上 下
19 / 86
第1章 相棒と別れと

道中奇々怪界-4-

しおりを挟む
 「おい、おいおい、話してる場合じゃないぞ、早く出ないと暗くなるぞ」
 アーウェンは頷く。山では山の管理人の権限は強い、ここは大人しくひこう。
 「わかりました。それじゃあちょっと準備をするので待ってください…」
 アーウェンは魔法陣を数十個綺麗に並べライトニングに光になって移動できるように頼んだ。
 「おお、本当か本当に見れるのか。膨大な魔力量と光属性や光に族する精霊を持っていないとできないレールガンをやるのか、これは楽しみだぜ」
 おじさんは一頻り興奮がおさまらない。アーウェンは頷き。ライトニング以外をボックスに戻す。
 「やっと追いつけたのにまた戻されるのか」
 キメラと鵺は騒いでいる。アーウェンはこれからのことを言う。
 「これから違う場所まで飛ばなくちゃいけないんだ。だからマッハ5ぐらいは欲しいだよね。それでも追いかけてくる」
 アーウェンは悪魔のハニカミを見せる。キメラ達はそそくさとブラックボックスに戻る。
 辺りは光に包まれ手に乗るくらいの球体が浮かぶ。
 「私は光を保ちますので主人が魔法と舵を取ってください」
 アーウェンは頷く。
 「ああ、わかった。…行きたい方向を考えれば良いのかな」
 不安は残るが行動を移すことにする。
 外から見ると光がフヨフヨと浮いている。左右にゆっくり動くと、今度は陣の中に入る。一瞬で光は見えなくなった。
 「これでみんなの所に帰れる」
 村へは5秒でつけた。試運転で戸惑ったが、それでも風景は追えないぐらい早かった。ちょっと進んで止まったら、目の前に村があった。
 斜めに魔法陣を出し、そこに入るようにゆっくり動く。魔法陣の手前で強く光、知らせ、陣に入って行く。
 地面に着地すると村人が集まってくる。二人の姿を見て、おねショタに驚いている。あるものはアーウェンを見て数日のうちに立派になったなと驚いている。あるものはライトニングを見て暴力的な肉体美に驚いている。
 (思ったより…いや思う好きもなく村に着いてしまった)
 アーウェンは皆の視線がまばらなことに気づく。村人全員と面識があるわけじゃないから、しょうがない。咳払いして一言言う。
 「ただいまみんな」
 転生したらやりたいことの一つだ。関係なくても皆、歓声を上げ知らない人も歓迎して讃えられるそんな絵が見れるのかと思うと胸が踊る…。
 村人は沸いた。一部を除いて。やはり関係値がない人はそんなに沸かないのか。
 (そうか…漫画の世界も五人ぐらいで他の人はコマの外にいるのか書くのが面倒とかじゃなく。誤認してた)
 それでもアーウェンは嬉しくしている人に抱きついた。
 「おお、やったなあんなにべっぴんさんに貰って」
 父は嫁さんを貰ったように言う。いや、ただの勘違いか。
 「父さんだって、美人さんのパートナーじゃないか」
 アーウェンは戯ける。恥ずかしそうに父は言う。
 「まぁな」
 父は鼻を擦りながら言う。母親は冷たい目を向ける。 
 「私は無事帰ってきてくれて嬉しい…」
 母の言葉を気が終わった後、アーウェンは抱きしめる。
 「うん。そういえば四の山でちょっとやらかしちゃた。そこでおじさんにあってなんとかなったけど」
 アーウェンは、母の顔を見れない。でも母は、引き離すように体を押して顔前に持ってくる。
 「部屋で話しましょう」
 母は真顔だ。アーウェンは動揺してどんな顔をして良いかわからない。
 アーウェンは母から離れて、集まってくれた皆に「ありがとうございます」と言う。すでに何人か帰っていっているし、もう家に灯りがついているとこもある。複雑だが、自分がこの状況ならヤジウマになるだろう。
 一人で立っているライトニングに近づき、少し手を広げた後、引っ込める。ライトニングの手を握り。家に連れて行く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

 女を肉便器にするのに飽きた男、若返って生意気な女達を落とす悦びを求める【R18】

m t
ファンタジー
どんなに良い女でも肉便器にするとオナホと変わらない。 その真実に気付いた俺は若返って、生意気な女達を食い散らす事にする

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...