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第1章 相棒と別れと

新たに出発-3-

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 小屋の中は蒸し暑い。レイブンは項垂れて、座っている。ドールは掃除をしている。キメラたちはレイブンと対角線上に三角座りをしている。何か震えてるように見える。
 「みんな外で朝ごはん食べよう」
 アーウェンが声をかけるとドールと双子はビクつく。レイブンは何も反応しない。
 レイブンに近づき大丈夫かと声をかけた瞬間体を持っていかれる。レイブンの体に取り込まれたのかというくらい引き込まれた。
 「しゅ、熱いの」
 辛そうなのがわかる。それでドールや双子はコレに付き合わされたのかと、思うと大変だだろうなと思う。
 30分でなんとか治った。
 「あとはドールお願いね」
 ドールはアーウェンに向かってきてコソコソ話を言う。
 (どうすればいいの、あんな状態で)
 アーウェンはすぐに答える。
 「着替えさせてくれれば良いからあと、安静にね」
 プラントが植物に扮しているのが見える。小屋から出ようとすると、プラントが駆け寄り、今までの事の顛末を話す。まずレイブンに近づく前に教えて欲しかった。プラントはその処置に対しても、見事だったとアーウェンに興奮気味に言う。
 後始末は、ドールたちに任せ、山菜を取りに行く事に。
 ライトニングとミストは心配そうな表情でこちらを見ている。
 「すごい声が聞こえたよ、獣みたいな声がしてたけど大丈夫だったの」
 ミストは聞く。アーウェンは頷く。
 「なんとか、なったよ大変だったけど」
 アーウェンは、息を吐きながら額をぬぐう。
 アーウェンの頭に柔らかいものがのしかかる。頭が押される。振り替えようとしたがすぐに腕を回され、抱きしめられる。
 「ありがとう、まだ…しこりみたいのがあるけど、うん、もう大丈夫」
 声を聞いて、レイブンだと気づく。
 「それはよかった…」
 アーウェンは心の底からそう思った。レイブンの腕は締め上げ、アーウェンの体が絞られていく。
 「もう放したくありません」
 先程までいた、青空が広がり奥の奥まで見えていた。風景は一転、木々に囲まれ、空が見えない。
 「ここなら誰にも邪魔されないですね」
 レイブンは、頭皮、首筋、背中、太ももと顔を這わしていく、下がっていく過程で荒い息をかけられる。アーウェンは目が合っていた。
 アーウェンは一歩踏み出しそのまま座り込む。レイブンも低い体勢だったのでそのままにしとく。
 「あそこ見える。鹿がいるんだあれ持って借りたいね」
 レイブンはゆめ心地だ。話が通じるか心配だ。
 「えっ、ああ、鹿ですね。良いですね貴重なたんぱく質」
 なんとか通じた。あとは鹿を狩る手段を考えなければ。
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