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第18話 十二天将① 式神《しきがみ》
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ローブの男は、自分達が救咒衆《きゅうじゅしゅう》という集団で、ある封印された式神を探す為に子供達から霊力を奪っていると話した。 封印された式神とは、大陰陽師、安倍晴明《あべのせいめい》の式神、十二天将《じゅうにてんしょう》だと言う。 この十二天将を用いれば、この世界は平安の世のように術士達の支配するようになると話した。
「救咒衆か......いわゆる、術士原理主義集団か、安倍晴明の残した十二天将を復活させて術士の世界を作ろうとしている......か」
僕がそう呟くと、
「伝説の安倍晴明の十二体の式神......強大な力を持っているでしょうね」
雅が考え込んだ。
「別に安倍晴明が悪人って訳じゃないだろ。 その式神なら復活したって問題ないんじゃないか」
灰がそう言うと、
「馬鹿め、式神は自我を持つんだ。 それに十二天将、天空《てんくう》という式神は、安倍晴明にすら、嘘をついたと言われている」
金形代君は灰にそう言った。
「どうやら、全ての十二天将を見つけているわけじゃない。 まだ三つ相手にあるだけ、残り九つの式神を先に見つけよう!」
「陰陽学園に知らせておきましょう、一応他の学園にも」
「雅お願い」
「でも、どうやって十二天将の場所を探す」
灰が聞く、
「安倍晴明に関係する場所や、有名な建物、神社、仏閣にあるなら、奴らもここまで大きな事件にはしまい。 おそらく全く関係ない場所にあるのだろう。 純粋な霊力を集めて式神を使っていたのは、操作しやすさだけじゃないかもしれんな......」
そう言った金形代君に、
「どういうこと?」
「もしかしたら、十二天将も式神だからな、同じ式神なら共鳴や同調しやすいのかもしれん」
「式神使いが必要ってことか、なら......」
雅に連絡をとってもらい、その人は次の日にやってきた。
「ガキ共、私の力を貸せってことか高くつくぞ」
笑いながら虎堂先生がやって来た。
「そんなこと言ってる場合じゃねーよ、それに一人って他のやついないのかよ」
「分かってる、がなるな、他のやつらには装備や封印の準備をさせているんだ。 すぐ合流してくる。」
灰に虎堂先生が笑いながら答える。 そして急に真剣な顔をすると、
「十二天将か、千年間見つからなかったのに、三つもみつけているとはな......もしかしたら千年で封印が弱まってるのかもな」
「先生、金形代君の予想どおり、式神で見つけられるんですか」
「多分可能だな......式神同士は同じ霊力の波長を持ってるからな、ただ私の霊力だと探知は無理だ。 強大で純粋な霊力が必要だ。 そう充電器のように私の式神に霊力を与えなければ、この広い京都を探しきれん」
「なら、私の出番だな」
麟が胸を張り前に出た。
「貴様は......土光薙の瑞獣か、なるほど......これなら探知は可能だろう、ただ......その救咒衆とやらが、こちらの霊力を感知してくるぞ、相手の式神使いが多いなら最悪、先に相手に場所の特定をされてしまうな」
「こっちも式神使いを集めますか」
雅の提案に、
「いや、いま、相手がどの程度場所を特定できてるか分からん。 全部ではないにしろ遅れれば、かなり不利になる」
と、虎堂先生が首を降った。
「各々別れて先に十二天将を見つけるしかない」
僕は言った。
うなずいた虎堂先生は、懐から多くの符《ふだ》をだして、術式を唱えると、符は大量の猫のような小さなの猫のような虎になった。
「貴様達はこの虎についていけ、私が先導する」
僕達は五人は各々別々に虎に付いていった。
