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第五十話
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薄暗い通路を歩かされ、明るいところにでた。 円形の部屋だった。 そこは闘技場のようにみえた。
後ろに鉄の巨大な扉がしまる。
(見せしめってこういうことか)
前には檻がおかれ中には巨大な二つの頭をもつ狼がいる。
【オルトロス】そう表示されている。
(装備は奪われた。 殺されてないから、インベントリのアイテムは奪われてないが、武器はないな)
上の方に護衛を着けた豪華な服装の貴族のようね老人がいる。 そのそばにはラーシェがひかえていた。
(あれは......)
「サナ!」
上の階段にアイ、テラリス、クワイアに捕らえられている。
「貴様...... プレイヤーだな」
そうラーシェの横にいる貴族の老人が横柄な態度で聞いた。
「そうだ...... あんたは何者なんだ」
「我はバシュタール皇帝、リライドラだ......」
「皇帝......」
「なんのために傭兵団と手を組もうとしている......」
「おれたちはプレイヤーから狙われている...... だから身を守るためだ。 そのラーシェに聞いたんだったらわかるだろう」
「本当か......」
皇帝はそうラーシェに話を向けた。
「......いいえ、この者たちはプレイヤーをこの国へと攻めさせ、弱ったこの国を連合と傭兵団で攻めさせようとたくらんでおります」
ラーシェは顔色ひとつ変えずそういった。
「なんだと!?」
「どういうつもりだ! ラーシェ!」
テラリスがそう叫ぶ。
「みての通り、ラーテリア王国の王女テラリスが加わっているのがその証拠でしょう。 王女がわざわざプレイヤーと通ずる必要がありますか」
「......なるほど、貴様、連合との密約を話せ。 それを連合の宣戦布告と理解する」
皇帝はそういいはなった。
「密約なんてしていない!」
「ならばお前のあと、他のものに聞くとしよう......」
皇帝が手を上げると、天井から吊るしていった鎖があがり、檻からオルトロスがでてきた。
「グルルルゥ......」
(くっ、アイテムも全てとられた。 こいつをどうにかして、何とかアイたちを解放しないと...... )
「ガァァァ!!」
オルトロスがこちらに駆けてくる。
おれは壁際へと向かい走る。 壁際に追い詰められた。
「クリア!!」
クリアをよぶ。 その時オルトロスがおれをかもうと口をあけその牙が迫る。
ガシュッ
オルトロスのひとつの頭がうなだれる。
「ダブルスラッシュ!」
そしておれはもうひとつの首を剣にしたクリアで跳ねると、剣となったクリアをテラリスに投げた。
「テラリス!」
テラリスは剣を受けとると左右の兵士を斬り倒した。
「クリア下に伸びろ!」
おれは伸びたクリアに捕まり、上の階へとのぼる。
「皇帝、こちらに」
ラーシェは皇帝と共に通路に逃げた。
「これは......」
通路をおうと皇帝その護衛が倒れていて、血の滴る剣をもつラーシェがそこにたっている。
「皇帝を殺したんですか!? なぜです!」
クワイアさんが聞くと、ラーシェはにやついた。
「......こんな腐った国、いや人間など滅んでしまえばいいんですよ」
「じゃあ、あなたはなんで帝国に...... まさか!?」
「どうしたアイ」
「ふふっ、そのまさかです」
そういうとラーシェは懐から石をだすと、その姿を消した。
「逃げられた。 転送石か」
「いえ、それなら逃げられない。 おそらくレアアイテムの【瞬転玉】《エスケープスフィア》でしょう」
「我々もにげるぞ!」
インベントリに入ってるものは取られてないため、おれたちは転送石でその場を去った。
それからしばらくして、おれたちは城でまっていた。 ラクセス団長もきて城の応接室で集まり会議が始まる。
「テラリスどうだ......」
「はぁ、はぁ、ああ、やはり帝国が連合へと宣戦布告してきた」
そう焦って城まできたテラリスがそういった。
「やはり...... そうか。 皇帝暗殺犯にされたということか。 しかし、警戒はしていたがまさかラーシェが裏切るとはな」
ラクセス団長はそう悲しげにつぶやく。
(どうやら信じたかったようだな)
「アイがいってたとおりだ」
「ええ、きっとプレイヤー側と繋がっていたんだよ」
「これでNPC《ノンプレイヤー》同士の戦争がはじまる。 そこをつこうってのか...... はめられたな」
ヤマトが腕を組む。
「ああ、我々も帝国に目をつけられた。 ここは君たちに協力させてもらおう」
ラクセス団長いった。
「しかし、どうする互いに兵力を増強している。 もはや中央大陸の戦争はとめられん」
テラリスが不安な顔をする。
「まず、この大陸で戦争を起こすためには、多分プレイヤーが介入してくるはず。 帝国が最大の軍事大国といえど、連合とは兵力差がある」
ラクセス団長はそういうと、クワイアが付け加える。
「ええ、戦力が整うまで戦争は始まらないかと」
「つまり、プレイヤーの介入を阻止できれば、戦争はとめられるってことか」
おれがいうとみんながうなづいた。
「......だがどうやるかだ」
「それなら方法はある......」
後ろからリンキュルが現れた。
後ろに鉄の巨大な扉がしまる。
(見せしめってこういうことか)
前には檻がおかれ中には巨大な二つの頭をもつ狼がいる。
【オルトロス】そう表示されている。
(装備は奪われた。 殺されてないから、インベントリのアイテムは奪われてないが、武器はないな)
上の方に護衛を着けた豪華な服装の貴族のようね老人がいる。 そのそばにはラーシェがひかえていた。
(あれは......)
