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第1章 相棒と別れと
道中奇々怪々
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小屋の外に石を積み、かまどを作り、火を焚いておく。
鹿も出し。各部位におおまかに分け、木の枝を差し。焼いていく。素肌にはちょっと熱いが、汗で濡れるよりいいかもしれない。
肉の表面が焼けたごろにドールがジャケットを持ってやって来る。そのまま肩にかけてくれる。
「ああ、ありがとう…ドール無事で良かったよ。肉とか食べられる」
アーウェンは矢継ぎ早にドール聞く。不安の現れか、ドールに嫌われていたらと思うと…
「すごく怖かった、でもね。アーウェンが来てくれてすごく嬉しかった。抱きしめられて、目を瞑れって言われて、わかちゃった瞬間、私居たたまれなくって…」
ドールはうつむきながら、勇気を出して、声を出す。アーウェンはドールの方に向く。
「うーん…うん、それなら良いんだ。俺はドールに…嫌われたらどうしようって思ってて。ドールが許してくれるならいいや」
アーウェンが喋り終わると、ドールはアーウェンの顔を見る。笑いを堪えながらアーウェンに近づいて来る。
「ふーん、許されてると思ってるんだ」
ドールはアーウェンの隣に座り言う。
「こいつー」
アーウェンは冗談混じりに笑いながら言う。
また鹿をじっくり焼く。ゆっくり、じっくり時間は進む。二人の時間もゆっくり進む。
「……あのさ、ドールとかってこのブラックボックスに入る前、何かしてたの」
アーウェンはふと気になることを聞いたが、これは禁句だったかもとすぐに反省したが聞いてしまったからには戻れない。
「私はブラックボックス前はただの歯車だったどこにでもある量産品。私たちみたいな歯車は同じ歯車と組み合わさり強くなる。私単体だと、投げて気絶できれば上出来。だから、大体はスクラップ行きになる。その集まった中でみんなと組みあがって、一部になる。そうなった時、みんなの一番強い、感情に突き動かされるの。私の場合可愛いくなりたいだった。その中には愛されたいとか捨てられないためにはとかそんな感じ。だけど私たちは、可愛いを知らないまま、固められて、捨てられた。大きい穴の底に。私たちは、普通の歯車じゃないから、土を被せ魔法で封印するの。だけど、土の底まで封印は影響がおよばないから。また、皆願うの自由に動きたいってそう思ったら地の底に同じ思いの集合地があって黒く固まる…」
ドールは吐き出すように淡々と語る。一息つき、落ち着いたのか、話出す。
「そうね。最初から私はあの中にいた。でも…私は作り出す一部だったのかもなー。もっと中心の部分の者もいると思うよ。ちなみに、この身体になったのはヌシ様が願ったのだからもちろん私も可愛くなりたいって思っていたけどね」
アーウェンは空を見上げる。ドールはカラカラと笑っている。
「うん、俺も会えて嬉しい」
アーウェンは照れくさそうにハニカム。
話していたら、肉がいい具合に焼けている。他の部位は取っておこう。
鹿も出し。各部位におおまかに分け、木の枝を差し。焼いていく。素肌にはちょっと熱いが、汗で濡れるよりいいかもしれない。
肉の表面が焼けたごろにドールがジャケットを持ってやって来る。そのまま肩にかけてくれる。
「ああ、ありがとう…ドール無事で良かったよ。肉とか食べられる」
アーウェンは矢継ぎ早にドール聞く。不安の現れか、ドールに嫌われていたらと思うと…
「すごく怖かった、でもね。アーウェンが来てくれてすごく嬉しかった。抱きしめられて、目を瞑れって言われて、わかちゃった瞬間、私居たたまれなくって…」
ドールはうつむきながら、勇気を出して、声を出す。アーウェンはドールの方に向く。
「うーん…うん、それなら良いんだ。俺はドールに…嫌われたらどうしようって思ってて。ドールが許してくれるならいいや」
アーウェンが喋り終わると、ドールはアーウェンの顔を見る。笑いを堪えながらアーウェンに近づいて来る。
「ふーん、許されてると思ってるんだ」
ドールはアーウェンの隣に座り言う。
「こいつー」
アーウェンは冗談混じりに笑いながら言う。
また鹿をじっくり焼く。ゆっくり、じっくり時間は進む。二人の時間もゆっくり進む。
「……あのさ、ドールとかってこのブラックボックスに入る前、何かしてたの」
アーウェンはふと気になることを聞いたが、これは禁句だったかもとすぐに反省したが聞いてしまったからには戻れない。
「私はブラックボックス前はただの歯車だったどこにでもある量産品。私たちみたいな歯車は同じ歯車と組み合わさり強くなる。私単体だと、投げて気絶できれば上出来。だから、大体はスクラップ行きになる。その集まった中でみんなと組みあがって、一部になる。そうなった時、みんなの一番強い、感情に突き動かされるの。私の場合可愛いくなりたいだった。その中には愛されたいとか捨てられないためにはとかそんな感じ。だけど私たちは、可愛いを知らないまま、固められて、捨てられた。大きい穴の底に。私たちは、普通の歯車じゃないから、土を被せ魔法で封印するの。だけど、土の底まで封印は影響がおよばないから。また、皆願うの自由に動きたいってそう思ったら地の底に同じ思いの集合地があって黒く固まる…」
ドールは吐き出すように淡々と語る。一息つき、落ち着いたのか、話出す。
「そうね。最初から私はあの中にいた。でも…私は作り出す一部だったのかもなー。もっと中心の部分の者もいると思うよ。ちなみに、この身体になったのはヌシ様が願ったのだからもちろん私も可愛くなりたいって思っていたけどね」
アーウェンは空を見上げる。ドールはカラカラと笑っている。
「うん、俺も会えて嬉しい」
アーウェンは照れくさそうにハニカム。
話していたら、肉がいい具合に焼けている。他の部位は取っておこう。
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