超え、パドーの隣を取り、皆に配る。
 「みんなこれを使って」
 アーリーが小さな木のようなを枝を配る。これを紅茶につけ、回してみる。上の無数に伸びる細い枝がみるみるうちに、葉っぱが付く。ほとんどの紅茶がそのような状態だが、パドーだけ枝が細り、葉は枯れ花は落ちる。
 「かなり強い、幻覚系か、睡眠系が入っているね。それ」
 アーリーは続けて言う。
 「一様、皆のものは平気そうだけど、あまり飲みたくはないわね」
 確かに、皆、当然のように持っていない。
 「そんなことないでしょ。それに私こうゆうの効かないしね———」
 そう言い、パドーはカップに口を付ける。男はいやらしく笑う。
 パドーは、男に向かって紅茶をかける。男は驚き「うわぁ、何するんだよ」といった時、紅茶が喉を通る。男は倒れ、急に転がったり、駄々っ子のように足をばたつかせたり、寝ながら、あしを地面につけ、尻を上下運動している。
 「ネコチャァ~ン」
 本音…願望が言葉と尻に表れている。他に紅茶がかかったものもいなく、ことなきを終えた。
 「アーウェン時間だ…ん、アイツは何をやっているんだ。まったく、誰かいないか、来てくれ」
 兵士の場所までアーウェン達は行き、廊下のような控室を出る。
 薄暗い、廊下を通る。その間に名簿を兵士から渡され、皆の名前を書く。
 「そこで待っていろ」
 兵士の指示で待たされる。しばらくすると天井が開き、眩しい光が差し込む。床はせりあがり、観客が歓声を開けている。歓迎ではなく今日の生贄に近いのだろうか。
 アーウェン達は真ん中に立ち、それを囲むように、十数人が立っている。
 (みんなガタイがいいな、普通に殴ったぐらいだと倒せないかもな)
 アーウェンは考えていた。よく耳をすませると、アナウスが聞こえる。まずは観客を煽りつつ、選手紹介で煽り、ルール説明を始める。
 「…この時をどれだけ待っていたか、待ちきれなかったものはいるかっ…剛腕のカイ、彼は…一矢一撃マークどんなものでも一撃で仕留める…」
 相手の紹介は終わり。こちらの紹介に入る。
   
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