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第二十八話
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「レアシナリオか......」
「ええ、多分、テラリスを仲間することがフラグ発生条件なのかも......」
「でもあそこは探すのにも苦労するぞ」
テラリスは不安げにいって曇った空を見上げた。 おれたちは船に乗りルーテシア王国へと戻った。
「西にある【幻惑の森】の奥にその者【リンキュル】はいる」
テラリスの話しから、そこに馬車で向かう。
大きな門をこえて、霧が立ち込める大きな森が目にはいる。
【幻惑の森】と表示された。
「ここか...... レベル30か、かなり手強いな......」
「ああ、ここにはいれるものはそうはいない。 そもそも国の許可がないと、はいることはできない。 この森は一度入るとでることは叶わないといわれているからな」
テラリスはそういって剣を握る。
おれたちは霧の中へと足を踏み入れた。
「くっ! 強い!」
「ああ、なんだこいつら! 一撃でかなりもってきやがる!」
その森の虫のモンスターは強く、かなり削られる。
「でも捕獲できるわ。 ここで戦力を手に入れたい。 エイジとの戦いで虫はほぼ全滅させられたから」
アイはモンスターを捕獲している。
「それでこの霧の中、どこへいけばいいんだ?」
「わからん。 ただこの奥にすんでいる、という情報しかない。 何度か交渉しようとしたが、騎士団ですら会うこともままならなかった」
「確かに、モンスターが強すぎるうえに、この霧の森、厄介だな。 アイならわからないか」
「うん。 試してる。 前の戦いで何かわかりそうだったから......」
目を閉じて集中しているようだ。
「もうすぐ...... これは、見えた! あっちに家があるわ!」
アイは【透視】のアクティブスキルを手に入れた。
「よし! いってみよう!」
おれたちはその場所に近づく。
「ここか? なんにもないぞ」
「ああ、ただの岩があるだけ」
テラリスたちはうろうろしている。
「ううん。 ここにドアが」
アイが手探りしていると、何かをつかんだ。
ガチャッ
おれの目の前に光がさしこむ。
「えっ!?」
おれの目に半裸の少女がうつった。 彼女と目が合う。
「き、きゃああああ!」
「ご、ごめん!」
おれはすぐ扉をしめた。
「どうしたの?」
「いや、現代ではほぼないベタな展開で......」
「どういうことだ?」
アイとテラリスが不思議な顔をしている。
「きぃさぁまぁ......」
後ろから怒りに満ちた声がする。
「おい! 急に戦闘状態になったぞ!」
ヤマトのがいうと、エネミー、【ホームゴーレム】と表示されている。
「やばい! 敵対になった!」
「みろ! 霧が!」
霧が晴れ、古い小さな家が現れた。
「家が動く!?」
家が動きだし手足がでてきた。
「何だこいつ!!」
「ゴーレムだ! リンキュルはゴーレムマスターだ!」
「死ねぇ! 変質者めぇ!」
中からそう聞こえると、家がその拳を振り上げた。
ドカガンッ!
家が拳を振り下ろすと地面がえぐれる。 おれたちはなんとか回避した。
「うお!! あぶな! 潰されたら死ぬ!」
「仕方ない! 家だけ壊そう!」
「とはいえ剣ではどうにもならん!」
「でも炎じゃ、家ごと丸焼きよ! どうするの!」
(動き回れなくするしかないか......)
「テラリス、ヤマトは足を狙ってくれ! あれを潰せば動きは止められる。 おれとアイは陽動だ」
みんなが散って、おれとアイは左右から剣の風や虫の氷で攻撃する。
「お前だけは許さんからな!」
執拗におれをねらって殴り付けてくる。
「うおっ!」
ギリギリでかわす。 テラリスとヤマトは家の足を斬ろうとしているが、固いのかまるで歯が立たない。
(剣で足を斬るの無理か! 貯めたドレインソードなら斬れるかもしれないが、中のリンキュルごと斬ってしまうかもしれないし...... かといってこの攻撃いつまでもかわせないぞ)
クリアが視界にはいる。
「クリアは形を変えられる...... 家はおれを狙ってきている」
(よし......)
「クリア、頼む。 真ん丸になってあいつの片足の下に入ってくれ」
クリアはプイッと横を向く。
「頼むよ!」
クリアは仕方ないという風に空気をはくと、真ん丸になった。
「ありがと! じゃあおれはあいつを引き付けるからよろしく!」
おれは家の真正面で止まる。
「やっと死ぬ覚悟はできたか、その場にいろペッタンコにしてやる」
(怒らせてみるか......)
