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第1章 相棒と別れと

道中奇々怪々-3-

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 安定する滑空まで戻ったら、アーウェンはまた話し出す。
 「ああ~、あったあった。肉とゆう肉を片っ端から食べられて、猟師さんに頼むようになっちゃたんだよね。それで、まだ野生本能があるうちに返してきなさいって言われて、泣く泣く、元の場所に返したんだ」
 アーウェンは懐かしむように、遠くを見つめる。また急降下して跳ね上がる。
 『ちょっと危ないな、気をつけなさいよ』
 「悪い悪い、本当に懐かしくってさ」
 木は生えてなく山岳植物がちらほらある、岩肌をギリギリ避け谷の方に下がり、また跳ね上がる。
 『私も喋っていい…』
 プラントも素性を教えてくれるようだ。
 「うん、聞きたい」
 アーウェンは、素直に純粋に興味がある。
 『私は森に遊びに友達と言っていたの、森の中は涼しくってでも暗くてちょっぴり怖い。そんなとこがよかったんだ。そこで友達じゃない声が聞こえてきたの』
 (この森は好きかい)
 (この森にずーと居たいかい)
 (私たちとずーと話をしよう)
 『こんな声がずーとするのそれで返事をしたのってそしたら、周りの木々が集まってきて、囲まれて枝を私の体に絡めてきたの。絡めた枝から棘が出て刺された。でもね、体が締め付けられて、意識が遠のいていたから痛みはそんなに感じなかった。そのまま木々はまとまって大木になっていく。私は木の中に取り込まれてドライアドになった。それで最初に話しかけてきたのは木々はトレントだったんだよねそこから十年トレント達は人間は賢いものだと思っていたんだけど、たかが十歳そこらの子がしていることはたかが知れてるのだけど、わかっていなかったみたい、だから逆にね、トレントを使って情報を集めたの。風のざわめき地面の振動、木々の噂話。情報だけもらえればもらえれば私はなんでもよかったんだけど気付いたんだけどトレントと一体化しているから、動けないなってそれを気づいたのが千年立ってたんだよね。だから動けるようにと思ったんだけど、なんかないかなって。そしたら、地面の底が騒がしいから、トレントの根から精神だけ飛ばしたらそのまま集合体にのまれてここにいるて感じ』
 プラントが喋り終わる頃には日が暮れてきていた。平たい場所はすぐ近くにあるそこまで行って休もう。
 (重い、重すぎる、返事を返すにしてもなんて…思わせイケメンみたいに今はどうとか聞けないでも他には…)
 山の中腹辺りの休憩所だ。ここには山登りの人が何人かいる。空から人が降ってきたのだ驚くだろう。
 「ちょっと兄ちゃん急に来られちゃ困るよこっちだって注意喚起だってあるのにさ」
 慌てて出てくる、山の管理人と言える人が出てきた。
 「あー、ごめんなさい。考え事をしていたら何もできなくって」
 普段着地する際は、煙、ヒバナ、光。訪れる事を告げる、何かの合図をしなければならない。
 「できるだけ人がいない所にしたんだけどね。あっあと4人…」
 話していたら、ライトニングが現れ、影からレイブンが現れる。大人でも見上げるほどの高さだ、驚くのは間違いない。
 「なんですか、あれ。人が飛べるなんて…」
 山の管理人がすかさず、話を止める。
 「ちょっと、どうなっているの。いくら人がいなくってもこんなに飛んできて…」
 アーウェンもすかさず言う。
 「彼女は光っていたよ」
 山の管理人は、口をもごもごしている。それでも何か言おうとする。
 「飛んでくる人は近い時間帯は避けるようにという…」
 アーウェンは(以下略
 「それは、両方向から来た場合でしょ今は片方だけだからそれは当てはまらない。それに彼女を見落としたのは僕のせいじゃないよね。ルールでは違反したものに迅速に対処し、新たな出来事にあたれと書かれているはずだよ」
 山の管理人は顔を真っ赤にしている。頭に血が上ったまま答える。
 「ああ、そーだった、それじゃあここで寝泊まりを禁ずる」
 山の管理人はいやらしく笑う。
 山の管理人が話終わった同時に地面を削る大きめの音が聞こえる。
 「だいぶ前からサイン出してたけど、誘導もないし人が少ないとこ選んで飛んできたんだけどよう、何してたんだ」
 アーウェンは聞き馴染みがある、声に振り向く。
 「あ、おじさん元気してた。何年ぶりだろう」
 おじさんは訝しげにこちらを見ている。思い出したのか顔が明るくなっていく。
 「お、おーお前か、元気してたか、大きくなったな、そうだな…五年ぐらいか——」
 おじさんとしみじみとしていると、山の管理人が割って入ってくる。
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