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第一話
しおりを挟む「ここは......」
見慣れない草原に私はいた。
その時、何事かをわめいているような声が聞こえむかう。
「あれは!?」
人と同じぐらいの大きさの赤いクモが、男の子に覆いかぶさっていた。
(吹き飛べ!!)
思いが通じたように、クモがはねとぶと、驚いたように森の方へと逃げていった。
(ふう、なんとか...... でもみられた)
その少年はこちらを驚いたようにみている。
「アルメ、ディア、トゥーラ、ティオス」
白人の少年はそういっている。
(言語が、外国語か...... いや聞いたこともない。 仕方ない)
集中してみる。
「あ、あの、お姉さんが助けてくれたんですか?」
(どうやら、聞き取れはする...... ただどう答えるか)
思案して、身振り手振りで伝えてみる。
「ああ、口が......」
納得してくれてようで、少年は頭を下げた。 少年はトレアといい、森に山菜をとりに出掛けたとき襲われたという。
(顔は西洋人だが、私の顔をみても不自然たと思わないのかな?)
「モンスターを吹き飛ばした、あれは魔法なのですか?」
そうおずおずとトレアは聞いてきた。
(モンスター...... なに一体? ここはどこ)
らちが明かないため、最悪逃げることを想定した上で聞いた。
「あれはなんなの?」
「えっ? 頭に声が!! これ魔法...... 魔法使いですか!」
(本当に魔法がある...... それとも違うのか、一応)
「まあ、そんなところ...... それで、あのモンスターとは」
「えっ? ご存じなのでは? 生き物や植物が魔素によって生まれる化物ですよ......」
不思議そうにトレアは首をかしげる。
(この反応、当たり前なのか、魔素か...... なにかの力、やはりここは地球じゃないのか......)
「あの、村の方にきてください。 お礼をしたいので」
そういわれて、トレアについていくことにした。
(もう少し情報がほしい。 ここにきたのは、多分......)
高校に登校中のことを思い出していた。
(やむを得ず力を使わざるおえなかった。 むやみに能力を使ったその瞬間見知らぬここにいた。 偶発的に【瞬間移動】《テレポート》が発動したのか......)
そう私は七峰 凛《ななみね りん》【超能力者】《サイキッカー》だった。
今日、巨大な災厄が来ると【未来予知】がはたらいた。 それを止めるためにありとあらゆる使ったことのない力を最大に使った結果、ここにきてしまったようだ。
(やはりこの力は使うべきじゃなかった。 あのときのように、また私は間違ったのか......)
トレアと話をしながらしばらく歩くと町についた。
(中世ヨーロッパのようだけど、側溝や透明なガラス窓もある。 街灯、電気か、文化レベルがおかしい...... 魔法か、ただ歩いている人は東洋、西洋どちらもいる)
「魔法が文化に入ってるのね」
そう【念話】《テレパス》を使いトレアに聞いてみる。
「ええ、魔素をためられる石、魔石でだいぶ生活が楽になりました。 十年前はなかったから...... ここです」
(魔素...... 魔法の元になる力、エネルギーみたいなものかな)
一軒の小さな家に入る。 トレアの家だという。
トレアは母親とふたり暮らしだった。
あらためて母親からお礼をいわれ、色々な話を聞きながら、食事をごちそうになり一泊とめてもらう。
「どうやら、ラクエスという国の田舎の方みたいだ。 やはりここは地球じゃない...... 異世界なのか、それにモンスターと魔族という対立している種族かいる場所......」
ベッドの上で考える。
(もう一度、試してみるか)
トレアにお礼をいって、また昨日の草原を越えモンスターがいるという森の中にむかう。
「とりあえず、魔法のことは聞いた。 すべての人が使えるわけではなく、自然の中にある【魔素】とやらを使って現象を引き起こすらしい。 それなら、魔法使いってことで超能力のことはなんとかごまかせるか」
一応人が近づかない場所までくると、災厄を止めるために使った【超能力】《サイキック》を試しに使ってみる。
「転移関係か...... 【瞬間移動】《テレポート》、【離転移】《アスポート》の誤作用か、【過去知】ポストコグニッションが使うことができれば...... どうしてこうなったかわこるかもしれない」
集中するが過去を視ることができない。
(ダメか...... 元々極力能力は使わないように生きてきたから、どの超能力が使えるかどうかもわからない。 ただ帰ったところで......)