「いや、何を怒ってるんだ。 男同士だろ」
「お、男同士...... 私が男だと...... き、貴様ぁぁああ!!」
家は猛烈な勢いでおれに近づく。
「よし! いまだ!」
クリアが片足の下に動いた。
グニュ
家はクリアを踏みバランスを崩すと、横倒しになった。
「うきゃああ!!」
バタン! 大きな音がして家が横倒しになる。
「うっ......」
家はそのまま動かなくなった。
「止まった......」
「戦闘状態が解除された」
「中をみてみよう」
おれたちは中に入ってみた。
中では少女が大きなたんこぶを作って目を回していた。
「ええ、多分、テラリスを仲間することがフラグ発生条件なのかも......」
「でもあそこは探すのにも苦労するぞ」
テラリスは不安げにいって曇った空を見上げた。 おれたちは船に乗りルーテシア王国へと戻った。
「西にある【幻惑の森】の奥にその者【リンキュル】はいる」
テラリスの話しから、そこに馬車で向かう。
大きな門をこえて、霧が立ち込める大きな森が目にはいる。
【幻惑の森】と表示された。
「ここか...... レベル30か、かなり手強いな......」
「ああ、ここにはいれるものはそうはいない。 そもそも国の許可がないと、はいることはできない。 この森は一度入るとでることは叶わないといわれているからな」
テラリスはそういって剣を握る。
おれたちは霧の中へと足を踏み入れた。
「くっ! 強い!」
「ああ、なんだこいつら! 一撃でかなりもってきやがる!」
その森の虫のモンスターは強く、かなり削られる。
「でも捕獲できるわ。 ここで戦力を手に入れたい。 エイジとの戦いで虫はほぼ全滅させられたから」
アイはモンスターを捕獲している。
「それでこの霧の中、どこへいけばいいんだ?」
「わからん。 ただこの奥にすんでいる、という情報しかない。 何度か交渉しようとしたが、騎士団ですら会うこともままならなかった」
「確かに、モンスターが強すぎるうえに、この霧の森、厄介だな。 アイならわからないか」
「うん。 試してる。 前の戦いで何かわかりそうだったから......」
目を閉じて集中しているようだ。
「もうすぐ...... これは、見えた! あっちに家があるわ!」
アイは【透視】のアクティブスキルを手に入れた。
「よし! いってみよう!」
おれたちはその場所に近づく。
「ここか? なんにもないぞ」
「ああ、ただの岩があるだけ」
テラリスたちはうろうろしている。
「ううん。 ここにドアが」
アイが手探りしていると、何かをつかんだ。
ガチャッ
おれの目の前に光がさしこむ。
「えっ!?」
おれの目に半裸の少女がうつった。 彼女と目が合う。
「き、きゃああああ!」
「ご、ごめん!」
おれはすぐ扉をしめた。
「どうしたの?」
「いや、現代ではほぼないベタな展開で......」
「どういうことだ?」
アイとテラリスが不思議な顔をしている。
「きぃさぁまぁ......」
後ろから怒りに満ちた声がする。
「おい! 急に戦闘状態になったぞ!」
ヤマトのがいうと、エネミー、【ホームゴーレム】と表示されている。
「やばい! 敵対になった!」
「みろ! 霧が!」
霧が晴れ、古い小さな家が現れた。
「家が動く!?」
家が動きだし手足がでてきた。
「何だこいつ!!」
「ゴーレムだ! リンキュルはゴーレムマスターだ!」
「死ねぇ! 変質者めぇ!」
中からそう聞こえると、家がその拳を振り上げた。
ドカガンッ!
家が拳を振り下ろすと地面がえぐれる。 おれたちはなんとか回避した。
「うお!! あぶな! 潰されたら死ぬ!」
「仕方ない! 家だけ壊そう!」
「とはいえ剣ではどうにもならん!」
「でも炎じゃ、家ごと丸焼きよ! どうするの!」
(動き回れなくするしかないか......)
「テラリス、ヤマトは足を狙ってくれ! あれを潰せば動きは止められる。 おれとアイは陽動だ」
みんなが散って、おれとアイは左右から剣の風や虫の氷で攻撃する。
「お前だけは許さんからな!」
執拗におれをねらって殴り付けてくる。
「うおっ!」
ギリギリでかわす。 テラリスとヤマトは家の足を斬ろうとしているが、固いのかまるで歯が立たない。
(剣で足を斬るの無理か! 貯めたドレインソードなら斬れるかもしれないが、中のリンキュルごと斬ってしまうかもしれないし...... かといってこの攻撃いつまでもかわせないぞ)
クリアが視界にはいる。
「クリアは形を変えられる...... 家はおれを狙ってきている」
(よし......)
「クリア、頼む。 真ん丸になってあいつの片足の下に入ってくれ」
クリアはプイッと横を向く。
「頼むよ!」
クリアは仕方ないという風に空気をはくと、真ん丸になった。
「ありがと! じゃあおれはあいつを引き付けるからよろしく!」
おれは家の真正面で止まる。
「やっと死ぬ覚悟はできたか、その場にいろペッタンコにしてやる」
(怒らせてみるか......)
「いや、何を怒ってるんだ。 男同士だろ」
「お、男同士...... 私が男だと...... き、貴様ぁぁああ!!」
家は猛烈な勢いでおれに近づく。
「よし! いまだ!」
クリアが片足の下に動いた。
グニュ
家はクリアを踏みバランスを崩すと、横倒しになった。
「うきゃああ!!」
バタン! 大きな音がして家が横倒しになる。
「うっ......」
家はそのまま動かなくなった。
「止まった......」
「戦闘状態が解除された」
「中をみてみよう」
おれたちは中に入ってみた。
中では少女が大きなたんこぶを作って目を回していた。
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