虎を追い山道を走ると、木に隠れていたひと一人入れるぐらいの洞穴を見つけた。 虎を追い中に入ってみると奥に祭壇がおかれ、その祭壇には一枚の五芒星の書かれた符が奉られていた。
「これか! 十二天将の符!」
それを手に入れると、何者かの霊力が洞穴に近付いてきてるのを感じ、外に出ると、ローブを纏う者が十人程いた。
「お前は! 土光薙の!?」
ローブの者達は動揺していたが、
「落ち着け、五行家当主とはいえまだ子供だ。 大方、磨術会優勝も出来レースだったんだろう」
一人前に出てきた男の声でローブの男達は静かになった。
「土光薙家の当主よ、それを渡して頂こう。 そなたも術士、この世界のおかしさに気づいてないわけでもあるまい」
そうローブを剥いで顔をだした男は言った。
「あなたは誰なんだ? それにおかしさとは」
「俺は救咒衆、六凶《ろっきょう》の嗤蛾 燐也《しが りんや》、おかしさとは、我ら術士が陰《かげ》に生きて、劣等種である下人《げにん》どもが、我が物顔でこの陽のもとで生きている、そんなこと許されんとは思わんか」
「思わない、下人とは普通の人のことだよね。 人を上下で語る者の言葉など聞く気もないよ」
「そうか、同胞ゆえ殺したくはなかったが、我らに逆らうならば死んで
もらうしかないな......」
そう言うと術式を唱えた。 燐也の口から大量の蛾が吐き出され、他の術士も蛾を産み出し僕に向かってきた。
霊球を作り蛾を防ぐと、蛾は一点に集中して集まって、鱗粉をかけた。 そして鱗粉は燃え出したきた。
「な!? まずい!」
霊球に穴が空きその中に燃える鱗粉が入ってくる。 僕は霊球から逃げた。 霊刃で蛾を振り払うもかわされ、燃える鱗粉を振り撒いてくる。
(それぞれが意思があるからかわされてしまう。 霊玉で一気になぎ払いたいが、貫通力がありすぎて、何人か死んでしまうかもしれない。 仕方ない......)
僕は霊力を高め液化した霊力を壁にした。
「なんだこの霊力量!? 人間なのか!」
僕はその液壁を振り下ろした。壁は波のように蛾ごと燐也達を飲み込んだ。
「取りあえず固めて置いておくか」
僕は十二天将の符を持って、他の符を探しに行った。
「救咒衆か......いわゆる、術士原理主義集団か、安倍晴明の残した十二天将を復活させて術士の世界を作ろうとしている......か」
僕がそう呟くと、
「伝説の安倍晴明の十二体の式神......強大な力を持っているでしょうね」
雅が考え込んだ。
「別に安倍晴明が悪人って訳じゃないだろ。 その式神なら復活したって問題ないんじゃないか」
灰がそう言うと、
「馬鹿め、式神は自我を持つんだ。 それに十二天将、天空《てんくう》という式神は、安倍晴明にすら、嘘をついたと言われている」
金形代君は灰にそう言った。
「どうやら、全ての十二天将を見つけているわけじゃない。 まだ三つ相手にあるだけ、残り九つの式神を先に見つけよう!」
「陰陽学園に知らせておきましょう、一応他の学園にも」
「雅お願い」
「でも、どうやって十二天将の場所を探す」
灰が聞く、
「安倍晴明に関係する場所や、有名な建物、神社、仏閣にあるなら、奴らもここまで大きな事件にはしまい。 おそらく全く関係ない場所にあるのだろう。 純粋な霊力を集めて式神を使っていたのは、操作しやすさだけじゃないかもしれんな......」
そう言った金形代君に、
「どういうこと?」
「もしかしたら、十二天将も式神だからな、同じ式神なら共鳴や同調しやすいのかもしれん」
「式神使いが必要ってことか、なら......」
雅に連絡をとってもらい、その人は次の日にやってきた。
「ガキ共、私の力を貸せってことか高くつくぞ」
笑いながら虎堂先生がやって来た。
「そんなこと言ってる場合じゃねーよ、それに一人って他のやついないのかよ」
