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第1章 相棒と別れと

仮想敵

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 司祭は、儀式によって出て来た。黒い箱をすぐに取る。周りが見ていても異常な速さだった。
 「これは、古きから伝わる、悪しきモノだ。だが、この物体を捨て、新たなモノを召喚すれば良い。皆平等だ。また、並び直したまへ」
 そう言い、司祭は扉に向かって行く。
 アーウェンも司祭が向かった扉から、外に行く。
 扉が閉まり、長い廊下が一層暗く感じる。左右対称に扉があって非常に気持ち悪い。それが永遠に続いているみたいだ。
 『ねぇ、いつまで待たせるのさ、もうあの黒い箱は君のものなのに』
 ミストの声が聞こえる。近くにいるみたいだ。
 「それじゃあ、黒い箱を取り返してくれる」
 司祭には聞こえないように呟く。ミストはにんまりと笑う。
 『どうするのさ』
 「あの黒の箱を操作出来るんだよね」
 ミストは浮遊しながら、並走している。ミストは答えず、顔を上げ天井を見ながら頭の後ろで腕を組む。 
 『うーんと…それは君次第とゆうか箱に気に入られないとなんとも言えないよね』
 ミストのあやふやな答えを聞き、どちらにしろ、アーウェンは箱を取り戻す決意をする。
 司祭がこちらを向く。
 「ここを曲がれば列に戻れる」
 司祭は自分以外に足音があることに気づいていたのだろう。驚きもせず、冷静に言う。タスクは司祭に近づきつつ、話しかける。
 「助かりました……曲がった先に列があるんですね」
 司祭は「ええ、また曲がったら戻れます」右腕を使って指を刺す、左は箱を持っている。
 「ミスト出てこい」
 アーウェンは叫ぶ。司祭は驚き、素早く、箱を両手で持とうとする。
 「こんな扱いされるとわね、思っても見なかったよ」
 霧が立ち込め、司祭の右腕は止められている。
 (後は黒い箱ブラックボックスが僕の事を聞き止めてくれればいける)
 (ブラックボックス、重くなれ)
 アーウェンは念じた。箱は手の平から滑り落ち、司祭の足にのしかかた。
 司祭はくぐもった声を漏らし、うずくまる。それでも箱を持ってその場を立ち去ろうとするが箱は、動かない。
 「この人どうする」
 ミストは聞いてくる。アーウェンはミストに気絶させれるか聞く。
 「うん、出来るよ」
 ミストはまず司祭の周りを包むように囲む。そうすることで呼吸ができなくなる。この行動をとるときは、霧が薄くなるのが難点だ。
 空気が吸えない状態、高山病や過呼吸ではなく溺れている状態なので速やかに気絶してしまう。
 気絶した司祭から、ブラックボックスを取り戻し、外へ向かう。
 ブラックボックスは手の平サイズだが両手を被せても見えてしまう。
 「ブラックボックス小さくならないかな…」
 アーウェンが呟くと手の中に収まる少し大きめのサイコロサイズになった。
 
 
 
 
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