やり直しの大魔王の弟子

曇天

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第三十一話 墓地での戦い

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 クリサウスにオレたちは入国した。

「なあ、依頼のあった墓地ってこの先か」

「そう。
 打ち捨てられた教会の墓地にでるスケルトンの討伐が今回の依頼ね。
 元々古代の遺跡あとだったらしいけど」

「古代遺跡あと......」

 ベルがなにか考えている。

「スケルトンって骸骨だろ。
 死んだのをどうやって倒すんだ。
 粉々にするのか?」

「うむ、スケルトンは魔力が宿った死者たちだ。
 人や獣、自然界の魔力を吸って動いておる。
 魔力でできた核を壊せば動かなくなる」

「ならリブーストで余裕だな」

「うむ、だがシンジよ。
 そろそろ新しい魔法を身に付けた方がよかろう」

「なんで? 
 リブーストがあるじゃん」

「リブーストには弱点がある」

「嘘!! オレの最強魔法に弱点!?」

「うむ、確かにあれはよい魔法だ。
 だが狭いところでは使えぬ」

「それに相手がすごく固くても前に障害物とかつくられてもあんた大ケガするわよ。
 しょせん初見殺しだからね」

「弱点めっちゃある!!
 確かに加速しても狭いと止められないし、高くも飛べないし、壁とか急に出されたら死ぬな」

「だから、新たな魔法を覚えねばならん」

「か、ボクのアイテムを使うかですね!」

 リーゼルがわくわくしながら横から入ってきた。

「いらんわ! お前のアイテムのが危険だわ!
 でも、メルアもベルもリーゼルもいるし、別にいらないんじゃね。
 はっはっはっ」

 オレはリーゼルが出してきたアイテムを道に捨てていった。
 
「捨てないでくださいよー!」


「ここがその教会か」

 森のなかにもう朽ちて屋根もない教会がみえた。
 周囲は昼なのに空が曇りだからなのか、薄暗くひんやり肌寒い。

「明らかにここに来るまえと温度がちがうな......」

「なにぃ、あんた怖いのぉ」

 ニヤニヤしながらメルアが近づいてくる。

「なめるなよ!
 当然怖いに決まってんだろーが!
 オレのメンタルの弱さをなめないでくださーい!」

「それでなんでいばれるのよ。
 で、ベルはいいとして、リーゼルは」

「ボクは特に、モンスターは素材としてしかみてませんから」

「へ、へえー、そうなんだ」

 そう言いながら墓地を奥に進むと、土からボコボコと骸骨が這い出してきた。

「ひええええええ!」

 オレとメルアが飛び退いた。

 ベルとリーゼルは剣とハンマーでスケルトンを砕いていく。
 
「怖いが......
 よーし オレも!」

 リブーストで加速し次々とスケルトンはを砕いていく。
 
「意外とよっゆう、よっゆう! ってあれ!?」  
 
 砕いたはずのスケルトンがまた再生して向かってくる。

「おいベル! 砕いてんのに復活してくるぞ!
 核ってどこだよ!!」

「おかしい。
 これだけ破壊しても再生してくる。
 しかも核がない...... まさか......
 何者かに操られているのか」

「つまり、術士が復活させているってことか!?」

「うむ、魔力感知に引っ掛からないということは、敵はそれほどの術士ということだ」

 オレたちは周囲を探すが、術士の姿は見えない。

「ダメだ! 魔力がいろんな所から感じる見つけられないぞ!」

「ふっふっふっ、こんなこともあろうかとボクが作ったアイテムがあります!
 ハルンが作っていた魔力以外をみる眼鏡ですシンジさんどうぞ!」

 リーゼルから渡された眼鏡をオレは捨てた。

「あーーー!! なにするんですか!?」

「お前の作ったのは危険だからやだ!」  

「大丈夫ですって! そんなに吸いませんから!」

「なにやってんのよ!!
 こっちは限界なの!
 さっさとやんなさいよ!」
 
 スケルトンと戦っているメルアかいってくる。

「オレのが危険だわ!
 仕方ない。
 ほんとに大丈夫なのかよ......
 爆発とかするんじゃないか」  

 オレがびびりながら眼鏡をつける。
 すると奥の墓の後ろに人影が見えた。

(あっ! あれだ! あの墓の後ろに隠れてやがる!)

 オレがリブーストで近づこうとしたとき、前方に高い石の壁が地面からせりでてきた。

「シンジ、相手にリブーストは知られている止めよ」

「やべえ!」
 
 オレは止まった。
 
(しまった! さっき使ったのを見てやがったのか!)

「クックックッ、なかなか美しい魔法ですが、使わせませんよ」


 そういって石の壁の影から一人の燕尾服の仮面の男がわらいながらでできた。
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