その瞬間、寒気のような感覚に襲われる。
(なんだこの感じ......)
その時、木々の間から額に角のある狼が現れた。
「これがモンスターという化物か...... なるほど今のは【霊的知覚】《クレアセンティエンス》という力が発動したのか」
狼たちはいつの間にか周囲を囲んでいた。
「【生物会話】《アニマルトーキング》」
(ダメだ。 心のなかが殺意と憎悪で満ちている。 会話や意志疎通はできない。 普通の生物とは違う。 これはトレアが森にいるといってたホーンウルフというモンスターだな......)
狼たちが飛びかかってくる。
(仕方ないな...... 普通の生物じゃないから構わないだろう)
「【空念力】《エアロキネシス》」
念じると狼たちは一瞬でバラバラになった。
(ほとんど使ったことがないけど、【自然操作能力】《フェナメノキネシス》も使えるみたい。 【念力】《サイコキネシス》、【遠隔念動力】《テレキネシス》も使えた)
「グルルルルッ」
うなりごえが聞こえると私の前に影ができている。 後ろを振り替えると見上げるほど大きな狼がいた。
「確か、ホーンウルフの群れが森を支配しているっていってたな...... つまり群れのボスか」
「ガァァァ!!!」
噛みつこうとする狼に、【空念力】《エアロキネシス》を放つ。 体は切り裂いたがまだ生きていた。
(傷が浅い...... なら)
狼の巨体が飛びかかり宙をまう。 が降りてることはなく、【念力】《サイコキネシス》で宙に浮いてもがいている狼を地面に叩きつけた。
「ギャウウウゥゥ......」
そう咆哮すると狼はゆっくり動かなくなった。
「この程度なら【念力】《サイコキネシス》で十分か」
トレアの家へと戻ると、【召転移】《アポート》で置いてきた狼を庭にうつした。
見慣れない草原に私はいた。
その時、何事かをわめいているような声が聞こえむかう。
「あれは!?」
人と同じぐらいの大きさの赤いクモが、男の子に覆いかぶさっていた。
(吹き飛べ!!)
思いが通じたように、クモがはねとぶと、驚いたように森の方へと逃げていった。
(ふう、なんとか...... でもみられた)
その少年はこちらを驚いたようにみている。
「アルメ、ディア、トゥーラ、ティオス」
白人の少年はそういっている。
(言語が、外国語か...... いや聞いたこともない。 仕方ない)
集中してみる。
「あ、あの、お姉さんが助けてくれたんですか?」
(どうやら、聞き取れはする...... ただどう答えるか)
思案して、身振り手振りで伝えてみる。
「ああ、口が......」
納得してくれてようで、少年は頭を下げた。 少年はトレアといい、森に山菜をとりに出掛けたとき襲われたという。
(顔は西洋人だが、私の顔をみても不自然たと思わないのかな?)
「モンスターを吹き飛ばした、あれは魔法なのですか?」
そうおずおずとトレアは聞いてきた。
(モンスター...... なに一体? ここはどこ)
らちが明かないため、最悪逃げることを想定した上で聞いた。
「あれはなんなの?」
「えっ? 頭に声が!! これ魔法...... 魔法使いですか!」
(本当に魔法がある...... それとも違うのか、一応)
「まあ、そんなところ...... それで、あのモンスターとは」
「えっ? ご存じなのでは? 生き物や植物が魔素によって生まれる化物ですよ......」
不思議そうにトレアは首をかしげる。
(この反応、当たり前なのか、魔素か...... なにかの力、やはりここは地球じゃないのか......)
「あの、村の方にきてください。 お礼をしたいので」
そういわれて、トレアについていくことにした。
(もう少し情報がほしい。 ここにきたのは、多分......)
高校に登校中のことを思い出していた。
(やむを得ず力を使わざるおえなかった。 むやみに能力を使ったその瞬間見知らぬここにいた。 偶発的に【瞬間移動】《テレポート》が発動したのか......)