「分かってる、がなるな、他のやつらには装備や封印の準備をさせているんだ。 すぐ合流してくる。」
灰に虎堂先生が笑いながら答える。 そして急に真剣な顔をすると、
「十二天将か、千年間見つからなかったのに、三つもみつけているとはな......もしかしたら千年で封印が弱まってるのかもな」
「先生、金形代君の予想どおり、式神で見つけられるんですか」
「多分可能だな......式神同士は同じ霊力の波長を持ってるからな、ただ私の霊力だと探知は無理だ。 強大で純粋な霊力が必要だ。 そう充電器のように私の式神に霊力を与えなければ、この広い京都を探しきれん」
「なら、私の出番だな」
麟が胸を張り前に出た。
「貴様は......土光薙の瑞獣か、なるほど......これなら探知は可能だろう、ただ......その救咒衆とやらが、こちらの霊力を感知してくるぞ、相手の式神使いが多いなら最悪、先に相手に場所の特定をされてしまうな」
「こっちも式神使いを集めますか」
雅の提案に、
「いや、いま、相手がどの程度場所を特定できてるか分からん。 全部ではないにしろ遅れれば、かなり不利になる」
と、虎堂先生が首を降った。
「各々別れて先に十二天将を見つけるしかない」
僕は言った。
うなずいた虎堂先生は、懐から多くの符《ふだ》をだして、術式を唱えると、符は大量の猫のような小さなの猫のような虎になった。
「貴様達はこの虎についていけ、私が先導する」
僕達は五人は各々別々に虎に付いていった。
虎を追い山道を走ると、木に隠れていたひと一人入れるぐらいの洞穴を見つけた。 虎を追い中に入ってみると奥に祭壇がおかれ、その祭壇には一枚の五芒星の書かれた符が奉られていた。
「これか! 十二天将の符!」
それを手に入れると、何者かの霊力が洞穴に近付いてきてるのを感じ、外に出ると、ローブを纏う者が十人程いた。
「お前は! 土光薙の!?」
ローブの者達は動揺していたが、
「落ち着け、五行家当主とはいえまだ子供だ。 大方、磨術会優勝も出来レースだったんだろう」
一人前に出てきた男の声でローブの男達は静かになった。
「土光薙家の当主よ、それを渡して頂こう。 そなたも術士、この世界のおかしさに気づいてないわけでもあるまい」
そうローブを剥いで顔をだした男は言った。
「あなたは誰なんだ? それにおかしさとは」
「俺は救咒衆、六凶《ろっきょう》の嗤蛾 燐也《しが りんや》、おかしさとは、我ら術士が陰《かげ》に生きて、劣等種である下人《げにん》どもが、我が物顔でこの陽のもとで生きている、そんなこと許されんとは思わんか」
「思わない、下人とは普通の人のことだよね。 人を上下で語る者の言葉など聞く気もないよ」
「そうか、同胞ゆえ殺したくはなかったが、我らに逆らうならば死んで
もらうしかないな......」
そう言うと術式を唱えた。 燐也の口から大量の蛾が吐き出され、他の術士も蛾を産み出し僕に向かってきた。
霊球を作り蛾を防ぐと、蛾は一点に集中して集まって、鱗粉をかけた。 そして鱗粉は燃え出したきた。
「な!? まずい!」
霊球に穴が空きその中に燃える鱗粉が入ってくる。 僕は霊球から逃げた。 霊刃で蛾を振り払うもかわされ、燃える鱗粉を振り撒いてくる。
(それぞれが意思があるからかわされてしまう。 霊玉で一気になぎ払いたいが、貫通力がありすぎて、何人か死んでしまうかもしれない。 仕方ない......)
僕は霊力を高め液化した霊力を壁にした。
「なんだこの霊力量!? 人間なのか!」
僕はその液壁を振り下ろした。壁は波のように蛾ごと燐也達を飲み込んだ。
「取りあえず固めて置いておくか」
僕は十二天将の符を持って、他の符を探しに行った。
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