罪咎《ざいきゅう》の転移者 ~私の罪と世界の咎~

曇天

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第二十話

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「どうだ。 きれいだろ」

 早速ペンダントを着けてアエルはいった。

「ええ、似合ってるよ」

「ふふふ、今度私のおこづかいでマーメルたちにも買うぞ」

「そうだね。 よし薬の製造場所へと行こう」

 馬車を借り、店員が考えていた場所へと向かった。


「ここか? なにもない」

 遠くに廃墟とかした町があった。 私たちはそこで止まり木々の間に馬車を隠した。

「どうやら、最近モンスターに襲われたらしい......」

【遠隔透視】《リモートビューイング》をつかうと、瓦礫が散乱する町の地下に機械があり、大勢の人間が薬を製造しているようだった。 

(なんだこの機械......)

 後ろに気配を感じる。 【念力】《サイコキネシス》を使い持っているナイフを動かすと相手の首につけた。

「待ってくれ......」

 そう少女の声が聞こえた。 見ると剣を抜いたシュートカットの少女がいて、その後ろに剣を抜いた者たちが複数いた。

「何者なの......」

「心の声...... 魔法使いか、こっちのセリフだよ。 あんたらなんでここにいる」

「冒険者だよ。 この辺りにモンスターに襲われた町があるときいてきた」

 そういうと、少女たちは剣を納めた。

「あたしはケイレス、ここナーフのモンスター討伐の依頼を受けてる」

(......ナーフ、そうかここかダルドンさんの町は......)

「私はリン、彼女はアエル。 知り合いダルドンさんの町だったんだけど、様子を見てくるように頼まれてここにきたんだ」

「なるほど、確かにそんな名前で討伐依頼があったな。 維持も必要だから受けられなかったが、ラグオーンが新しく依頼をだしてたんだ」

「ラグオーン、商業ギルド長か......」

「ああ、あの守銭奴の依頼は受けたくはなかったんだけどね......」

(嘘はついていないな......)

「ラグオーンはなんでこの町を守らせている?」

「わからないわ。 少しはよいことでもしようとしたんじゃないの。 まあがらじゃないから怪しいけどね」

「そうか、じゃあ......」

「どうした? リン」

 アエルに聞かれる。

「何かが近づいてくる」

「えっ? 何か...... あれ!」

 向こうから地響きをたてて、モンスターたちがこちらに向かってくた。
 
「いくわよ!」

 ケイレスは他のものたちを率いて、剣を抜き向かっていった。

「かなりの数だぞ......」

「仕方ないな」

 私たちもむかう。

 乱戦になり、ケイレスたちはかなり強いが、数に押されているようだ。

「アエル」

「わかった!」

 ーー風よ、汝がその身を荒ぶらせ、全てを巻き上げろーー 

「ビルド、ウィンドストーム」

 モンスターが宙をまう。

「【雷念力】《ヴォルトキネシス》」

 空にまったモンスターに雷撃が光り、地面に落ち動かなくなった。

「すごい......」

 ケイレスたちは唖然としてみている。

「町もなくなってるのに襲ってくるの?」

「え、ええ、毎日のようにね。 しかも強い。 さすがにこの人数じゃきりがないわ。 やめたいけど、依頼料がいいからね。 あなたたちが手伝ってくれたら嬉しいんだけど」

「それよりいい方法がある」

「?」

 ケイレスたちに相談を持ちかけた。


「これをラグオーンが......」

 紳士風の老人は、私が手に入れたメモリアとラグオーンの持っていた書類を見ている。

「なるほど......」

 私たちはバルメーラ大臣に会いに来ていた。 ギルドに話を通すと会うことができた。

(大臣に一介の庶民があえるとは、やはりレッサーデーモンを倒しておいたのが功を奏したみたい)

「確かに...... ラグオーンとヤゼルオ伯爵の所業は噂にきいていた。 だがなぜ冒険者である君がそれを調べている」

 そういぶかしげに私をみていった。

(仕方ないな私たちの拠点のことを話すか......)

 私はいまの状況を話した。

「なっ...... 【人外地】にすんでいる......」

「もちろん。 常にモンスターを倒さなければならないですが......」

「ふむ、難民の町に、元貧困者の町か、にわかには信じられんが...... そういえばラダトスの住民がいなくなっていたと報告はあったな...... たやすくレッサーデーモンを倒せるほどの者たちなら......」

「そこで商人たちをまねきたいのですが......」

「商人をラグオーンが占有しているか...... なるほど、それであのものを調べていたというわけか」

 大臣は納得したようにうなづく。

「ええ、アーフィルドにいる元々ナーフにいた商人ギルドの人たちに来てもらおうとしたのです」

「わかった。 しかしこれだけだと証拠としては弱い...... ラグオーンは書類が偽物の可能性をたてにいいわけにするし、この薬も店が勝手に扱って自分には関係ないと言い張るだろう」

 困惑したように大臣は厳しい顔をした。

「ええ、ですから、今製造している場所を突き止めています。 ここにラグオーンがくればその書類が本物だということがわかります」

「......しかし、わざわざその場所に来るだろうか、あのものは狡猾な男ときく。 なかなか尻尾を出さない。 しかも多くの貴族たちを味方につけているからな」

「そこは私に任せてください」
 
 そういう私の目を大臣は見すえる。

「ふむ...... わかった。 それでどうするつもりかな」

「ええ」 

 大臣に考えを話した。

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