そう私は七峰 凛《ななみね りん》【超能力者】《サイキッカー》だった。
今日、巨大な災厄が来ると【未来予知】がはたらいた。 それを止めるためにありとあらゆる使ったことのない力を最大に使った結果、ここにきてしまったようだ。
(やはりこの力は使うべきじゃなかった。 あのときのように、また私は間違ったのか......)
トレアと話をしながらしばらく歩くと町についた。
(中世ヨーロッパのようだけど、側溝や透明なガラス窓もある。 街灯、電気か、文化レベルがおかしい...... 魔法か、ただ歩いている人は東洋、西洋どちらもいる)
「魔法が文化に入ってるのね」
そう【念話】《テレパス》を使いトレアに聞いてみる。
「ええ、魔素をためられる石、魔石でだいぶ生活が楽になりました。 十年前はなかったから...... ここです」
(魔素...... 魔法の元になる力、エネルギーみたいなものかな)
一軒の小さな家に入る。 トレアの家だという。
トレアは母親とふたり暮らしだった。
あらためて母親からお礼をいわれ、色々な話を聞きながら、食事をごちそうになり一泊とめてもらう。
「どうやら、ラクエスという国の田舎の方みたいだ。 やはりここは地球じゃない...... 異世界なのか、それにモンスターと魔族という対立している種族かいる場所......」
ベッドの上で考える。
(もう一度、試してみるか)
トレアにお礼をいって、また昨日の草原を越えモンスターがいるという森の中にむかう。
「とりあえず、魔法のことは聞いた。 すべての人が使えるわけではなく、自然の中にある【魔素】とやらを使って現象を引き起こすらしい。 それなら、魔法使いってことで超能力のことはなんとかごまかせるか」
一応人が近づかない場所までくると、災厄を止めるために使った【超能力】《サイキック》を試しに使ってみる。
「転移関係か...... 【瞬間移動】《テレポート》、【離転移】《アスポート》の誤作用か、【過去知】ポストコグニッションが使うことができれば...... どうしてこうなったかわこるかもしれない」
集中するが過去を視ることができない。
(ダメか...... 元々極力能力は使わないように生きてきたから、どの超能力が使えるかどうかもわからない。 ただ帰ったところで......)
その瞬間、寒気のような感覚に襲われる。
(なんだこの感じ......)
その時、木々の間から額に角のある狼が現れた。
「これがモンスターという化物か...... なるほど今のは【霊的知覚】《クレアセンティエンス》という力が発動したのか」
狼たちはいつの間にか周囲を囲んでいた。
「【生物会話】《アニマルトーキング》」
(ダメだ。 心のなかが殺意と憎悪で満ちている。 会話や意志疎通はできない。 普通の生物とは違う。 これはトレアが森にいるといってたホーンウルフというモンスターだな......)
狼たちが飛びかかってくる。
(仕方ないな...... 普通の生物じゃないから構わないだろう)
「【空念力】《エアロキネシス》」
念じると狼たちは一瞬でバラバラになった。
(ほとんど使ったことがないけど、【自然操作能力】《フェナメノキネシス》も使えるみたい。 【念力】《サイコキネシス》、【遠隔念動力】《テレキネシス》も使えた)
「グルルルルッ」
うなりごえが聞こえると私の前に影ができている。 後ろを振り替えると見上げるほど大きな狼がいた。
「確か、ホーンウルフの群れが森を支配しているっていってたな...... つまり群れのボスか」
「ガァァァ!!!」
噛みつこうとする狼に、【空念力】《エアロキネシス》を放つ。 体は切り裂いたがまだ生きていた。
(傷が浅い...... なら)
狼の巨体が飛びかかり宙をまう。 が降りてることはなく、【念力】《サイコキネシス》で宙に浮いてもがいている狼を地面に叩きつけた。
「ギャウウウゥゥ......」
そう咆哮すると狼はゆっくり動かなくなった。
「この程度なら【念力】《サイコキネシス》で十分か」
トレアの家へと戻ると、【召転移】《アポート》で置いてきた狼を庭にうつした。
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