「サナ!」
上の階段にアイ、テラリス、クワイアに捕らえられている。
「貴様...... プレイヤーだな」
そうラーシェの横にいる貴族の老人が横柄な態度で聞いた。
「そうだ...... あんたは何者なんだ」
「我はバシュタール皇帝、リライドラだ......」
「皇帝......」
「なんのために傭兵団と手を組もうとしている......」
「おれたちはプレイヤーから狙われている...... だから身を守るためだ。 そのラーシェに聞いたんだったらわかるだろう」
「本当か......」
皇帝はそうラーシェに話を向けた。
「......いいえ、この者たちはプレイヤーをこの国へと攻めさせ、弱ったこの国を連合と傭兵団で攻めさせようとたくらんでおります」
ラーシェは顔色ひとつ変えずそういった。
「なんだと!?」
「どういうつもりだ! ラーシェ!」
テラリスがそう叫ぶ。
「みての通り、ラーテリア王国の王女テラリスが加わっているのがその証拠でしょう。 王女がわざわざプレイヤーと通ずる必要がありますか」
「......なるほど、貴様、連合との密約を話せ。 それを連合の宣戦布告と理解する」
皇帝はそういいはなった。
「密約なんてしていない!」
「ならばお前のあと、他のものに聞くとしよう......」
皇帝が手を上げると、天井から吊るしていった鎖があがり、檻からオルトロスがでてきた。
「グルルルゥ......」
(くっ、アイテムも全てとられた。 こいつをどうにかして、何とかアイたちを解放しないと...... )
「ガァァァ!!」
オルトロスがこちらに駆けてくる。
おれは壁際へと向かい走る。 壁際に追い詰められた。
「クリア!!」
クリアをよぶ。 その時オルトロスがおれをかもうと口をあけその牙が迫る。
ガシュッ
オルトロスのひとつの頭がうなだれる。
「ダブルスラッシュ!」
そしておれはもうひとつの首を剣にしたクリアで跳ねると、剣となったクリアをテラリスに投げた。
「テラリス!」
テラリスは剣を受けとると左右の兵士を斬り倒した。
「クリア下に伸びろ!」
おれは伸びたクリアに捕まり、上の階へとのぼる。
「皇帝、こちらに」
ラーシェは皇帝と共に通路に逃げた。
「これは......」
通路をおうと皇帝その護衛が倒れていて、血の滴る剣をもつラーシェがそこにたっている。
「皇帝を殺したんですか!? なぜです!」
クワイアさんが聞くと、ラーシェはにやついた。
「......こんな腐った国、いや人間など滅んでしまえばいいんですよ」
「じゃあ、あなたはなんで帝国に...... まさか!?」
「どうしたアイ」
「ふふっ、そのまさかです」
そういうとラーシェは懐から石をだすと、その姿を消した。
「逃げられた。 転送石か」
「いえ、それなら逃げられない。 おそらくレアアイテムの【瞬転玉】《エスケープスフィア》でしょう」
「我々もにげるぞ!」
インベントリに入ってるものは取られてないため、おれたちは転送石でその場を去った。
それからしばらくして、おれたちは城でまっていた。 ラクセス団長もきて城の応接室で集まり会議が始まる。
「テラリスどうだ......」
「はぁ、はぁ、ああ、やはり帝国が連合へと宣戦布告してきた」
そう焦って城まできたテラリスがそういった。
「やはり...... そうか。 皇帝暗殺犯にされたということか。 しかし、警戒はしていたがまさかラーシェが裏切るとはな」
ラクセス団長はそう悲しげにつぶやく。
(どうやら信じたかったようだな)
「アイがいってたとおりだ」
「ええ、きっとプレイヤー側と繋がっていたんだよ」
「これでNPC《ノンプレイヤー》同士の戦争がはじまる。 そこをつこうってのか...... はめられたな」
ヤマトが腕を組む。
「ああ、我々も帝国に目をつけられた。 ここは君たちに協力させてもらおう」
ラクセス団長いった。
「しかし、どうする互いに兵力を増強している。 もはや中央大陸の戦争はとめられん」
テラリスが不安な顔をする。
「まず、この大陸で戦争を起こすためには、多分プレイヤーが介入してくるはず。 帝国が最大の軍事大国といえど、連合とは兵力差がある」
ラクセス団長はそういうと、クワイアが付け加える。
「ええ、戦力が整うまで戦争は始まらないかと」
「つまり、プレイヤーの介入を阻止できれば、戦争はとめられるってことか」
おれがいうとみんながうなづいた。
「......だがどうやるかだ」
「それなら方法はある......」
後ろからリンキュルが現れた。
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